生地 雅之

2024 05 Feb

地方・郊外型百貨店の未来

昨今、表記の店が閉演や業態変更されるニュースが相次ぐのです。直近では、一畑百貨店や昨年の立川高島屋等なのです。ここ数年お店のリサーチにかけ、表記のお店も気にかけて見ていましたが、1店1店このブログに記載するほどでもなく、今回まとめて将来を予測してみます。

 

百貨店業界の売上はピーク時の半減となり、コロナも追い打ちをかけ、縮小の道を辿るのみなのです。現在は外商顧客のみにしがみつき、全体では富裕層に向き、百貨店の過去のメインターゲットの失なったマスやアッパーマス層を無視して、外商売上(現在20%もな)を倍にしても全体の半分もカバーできないのです。

 

確かに、売れるものにシフトする事はビジネスの基本ではありますが、企業としての意思はないのです。自分でお客様の必要とする物を集め、お客様の前に並べる事こそ、小売業の基本ではないのでしょうか?この基本に戻らない企業が形は変わっても、今後生き残るのでしょうか?富裕層の望むものは売上の高い大手に靡くのが基本ですので、より地方・郊外店からは出ていくのです。これからは(既に)売り手側の方が強いのです。

 

商品開発力を持ち、グッズブランドの育成に掛けてきたメーカーと、ショップブランドに胡坐を搔いてきた小売業の差が出てきているのです。リニューアルやグランドオープンの足並みが揃わない事をみても、選別されているのは明白なのです。物まねではなく自ら考え、行動に移す事をやらないでは将来の道はないのです。知恵がなければ買えばよいのです。金もなければ「座して死を待つのみ」だけなのです。

 

小売業はショップブランドとグッズブランドの掛け合わせとローカライズ&カスタマイズさせないと生き残らないので、如何に研鑽していくか?いつまでも頭が高い商売では?自らは既に高くないと思っていても横から見るとまだまだ高いのです。

 

話を戻して、百貨店は大手の主要店(売上額や赤字等ではなく、「今後の必要性の有無」の判断で、「残るか否か」なのです。よって、閉店・倒産前に当面業態変更ででも企業を維持させていくべきなのです。小売業全体を見るとまだまだ中間層のFBやSCの売上が高く、場貸しとは言え、赤い営業利益を誇っているのです。モノづくり(SPA)まではほど遠いので、当面場貸し(中途半端な百貨店の匂いを残したものではなく)に徹するべきです。

 

これを選択して、企業の存続(延命)をさせながら、次代の戦略の準備をすべきなのです。勿論場貸しでさえ中途半端では成功は覚束ないのですが、小売業の営業利率は低いので、最低(国際会計基準ではなく)5%以上は確保して欲しいものです。次世代の戦略には「利は元にあり」を避けていては小売業の将来はないと思われるのです。デベロッパーやSPAの営業利益率の高さ(研鑽と実行の結果)は?

 

GMSは買取のリスクで百貨店並みの営業利益率であるので、リスクを持ってのビジネスであり、買取在庫を処分しての営業利益であり、まだ百貨店よりはましなのです。自社・自店の販売実力に合わせた仕入れができればもっと高くなるでしょう。小売業は自社・自店の販売実力の把握ができていないのです。いつも提言しています自社データの解析能力がないのです。

 

要は自社にはデータが多いのですが、自社にはどのデータが必要で、どのデータが不要で

どのデータが不足なのかが理解できていないのです。これをクリアできれば今後の戦略が大きく間違っていなければ、成功の道を進められるのです。

 

ビジネスは「少ない品番数(色・サイズも含むSKU)で、如何に大きな売上と利益を確保する事なのです。これに向かってどのように道筋を立てて近づくのかのフローチャートから、始めると良いのですが、この考えが食品のみでなく、衣料品や住居関連にも応用できない弱みが百貨店やGMSには根強く残っているのです。修正すれば売上も利益も結果ついてくるのです。

「出来るか否か?」ではなく、絶対出来るので「やるかやらないか?」だけなのです。

 

現在は自社・自店がこれからどうあるべきか、それに向かって現状からどう進むべきかを構築する必要に迫られてきています。経済環境は間違いなく変化の兆しが見えています。どう変わるのかは別として、その中での自社・自店は何をすべきかが問われているのです。

 

是非とも、健全なる企業経営に向けて、早急に改善・改革される事を祈念致します。

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