生地 雅之
阪急メンズ東京
3月15日にリニューアルしました掲店に、前日14日のプレと翌日の16日の土曜日に行ってきました。
お客様目線のコメントであり、事情は忖度したものではありませんのでご了解ください。
コンドームの自販機や、大人のおもちゃのTENGAの導入、T-SHITRTSの自販機など、従来の百貨店らしくない挑戦に出ました。少し前には梅田大丸も「性の聖域」を超越したイベントを実施していましたがそれを上回るものです。
現在の処、その部分の売上には波があるようです。接客をメインにしている小売業が自販機を設置する事はある意味挑戦なのでしょうが、条例があるにせよ24時間対応できる外向きな場所でも良かったのでは、、
メンズとしてはラグジュアリーを明確にし、アイテム展開ではシューズ以外は見えなくしており、百貨店のメンズとしてはそれなりの評価が出来ます。
今までのコンセプトのジェットセッター(ジェット機に乗って世界を飛び回るビジネスマン)から、子供の頃に基地を作ったような冒険や探検をした時代に戻る楽しい夢を描いたものですが、黙って見れば富裕層すべて取り込む姿勢の表れの様に映っています。
コンセプトの能書きはともかく、評価は店頭売上です。
お客様が購入されての売上が小売業の評価を決めるので、もう少し時間が必要です。
先々週のブログの「伊勢丹メンズ館」と同様、売上はリニューアル・オープンして1ヶ月強ですが、前年実績に対し微増微減程度で、リニューアル効果も売上としては大して出ていないのです。その前のブログの「恵比寿三越」よりはましですが、、
この2店は一般的な百貨店とは異なり、ターゲットの把握は明白であり、MDコンテンツも出来ており、不足しているのはプロモーションです。新規イベントやPOP-UPなどの一過性の売上を確保できるも継続的には繋がっていないと見えるのです。
要は既存ブランドでのPOP-UPやイベントでのアイデアで集客をして、既存売場のロイヤルカスタマーを確保できるような道程を確保すべきでしょう。
まずは移設した売場が判りにくいので、その告知から、、(これは掲店のみではありませんが)
阪急百貨店は関西の雄でもある百貨店であり、梅田本店はその内単店の売上としては伊勢丹新宿店を抜く可能性も秘めています。掲店も大井町の食品とともに東京進出の一躍を担っているように映っています。期待値はそれなりに高いのです。
だからと言って掲店は阪急百貨店本店同様のメンズ顧客の幅の広さを狙っているのではなく、伊勢丹メンズ館同様に百貨店メンズの中でも上層的な顧客に絞ったものなのです。
絞り方ひとつで成功にも失敗にもなるのですが、、
今までは百貨店のMDの最先端を歩いていた伊勢丹新宿店を各社は意識し、背中を追っていたり、逆方向を模索したり、独自性を出そうとしていたり、各社各様伊勢丹新宿店を意識をしていたのは明白です。しかし、最近の伊勢丹は逆に阪急百貨店の背中を追う部分(MD以外で)も散見されます。
コスメブームの先にはリビングがあると考えられます。リビング雑貨以外はビジネスとしてはかなり難しいマーケットなのですが、阪急阪神百貨店は昨年より「ライフスタイル」と称し、生活全般を「コト」としてのくくりとして重要視しようとしていると見えます。
三越伊勢丹は本年4月より、リビングを「ライフデザイン」と名称変更して紳士服からスポーツも移設し、「コト」強化に向かっているように見受けられます。
この「ライフデザイン」の名称はかなり以前から高島屋が組織名として使用していましたが、ほとんど表だって出ていませんでした。
これからやっと本格的に(グレード軸はチャネルで区分されていますが)、すべてのチャネルにおいても「テイスト軸を意識した生活編集提案」が売場に必要とされてきています。
勿論小売業である限り、「コト」を軸にして集客し、「モノ」を売るビジネスであることは「自明の理」なのです。昨今旅行は「コト」と分類されていますが、実質旅行会社でのツアーは「商品」と、保険会社のプランも「商品」と呼んでいるのですから、、
このテイスト軸の売場編集(衣食住ALLでのワールド)は小職が過去から提言していますが、サイトの方向性も、こちらに向けなければECの現在の壁は突破できにくくなってきています。まずはビジョン設定から、、
リアル売場としての方向性は弊社HOME-PAGEの過去のREPORT欄や小職の過去のブログやメディアへの寄稿でも幾度も表現していますが、、
サイトとしての方向性や道程は個別に、機会があれば総論はその内どこかメディアに掲載します。
現在は自社・自店がこれからどうあるべきか、それに向かって現状からどう進むべきかを構築する必要に迫られてきています。経済環境は間違いなく変化の兆しが見えています。どう変わるのかは別として、その中での自社・自店は何をすべきかが問われているのです。
是非とも、健全なる企業経営に向けて、早急に改善・改革される事を祈念致します。
弊社へのご連絡は、HOME-PAGEのお問合わせより、お願いします。