生地 雅之

2022 16 May

恵比寿セントラルスクエア=フ―ディーズガーデン

掲店が4月15日にOPENしました。恵比寿三越跡地に今秋できる恵比寿セントラルスクエアのB2Fの奥側の半分位の面積にLIFEが食品スーパーを出店したのです。
見た目は自由が丘ガーデンズを意識(少し上質に映ります)ではありますが、LIFEの新業態店なのです。

この店は恵比寿という立地を意識して、上質のお客様向けの品揃えなのです。過去にダイエー碑文谷店(現イオン碑文谷店)が前TOPの意向で、近隣の居住者がお金持ちも多く一戸立ての家も多く、一戸辺りに車が2台程度あり1台は外車が多くこの近辺には外車ディラーも多いので、高額品が売れるとの判断での品揃えをしてリニューアルを失敗したイオン碑文谷と同様なのです。

当時のイオン碑文谷には平場にはエアーウィーブが展開され閑散としているのに、インショップ(テナント)に見えるスターバックス等は満員というありさまでした。要は下記のダイエーやイオンというショップブランドのイメージが強く、どのようなお金持ちでもイオンやイトーヨーカドーはGMSであり、百貨店ではないのです。

その理由はダイエーやイオンは日本でのショップ位置付けは百貨店でもなく、GMSなのです。それを無視して居住者が裕福なので高いものが売れるとのミスジャッジなのです。要はマーケティングがまともでも、自社の位置付けがお客様にとってどのように評価されているかをトップが認識できていない事に尽きるのです。

社員の誰もがその程度の事は認識できているのに、企業のトップがミスジャッジしていても誰も何も進言・提言できなく(当然であり、組織の命令に背けないのは当然で、それを踏まえて経営すべきなのです)、間違った判断に陥っているのです。この一例のみではなく、イオン板橋前野店でのリニューアルOPEN当時にイオンリカーとして27万円のワインの展開などはこのエリアは碑文谷ではない住宅地なのに、何を血迷ったのか?甚だ疑問なのです。

この店は数年前に華々しくデビューし、1Fのイオンリカーには日本酒の利き酒風に、日本酒1杯100円の試飲をTRYし、面白く映りましたが、この店のエリア顧客でこのビジネスが継続できるとは思えませんでした。ビジネスとして継続できれば素晴らしいとは考えていましたが、その時点でも既に無理と思っていました。

そして昨年リニューアルしましたが探しても見つからなく、リニューアル時に試飲売場をなくした(良く5年程度続いていたと思われます)とINFORMATIONでお聞きしました。これこそやって見ないでも失敗する(儲からない=儲かっていれば継続する筈)と判るビジネスに手を出し、間違いなく失敗し「こそっと手じまい」している一例なのです。ユニクロの+Jは売れていて完売と報じながら何故継続しないで中止するのでしょうか?(儲かっていれば)

この件は過去のセブン&アイホールディングスにも言える事で、池袋西武にセブンプレミアムの商品(コンビニ)を導入して、何処でも何でも買える事(百貨店客は誰もそのような事は望んでいない)を目指していたのです。一時的に売上が上がる事も当然ある(それまでのその場所の売上が貧弱なだけ)のですが、このような勘違いマーケティングが横行しているのです。

確かにマーケットインのみでは市場は広がりませんが、プロダクトアウトも必要であり、その比率をコントロールできないと継続しにくいのです。つまり「この市場を変えて見せる」との気概も不可欠になってきていますが、計算してどの時点で儲かるのか等の損益分岐点を無視しての継続は無謀なのです。

掲店もLIFEの文字が目につき、新業態として少し高級路線を打ち出すのなら、LIFEの文字を消し、自由が丘ガーデンズのように別物に見せないと、安いイメージが付いている(安いイメージが悪い訳ではないのですが、)のにそこから高級品的なイメージを捻出するにはハードルが高く、下げる方がイージーなのですが、よって、この店のイメージは悪くはないのですが、勿体ないブランド展開なのです。

しかし、三越ならこのレベルの食の展開は難しくなく、閉店までに何故できなかったのか?そしてなぜ閉店に結び付いたのかの原因を追及して、同じ間違いを二度としないためにも社内でのノウハウの蓄積を望むものなのです。現在の三越伊勢丹の食品MDなら十分に対応できたはずと考えるものです。最近の横浜、港南台の様なフードタイムイセタン(外部依存段階で、まだまだ未完成ですが)のように、

今回三越伊勢丹は数年前にクイーンズ伊勢丹の株の大半を売却して現金を手に入れました。そして今回買い戻した(約束通り)のです。そしてまたクイーンズは赤字に埋没するのです。要は売先には再生のノウハウがなく、外部を使ってでも黒字にしたのですが、その黒字化に三越伊勢丹は関与していないのです。

三越伊勢丹とすればノウハウも蓄積できていなく、黒字化できていなかったので売却し、相手側のノウハウで黒字化しているので、再度手元においても黒字化を継続出来る人材は不在なので、間違いなく赤字に陥るだけなのです。何故社員を送り込み、ノウハウを研鑽させなかったのか?

何でも「内製化」が出来れば良いのですが、現在の百貨店やGMSにはノウハウがなく(これを素直に認め)、当面「知恵」を外部から買い、「作業」のみを内製化しながら、社員にそのノウハウを構築できる「人材育成」を平行して実行するべきなのです。

現在は自社・自店がこれからどうあるべきか、それに向かって現状からどう進むべきかを構築する必要に迫られてきています。経済環境は間違いなく変化の兆しが見えています。どう変わるのかは別として、その中での自社・自店は何をすべきかが問われているのです。

是非とも、健全なる企業経営に向けて、早急に改善・改革される事を祈念致します。
弊社へのご連絡は、HOME-PAGEのお問合わせより、お願いします。