生地 雅之
売上不振の原因は?
各企業での売上不振の店は何が欠けているのかを考察してみると、
まず売上不振の定義をどう見るか?
この場合の売上不振の定義を「その店の最盛期の売上をピークと見て、現在の売上との差を不振」としています。その理由は最盛期の売上はその時代のその店の顧客のニーズに合わせられたコンテンツ(モノやコト)を準備し、お伝えできていたので売上が確保できていたのですが、現在の売上は「現在の自店のお客様のニーズにコンテンツが応えたれていない」と見ているのです。
「ピーク時よりお客様が減ったので売上が減少している」との言い訳が聞こえてきそうですが、
売上はお客様の売場・商品・販売に対する評価バロメーターなのですから、
既存客が減少しているのなら、
1.既存客にもう1枚買っていただけるコンテンツ(商品+販売)の開発
既存客に価格を下げないと売れないなら、
2.価格より価値の勝っている商品の開発
それでも売上が不足なら、
3.現在のコンテンツに合う来店可能な新規のお客様の開拓
(そのエリアの自店のコンテンツに合うすべてお客様を確保出来ているのか?まだまだ)
それでも売上が不足なら、
4.来店可能な新規ターゲットのお客様の設定とコンテンツの開発
(展開方法も別途検討必要=同店内や他店舗展開、別ブランドにするかしないか等)
ここまで実施して自店の売上のMAXを図った上で、判断する事が必要なのです。
その上で何が不振の原因かを考えてみると、
1.既存顧客のニーズの把握不足
(出来ているなら売上不振になりにくいので、もう一度見直しをすべきです。既存顧客がまず財産なのですから、既存顧客のニーズを把握できていないのです。)
A)カード売上(SKUが把握できる)が50%あるので、十分だとしたMDを設定したりされていますが、50%以外のニーズは把握できていないのです。50%のデータで全体のMDを設定されている店も多いようです。
B)また、カード使用はご本人ではなく奥様使用での代理購買もあり得ます。
C)別途、カード履歴では戸籍年齢での把握であり、ファッションなどは戸籍年齢ではなく、見た目年齢での購買になっているので、アパレルも含めビジネスが難しいのです。
では、把握手法が無いのかというと様々あるのです。
(活用目的が定まっていない段階でのAI即ではなく、詳細はまた別の機会に)
またニーズ把握にアンケート調査も実施されるケースも多々ありますが、そのデータの解析に問題が多いのです。
アンケート調査の表面的な分析、解析を鵜呑みにしているのでは本当の姿は見えません。
例えば、「恵比寿が東京の住みたい街ランキングのベスト10に入ったから、そのアンケートニーズでのMD開発をすれば、そのお客様たちを獲得できる」とか等が読み違いしているのです。
アンケ―トの回答された方の何割が5年、10年後に実際に住んでいらっしゃるのでしょうか?
「なりたい」、「やりたい」、「欲しい」と回答者はどのくらい実際にできていらっしゃるのでしょうか?はなはだ疑問です。
常に「それは何のためにやっているのか?」「それで儲かっているのか?」の視点が必須です。
アンケートの集計は正しくても、分析、解析のコメントは果たして本当かと裏読みして頂きたいのです。
弊社はアンケ―ト調査をする企業ではありませんが、どのような調査をすれば知りたいことが把握でき、
可能な限り現実に近い事実を知り、またどうすれば、その分析、解析を的確にできるのかを実践しています。
2.コンテンツの開発力やプロモーション力は、各店それなりに力があると見受けられます。
3.既存顧客のターゲットやニーズの把握が的確にできていないので、プロモーションがズレて、既存顧客にリーチできていないのです。
(勿論、効果計測の出来ていないプロモーションに、無駄な経費を使用している事も多いのですが、適正な手法で効果検証できているなら否定するものではありません)
このように見てみると、現在の小売業の売上不振の根本は、「顧客ターゲットの認識とニーズの把握不足」がすべてと言っても過言ではないでしょう。
現在は自社・自店がこれからどうあるべきか、それに向かって現状からどう進むべきかを構築する必要に迫られてきています。経済環境は間違いなく変化の兆しが見えています。どう変わるのかは別として、その中での自社・自店は何をすべきかが問われているのです。
是非とも、健全なる企業経営に向けて、早急に改善・改革される事を祈念致します。
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