生地 雅之

2022 11 Jan

店頭リサーチ⑤

毎年恒例の新春の店頭リサーチが始まりました。毎年同時期にレポートしていますので、右下のアーカイブを紐解いてください。

39.ららぽーと新三郷
10:00に開店とともに入りましたが、FAMILY中心にそこそこの入店客です。

40.イオンタウン吉川美南
過去にもこのブログに記載しましたが、

当初は2ブロック後ろ(KS電機の後ろ)にあり、元TOPの「食品に頼らないで住居関連商品と衣料品のみで飯が餓えるように」との無茶ブリで出来た店なのです。いまでもGMSは食の来店に頼らざるを得ない実力なのです。当然数年間は閑散としていたのです。その時には駐車場もガラガラで大半従業員の車でした、


数年前に駅前に移転させ、食品を導入させ、衣料品をなくし、住居関連の「ホームコーディ」と「キッズリパブリック」のみにして、見栄えはましになったのです。ヨーカドーの住居関連商品の「ボンボンホーム」は中断していても「ホームコーディ」は遅々としてでも成長しているようです。


目玉としても、「アクアイグナス」やホテル系の食ブランドを導入したものの、可処分所得の少ない地域顧客とマッチしていない事、近隣の大型施設(隣にららぽーと新三郷、反対側に自社グループのモールの再最大規模を誇るイオンモール越谷レイクタウンに挟まれ、この規模感ではとても戦えないのです。身内にまで足を引っ張られては、

この戦略は過去にそごう・西武の合併前のそごうが八王子がありながら、場所があるので、同業他社に抑えられてはまずいとの判断で、橋本そごう、柚木そごうと立て続けに出店して、パイが1.5しかないところに3店もだし、すべて閉店の憂き目にあった事に合致するものなのです。

小職から見るイオンリテールの戦略・戦術ミスは
A.「大きい事は良い事だ」の時代は終焉
小さくても特徴のある店舗を「角度を変えて出す」のならまだましなのですが、セブンイレブンがお寺の傍の店には線香等が準備されている位のローカライズが求められているのです。この差別化を間違ったのが「ナチュラルローソン」=MDがほぼ同じで店名のみ変えた程度なのです。わざわざ「ナチュラルローソン」には行かないでも通常のローソンで十分だったからなのです。
B.価格コントロールの甘さ
利益の取れる価格設定の見極めがなく、他社よりも下をくぐれば勝つと考えている事。
自社の顧客ならこの価格で納得して頂けるとの目線のなさ。
儲けようとはしていないのに、儲けたいと考えている事。
ユニクロの布帛価格設定に問題が生じている事と、無印がコスト低減にぶつかっている事をみると今がチャンスなのです。
MDに課題があり、気が付いていない事に問題があるのです。気が付けば勝てるのです。
C.商品よりも、見せ方・売り方に課題が
商品開発力はそれなりにあるのに、見せ方、売り方に難があり、わざわざ売れにくくしている事(良い商品が良く見えていない)。
マニュアルが存在しているのか?そのマニュアルが自社・自店に適しているのか?
見極める目を持っているのか?それを出来る人材が社内に存在するのか?
逆に良い点は沢山あるにもかかわらず、「悪貨が良貨を駆逐している」のです。残念です。

小職から見るイトーヨーカドーの戦略・戦術ミスは
A.    過去からTOPダウン企業で、その事に問題がある訳ではないのですが、
現在のTOPに現場認識がなく間違った指示(現場に即していない)を出しているのです。弁当破棄問題などは時代の変化に適合している施策が打てていないのです。この時代に起きうる事を想定しているのはTOPのみなのか?ミドルは硬直化して指示待ちになってしまっているのです。売上シェアの高い食品出身の上司が、食品の経験則で、住居関連や衣料品の具体的なMDにまで口を出し、道を誤っているのです。
B.    商品開発力の低下は否めない事実
商品を理解している人が中心にいて仕切っていたと見受けられるのに、今や商品を知らない人が中心で仕切っているように映るのです。売れないのは商品のせいにしているとしか思われないのです。そうではない事に気が付けば改善などは容易いものです。
C.    出来ないと撤退・縮小の繰り返しを継続しており、
何でも自社でできると考えている点に大きな課題が存在するのです。結果を出すには何でも活用する意識があれば、知見は買えば良いのです。いままでの無駄な買い物から見れば小さな投資で十分結果(営業利益∔数%)が出るモノなのです。
逆に良い点は沢山あるにもかかわらず、「身内が身内を潰している」のは、勿体ないのです。

店頭リサーチに話を戻して、
41.イトーヨーカドー浦和店
いつもと同様に食品までがらがらでした。

42.浦和コルソ
上記41同様

43.浦和伊勢丹
上記41ほどではないにしてもいつもと同様

44.浦和アトレ
通路が通りにくいほど、そこそこ混みあっていました。

45.浦和パルコ
上記43並みでした。

46.さいたま新都心COCOON(1~3)
COCOON1∔2は上記44並みでしたが、3(ヨドバシ)にダイソー等が3Fに入ったので、物見遊山が多く来店されていても、石井スポーツやART-SPORTS等のMDが今一つで、売上には結びついていない様です。

47.大宮ルミネ(1+2)
流石にトラフィックの活用は上手で、いままででもルミネは全て勝ち組です。これからの所為業施設は小さくても特徴のあるMDの磨き上げ、トラフィック優先が必須です。

48.大宮そごう
上記43並みでした。

49.大宮DOM(マルイ+ダイエー)
上記41同様がらがらでした。
マルイの鳴り物入りの靴のFITTING売場がすでに神戸の靴屋に場貸しされていました。
導入時は「これで安泰」のように広報が宣うのですが、儲かっていれば継続されている筈なのです。如何に儲けられるかの目線が無い事に気が付くべきでしょう。

50.大宮高島屋
上記41並みにがらがらでした。


現在は自社・自店がこれからどうあるべきか、それに向かって現状からどう進むべきかを構築する必要に迫られてきています。経済環境は間違いなく変化の兆しが見えています。どう変わるのかは別として、その中での自社・自店は何をすべきかが問われているのです。

是非とも、健全なる企業経営に向けて、早急に改善・改革される事を祈念致します。
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