生地 雅之
GMS再興3「出る杭は金槌を壊す」
出る杭は金槌を壊す
「上司の肩書に負けるな!」であり、ミドル(代表権のない取締役~部長以上)からみても、TOPは正論でない事の方が多いのです。売上額の多い食品出身の上司が、結果(利益)の出ていない衣料品や住居関連のミドルの対し、データもなく正論もなく、食品の経験則での「勘」での命令も多くあり、結果が出ないケースも多々存在します。
この様な場合の対応として、3種類あるのです。
1. 黙って命令に従う。(反論があっても、草履を懐で温める)機を見て立ち上がる場合も。
2. YES/BUT法として、上司の意見を受け入れる形を取り、その後反対意見を述べ、受け入れやすい環境作りから持論を通す。「忖度」ではない。
3. 理論武装の上、実践で答えを出し、「これでもか」と押し通す。BUT/BAT法(しかし命令は間違っていますと言いながらBATで殴って倒す=暴力ではなく実力行使で)です。
日本では割と2番が多いのですが、どうしても力(肩書)で抑え込む姿勢の上司ならば、暫くは1番もありえるのです。どこかの大手のGMSや百貨店もそうでしたが、、、小職はたまたま前職で上司に恵まれ3番を押し通せたのです。後で振り返ると応援してくれていると思っていたのは小職の勘違いで、心の底では口の減らない、思い上がりの甚だしい奴と思われていたようです。しかし、結果を冷静に判断し、会社の貢献度を正しく評価される社長であり、ビジネスをしに会社にいるのだからと「好き嫌い」よりも「良し悪し」で評価をされていただいただけなのです。それはそれとして素晴らしい事だったのですが、
小職は前職で取締役時代に会議で、来期は残業代半減の予算作成を指示されたのですが、小職の部のみ倍増案で提出し、役員会で大紛糾したのです。説明をさせられ、何故残業が起きるのか?を説明したのです。
1. 店頭で商品が売れていないので、返品が返ってくる。
2. 営業マンはその返品の単価入れ(当時百貨店の大半には委託でのビジネスで各社掛け率が異なり、単価入れして経理計上しないと転売も出来ないから)、に時間を要し、残業削減の折、営業時間中に処理をせざるを得なかったので、営業マンが店頭に行けない状況が続いていたのです。
3. 店頭売上を上げ、返品を阻止しなければ、残業が増えるのは「自明の理」なのです。
小職は既にその時には商品や販売員も、売場立地もそのままでも、売上を伸ばすテクニックを身に着けていたので、店頭に営業マンを連れ出し、実践で教えていけば前売りが向上し、返品も減ると言う「当たり前の理論」を押し通し、当時のTOPに理解して預き、管理部門の取締役を抑えて実行させて預いたのです。おかげで店頭売上は担当部門(担当の百貨店の東日本全店約100店舗の平均)の売上は前年比120%(営業利益は140%)をクリアさせ、返品が大幅に減って、半年で残業もしなくても良くなったのです。
小職自ら売場に行って指示すれば、前年比120%どころか150%は当然なのですが、1店舗の150%よりも全店の120%の方が売上も利益も貢献度が大きいので、管理職としては当然の流れですが、
このコラムのタイトルの「出る杭は金槌を壊す」はこのような事例を多数実践してきて結果を残してきた小職自らの言葉で、「正論は岩をも通す」との意味を持っており、独立時の繊研新聞社より上梓した著書にも他の事例も含め、記載しており、是非ご一読下さい。またTOPが代わって、異見を聞く姿勢を持たれようとされている方がTOPになれば、是非立ち上がって自分の意思(WILL)をTOPに伝えて実践して頂きたいものです。この時立ち上がらなければ何時立ち上がるのでしょうか?
確かに小職は素晴らしい上司に恵まれたのですが、自ら立ち上がらなければ何も変わらないのです。この時の上司は経営者としては素晴らしいのですが、最後は取り巻きに「裸の王様」にされ、会社をぼろぼろにしてしまったのです。要は全て完璧な人はいなく、素晴らしい経営をされていた時は尊敬に値したものですが、最後は普通の人に戻ってしまったのです。経営と同じで打率であり、攻めて、攻めて、攻めての維持であり難しいのですが、諦めずに続ける事が望まれているのです。
現在は自社・自店がこれからどうあるべきか、それに向かって現状からどう進むべきかを構築する必要に迫られてきています。経済環境は間違いなく変化の兆しが見えています。どう変わるのかは別として、その中での自社・自店は何をすべきかが問われているのです。
是非とも、健全なる企業経営に向けて、早急に改善・改革される事を祈念致します。
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