生地 雅之
マーケティングの不備(新規事業が育たない・3)
昨今、企業経営において、新ブランドなどの新規事業がまともに育っていないのです。
何故かを考えてみますと、それ以外の既存事業がまともに育ってきているにも関らずなのです。理由は一つ、上手くなっていない事業のターゲット設定(分析)がまともにあっていないことに尽きるのです。
要はターゲットを変える事(既存と狙う先が違う)は問題はないのですが、ターゲットが異なることが手法まで変えているコトに気が付いていないのです。
マーケティング(MK)は手法であり、目標が違っているのに、やり方まで変えては成功するものまで成功しません。コトの提案を否定しているのではなく、単品の精度向上の上のコト提案であるべきなのです。
ビジネスはいつも提言していますように、
- 儲かるビジネス(高い営業利益額・率)の拡大と儲からないビジネスの縮小
- ローカライズ&カスタマイズ
- 利は元にあり。
- 三現(現場・現実・現物)主義の徹底(スタッフと言えど現実を)
- 如何に少ない品種で如何に高い売上を構築するか?
このようなビジネスの原理原則を徹底して、「当たり前の事を当たり前のように実行することに尽きるのです。
その後にマーチャンダイジング(MD)が始まるのです。
MDこそプロが必要なのです。商品開発力はバイヤーの育成にかかっているのです。
いくらコトで提案しても、お客様は購入されるのは1~2点であり、その1点を持ち帰り
今まで購入した単品と比較して、品質や感性が劣っていたら、2度とそのブランドをその店では購入されないのです。過去に記載しました「モノとコトのバランス」の単品主義なのです。
この事から、ビジネスを見直すと、成功(上手くいっている)しているビジネスが「如何に他のビジネスに応用できていないか?」に尽きるのです。
出来ない筈はないのです。手法として捉え、方向性やターゲットが違うという認識で、その事業を見直せ(認識)は何の問題もないのですから。
最近イトーヨーカド―が衣料品を撤退を始め、並行して僅かな面積をアダストリアと組んで、「FOUND-GOOD」という売場(ブランドコーナー)を作り、広げ始めました。
対岸の大手GMS は衣料品を手放さず、一気に全面積のリニューアルに手を付け始めました。ビジネスとしては「小さく生んで大きく広げる」は正しいのですから、IYの手法で上手く行けばう拡大擦るのが正攻法なのですが。
IYも1号店の木場店(衣料品売上が高い)では効果が出ているとの業界紙の広報のままのコメントを見ても、良いことずくめなのです。30~40歳代が増えたや食品との買い回りが大幅に増えたとの事ですが、今までどのくらいあったものがどのように広がっているのかも見えにくく、全体で木場店の売上自体が大きく伸びたとも聞かないのです。対岸のGMSもしかり、今まで低い効率の売場の売上が伸びても、全店にも影響しないと見えるのです。
それまでの効率が大手2社とも余程低いのでしょう。既にIYは衣料品売場を撤退し始め、FG導入待ちに見える酷い店も存在しているのです。その間どうして?もなく、どこで売上を確保しているのか?現状なくても困らない程度に見えます。売上はお客様の評価のバロメーターであるので、評価されることが売上を増加させるポイントなのです。
対岸の大手GMSは一気に売場をリニューアルされてきていますが、どこがどう良くて、どこがどう悪いのかが見えていないのでしょう。結果が出るまで放置せざるを得なく、どこが悪いからこう手直しをして、このように良化しているというPDCAが見えていないのです。
やってはいるのでしょうが?結果がでていないのは分かって居ないと同義語なのです。
確かに小売業は走りながら検証・改善できるので、良くなっていくのですが、それこそ軸のある目線を持って事に当たらないと好結果も出ないのです。
G6ができたときはとても酷くて(それまでの松坂屋銀座店よりはまし)、今や売上1000億円(銀座大手3店とも)を超し、評価できる館になってきました。これこそ走りながらの改善なのです。
よって、GMSも全館、食品売場、衣料品売場、住居関連売場の目標指針があり、現状どのくらい掛けており、これをどのように改善していくのかの方法を携え、一歩一歩着実に改善に臨むべきなのでしょう。要は「当たり前の事を当たり前のように実践していく事」に尽きるのです。
先日も記載しましたが、地方百貨店も再生にデータがあるので、解析して対応すれば
「若い世代獲得も可能」との事です。どこもかしこも宣わっているのですが、できている企業は1社もありません。できる方法がセットになっていない政策程無駄なものはありません。
先日生成AIで価格コントロールするとの記事がでましたが、それをさい週判断するのも人なのです。如何に人が企業の要であることを示唆するものなのです。
ボストンコンサルの上層部が、価格のUP-DOWNは間違っているとのコメントを出していましたが、EDLP(エブリディ:ロ―・プライス)は現状の日本では通用していないのが事実です
大量在庫を残し、ハイ&ローを続けているGMSと比べても勝てる要素はまったくないのです。
在庫を残して、ローに下げる時のロープライスはEDLPよりも安く、日本の消費者はの安い時に購入しているのです。
メーカーが作りすぎを辞め、小売業も売切を怖がらなくなれば、可能性もあるのでしょうが?小売業も作りすぎを改める方向にはなく、前年実績より少し生産量を抑えた程度で、在庫が減ったと大騒ぎしている程度であり、実際生産量に対し、このくらいの在庫量をという目標値を持つべきなのです。売上は拡大しながらなのです。実際は売上目標は大きくさげられてもいないのです。ビジネスは如何に少ない品種で如何に高い売上を構築できるかの経営ゲームなのです。
現在は自社・自店がこれからどうあるべきか、それに向かって現状からどう進むべきかを構築する必要に迫られてきています。経済環境は間違いなく変化の兆しが見えています。どう変わるのかは別として、その中での自社・自店は何をすべきかが問われているのです。
是非とも、健全なる企業経営に向けて、早急に改善・改革される事を祈念致します。
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