生地 雅之

2024 30 Sep

百貨店復調はインバウンド頼み

昨今百貨店の復調が叫ばれて久しい、客数が減少して、客単価の向上により。売上が増加しているのである、過日も記載のように、高価価格帯の商品の売上が増加しているからなのです。

 

漸く、欧米の2極化(1VS99)の入口に立ったくらいなのです。日本のマーケットはまだまだ3極化が大きく崩れていなく、今までの百貨店売上を支えてくれていた中産階級(日本経済の26%程度)の4%程度が下層級に落ちているだけなのです

 

先日日経のニュース(三越伊勢丹のIR発表とは異なるが=記者の誤解釈か)で、小売業単店(おそらく世界首位クラスの伊勢丹新宿店の売上は昨年度3700億円を超し、インバウンドの売上は前期比2.64倍になっていると報じました。これを逆算するとインバウンドを除く売上は前年比93%強になるので、国内では低迷の部類に入るのです。(実質三越伊勢丹のIRでは国内も伸びている)

 

今まで百貨店を支えてくれていた中産階級の方たちが購入してくれていた百貨店の中価格帯商品百貨店アパレルのオンワードや三陽商会等の商品が売れなくなり、売場は縮小方向に向き、オンワードは百貨店のブランド毎の売場を集約し(アウトレットは逆)、効率運営でECを上手く使い売上を確保しており、三陽商会は素晴らしい経営手腕を発揮されている社長のMD力にて、精度UPでロスを削減しているのです。効率経営はともかく、要はそれなりに売れている(需要がある)のです。

 

経営とは儲けられる事業の拡大と、儲けられない事業の縮小に尽きるので、百貨店は正しい選択をしているのです。いままでのリスクヘッジからは脱出できないままですが、数十年消化という在庫リスクを持たないビジネスに身を置き、価格コントロール権を放棄し、顧客に一番近い位置にいるにも関わらず、売れる量を見極めれば買取も可能であったのです。

 

在庫リスクを恐れるあまり、買取を避けてきた漬けが出てきているのです。

小売業でも営業利益率の低さも露呈し、国際会計基準でやっと5%程度になっているのです。

確かに、現在デベロッパーは高収益ですが、テナントが売れる商品を持っていなければ家賃も払えなくなり、縮小の一途を辿るのみなのです。要は他力依存なのです。

 

リスクを張ってモノづくりをしているのは、SPA系セレクトショップとGMSなのです。衣料と食品のカテゴリーは違えど、頑張っているのです。セレクトショップは営業利益率は高いが、GMSは残品処分しての百貨店同様の営業利益率だから、百貨店より上なのです。

 

ユニクロはSPAですが、FAST・FASHIONではないのです。モノづくりに1年半以上前から手を出し、QRはできていないのです。TOPはQRを指示してはいるものの企業体質から現在は不可能なのです。

 

よって、地方・郊外百貨店は企業が維持できている間に、FBやSCのように場貸しでも営業利益を稼ぐビジネスモデルに転換し息継ぎをして、次のビジネスモデルを模索すべきなのです。

 

現在は自社・自店がこれからどうあるべきか、それに向かって現状からどう進むべきかを構築する必要に迫られてきています。経済環境は間違いなく変化の兆しが見えています。どう変わるのかは別として、その中での自社・自店は何をすべきかが問われているのです。

是非とも、健全なる企業経営に向けて、早急に改善・改革される事を祈念致します。

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