生地 雅之

2018 08 Jan

年始店頭リサーチ③

年始1月6日午前中は商談があり、午後から店頭リサーチをしました。小職の目線による下記の印象を纏めましたので、ご一読下さい。

 

47.東武池袋店

年明けの初めての土曜日であり、それなりにお客様は賑わっていました。特に食品売場は、、

 

日本人の売上のみでも前年程度は確保できているお店も都心店には多いのです。別途、好調なインバウンドのお客様の売上を継続させるには現地に告知を徹底し、指名店として呼び込む事も視野には入っているのでしょうが、現在のモノのみのMDをいくら駆使しても限界があるのではないでしょうか?都心の百貨店は今後どうするつもりなのでしょうか?

既存の日本人向けMDをブラッシュアップさせる事が出来ないのでは、インバウンドのお客様にもその内限界が来るのは自明の理でしょう。

 

48.ルミネ池袋店

この館くらいメトロポリタンプラザからルミネ池袋に変更して、生き返った館は見当たりません。ターゲット層も変更でき、いままでの池袋西口のエリアでは店売りには力の入っていないマルイ位しかなく、間隙を縫ったようにヤング層を取り込めたのは素晴らしいです。デベロッパーのノウハウの差を歴然と見せつけられました。

 

繊研新聞の日本にあるアウトレットを含んだ商業施設(FB&SC)は約300館あり、下位の150館は前年を割り出しているのですが、モールビジネスもまだまだ捨てたモノではありません。

但し、大味過ぎる点を見直し、出せば良いとは考えていないでしょうが、その様に見えるのは如何なモノでしょうか?但し、小売業であれば走りながら修正できる強みがあるので、、

 

しかし、それもテナント任せに見えるので、デベロッパーがどこまで口を出せるかに掛かっているのです。過去はテナントのMDへの口出しはNGでしたが、最近は初という切り口で、店名を変更する要望をテナント側に要求しているのです。これを弱いテナント側は受けており、大したMD変更(生産LOT関係もあり)もなく冠だけの変更なので、ショップブランド力が益々低下しているのです。

 

ユニクロや、、無印、H&M、GAP、ニトリなどはそのような事は受けていないのです。

いずれ、テナント側のブランド毀損に結びついてくるのです。売上&利益を維持向上させならのブランディングは難しいのですが、出来ている企業も沢山あります。経営者が出来ないと思えばそこで終わりなのですから。

 

49.西武池袋店

やはり西武の力は素晴らしいです。きっちりと都心百貨店としての生き残りが出来うる店です。「腐っても鯛」(営業利益の低迷)でいまだに創業者の意向が残っており。新しいコトへのチャレンジは他店に比べても群を抜いております。伊勢丹新宿本店(モノの新しさ)と同様です。

但し、伊勢丹新宿店同様、全部のトライが成功している訳ではありません。やらなくても事前にNGと判るコトまでやってしまっているのには。両店ともに甚だ疑問を感じるのです。

やはり、社内のMD力の精度がまだまだ(商売人不在か?)なのでしょう。

これだけの売上があるのですから、もっと儲かって当然なのですが、、

 

50.池袋PARCO

池袋西武と隣接した駅ビルでもあり、通勤帰りのOL等がしっかりと定着している館です。ターゲットとのぶれも少なく、セールに寄りかかってもいないのですが、何か新鮮味に欠けていると見えるのです。

 

51.ルミネ大宮

取り立てて変わった様子もなく、賑わっているでも閑散としている訳でもなく、、いつもの如く。

1と2と分断され、駅を跨ぐような地型も悪いのですが、立地は抜群です。飲食フロア面積が多くあり、収益的には?

 

52.高島屋大宮店

大宮のシニアはこの店です、立川店のようにテナント依存でみなく、そごう大宮店と棲み分けもできており、東急吉祥寺のように明白なターゲットに絞り込んでいます。

立地は駅から地下繋がりもなく雨には弱いのでしょうが、健闘している店でしょう。

 

53.エキュート大宮

エキュート立川にように改札口を挟んでの左右に分かれていなく、地型も良いので素晴らしいです。いつかは高層にして千葉ぺリエのようにされるのでしょうか?トラフィックのある館は強いですから、、

 

54.COCOON1+2

この館はいままで数年前まで1しかなく、向いのイトーヨーカドーをCOCOON3にしてほとんど丸ごと電気店が入っています。(調布トリエB館と同様)その駅より遠い方にCOCOON2としてSCを作り、ベタなCOCOON1に比べて、ヤング層を取り込んでいます。明確にターゲットを区分けした成功事例と言えます。従来のCOCOON1のお客様はミセス中心であり、50歳台が多いのですが。COCOON2は一般的なニューファミリー層になっているのです。百貨店層は浦和か大宮に出ているのです。エリアドミナントとしても適したものです。百貨店層60歳中心は遠くに行かないし、日用品以外の購入はNETも少ない買物難民であり、そこそこいらっしゃるのですが、その下の世代は百貨店層は都心に出て行くので、エリアに留まるのはそれ以外の客層なのです。これをしっかり取り込めているのです。浦和PARCO同様。

 

55.伊勢丹浦和店

大宮の2店の百貨店よりも明確な地方店です。伊勢丹立川店のMDの精度と同等なのですが、立川店よりも売場や販売員の姿勢に緊張感があり、素晴らしいです。前任の店長の厳しさが現在の店長まで良い部分を引き継がれているのでしょう。伊勢丹はいままで前任否定が多かったと見えるのですが、今回はそうではなく安心感があります。

 

56.浦和コルソ

この館は伊勢丹浦和店と隣接しており、今一つの館です。三越伊勢丹も株を持っているのであれば、丸ごと運営を受け持って(現在の地方郊外店の運営のままではNG)名古屋のラシックのノウハウを注入すれば良いのですが、今のままでは存在価値モ見出せません。

 

勿論百貨店面積を広げる策は仙台の一四一のように無意味であり、現在の伊勢丹の面積のみで十分戦えます。問題は同じ地域の百貨店層と異なるお客様を獲得する事に注力すべきではないでしょうか?看板を百貨店にしないで、

この手法こそ地方郊外百貨店の生き残る道なのです。

 

57.浦和PARCO

浦和ではこれからこの館の方が中心になってくるでしょう。OPEN時には駅から伊勢丹側へ流れるお客様が約80%以上であったものが現在では60%程度に落ちています。そごう横浜店と高島屋横浜店の関係と同様。だからといって伊勢丹浦和店の売上が大きく割り込んでいないのですが、、そのエリアの百貨店以外の客が外に出ていたコトの足止めが出来ているのです。

 

58イオンモール浦和美薗店.

「陸の孤島」であり、交通も不便なのですが、郊外は車社会なのでワンストップショッピングとして十分潤っています。よって、埼玉高速鉄道の最寄り駅までの5分程度の道は街灯もなく暗い夜道なので、環境整備などは遅れているのです。電車で来る学生などは少ない館なのです。このエリアこそはターゲットは全方位網であるべきでしょう。残念です。

 

是非とも、健全なる企業経営に向けて、早急に改善・改革される事を祈念致します。

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