生地 雅之

2022 26 Dec

地方郊外百貨店の延命措置

最近、地方郊外百貨店やFB&SCのリニューアルをリサーチしていますが、都心・郊外店も含め、どんどん寂れており、延命もままならない状況になってきています。このまま放置すれば閉店、倒産は免れないように映ります。

特に気になるのは、新館がある地方・郊外(一部都心)百貨店の将来なのです。九州や関東近郊の百貨店や商業施設を見ても、新館は閑散としており、何をしても手詰まりは拭われません。

何が間違っているのかというと、
1.現在の本館と新館を足して、1MDである事(狭くても館毎に別タ-ゲットMDに)
メンズやリビングが本館にもなく新館に、食品は本館の地下だけ、あるいは新館は公共団体の窓口というフロアゾーニングになっているケースが多いのです。この事が現在とこれからのビジネスには適合できていないと見えるのです。

改善案としては、狭くても本館・新館の各館のみで1MD(例えば本館はシニア・ミセスに特化させ、仮に狭い方を新館として、団塊ジュニア向け館、または、本館は百貨店層のメイン、新館はFB層、またはGMS)にして、そのターゲットにおけるフルラインにて構成すべきなのです。層を違える事による2層狙いのビジネスを。

2.食の充実はコロナ禍を過ぎても、地方・郊外なら強化すべき
地方・郊外店にこれから必須の考え方は、食レストランを見ても判るのですが、尖がった店(例えば俺のフレンチやイタリアン、または特殊な味のラーメン専門店等では地方では生き延びないのです。

都心であればフリー客も多く、入れ替わりで今日はこれをという客が多く可能性も高いのですが、地方にも食の拘りのある方もいらっしゃるのです。しかし、尖がった店を継続運営するには奥が浅いのです。

要は地方・郊外店は何でも食べられる(家族もそれぞれ好みに合った食を)フードコート(価格も含め)が優先されている事を見ても明白であり、「何でもあり」でないと経営が成り立たなくなっているのです。昔のファミリーレストランのようにでも。

この様に地方・郊外店の将来は、地元顧客に密着する事を前提に、その顧客のLTVを意識して取り込みながら、FAMILY(三世代)を獲得できるMDで地域密着しないと生き延びないのです。勿論、親が亡くなっても子供達、孫たちを継続ターゲットに。

現在は自社・自店がこれからどうあるべきか、それに向かって現状からどう進むべきかを構築する必要に迫られてきています。経済環境は間違いなく変化の兆しが見えています。どう変わるのかは別として、その中での自社・自店は何をすべきかが問われているのです。

是非とも、健全なる企業経営に向けて、早急に改善・改革される事を祈念致します。
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