生地 雅之
営業利益率
経営の指標でもある営業利益率は、企業によって極端に差があります。
株価 17年度の営業利益率 20年度の営業利益率
三越伊勢丹HDS 808円 1.9% -2.1%
JFR 1011円 4.2% ー3.2%
高島屋 1153円 3.7% -2.0%
ユナイテッドアローズ 1982円 6.3% -5.4%
青山商事 786円 8.0% ―8.9%
AOKI-HDGS 693円 7.4% ―4.1%
ファーストリティリング 75940円 7.1% 7.4%
良品計画 2584円 11.6% 0.3%
三井不動産 2624円 15.5% ー10.2%
イオンモール 1726円 16.6% 12.3%
*各社決算報告より引用。赤字の場合は赤字額の売上全体への比率。良品計画のみ経常利益。
*営業利益とは本業で儲ける力であり、利益額は固定費捻出のために、企業毎に額は異なるので、それ以上儲けないと経営が維持できないのです。
*三越伊勢丹HDSは21年度のみ国際会計基準、JFRは17年度も21年度両方とも。
*株価は直近の同じ日で確認。
*三井不動産は他の事業を含むが、デベロッパー事業のららぽーととアウトレットパークを含むため記載。
*イオンモールはデベロッパー事業メインで、上場しているため記述可能。
*セレクトショップのユナイテッドアローズ以外のビームス、アーバンリサーチ等は未上場。
それにしても、小売業のGMSや特に百貨店は儲かっていないのです。
経済誌は週刊紙も、小売の担当者を減らし、1カテゴリーとしての扱いも減ってきています。
上記には様々な理由が挙げられますが、「斜陽産業だから」「公益性があるから」等の言い訳も多く聞こえてきますが、その言い訳が平均値であっても、各社各様の経営をされているのです。
アパレルでも高収益の企業も存在し、小売業でもSPAのユニクロのように高い営業利益率を誇る企業も存在しています。デベロッパーでさえ、小売業とは異なるリスクを踏んでいるのです。
では、百貨店は何故このような低営業利益率に喃々としているのでしょうか?
儲からない「先義後利」は、儲かる「先義後利」への転換はいつできるのでしょうか?
「先義があっても、後利が付いてこない」実態からの脱却はいつ?最近は「先義」でさえどこやら、
「百貨店ごっこはやらない」ではなく「百貨店ごっこもやれない」のが実情なのです。
この場合の各社の「百貨店の定義」とは?
「利は元にあり」リスクの無い処に利益は無いのですが、先人の言葉は嘘なのでしょうか?
いつからリスクを避け、自分の売るべきものを自ら仕入れる形式を捨て去ったのでしょうか?某アパレルが提案したから受けただけとの他社依存から脱却の意思はあるのでしょうか?無理という前に存続するためには何が不足か?
本田宗一郎氏の「三現主義(現場・現物・現実)」は今や昔。時代が違うという言葉一言で片づけられる程、経済の真理はそう簡単に変わるものなのでしょうか?
今からでも遅くはありません。「気が付いた処から「儲ける」に向けて走り出しましょう。
まずは儲けて、株主、取締役、従業員、取引先、お客様の5方向に向いたWINWINになるビジネスモデルの構築に向かいましょう。
「事件は現場で起きている」のです。現場を見ないで何を語り、経営しようとしているのでしょうか?この前は「いつお金を払って下さるお客様に頭を下げたのでしょうか?」思い出せない。新入社員の時以来か?
そのためには、
1. 自社の向いたい先のVISION構築
2. 自社の立ち位置の的確な認識(最近の小職のブログに記載の確認を)
3. 2から1へ直線で走る
この1~3が適正に出来るコトが必要不可欠なので。(当たり前の事を当たり前のようにできる)
出来るためには出来うる人材の確保が前提です。そのために社内育成(理論「座学」と実践「現場でのOJT」)を実行しながら、そして即再生を望むなら当面外部に依存する事が必要不可欠なのです。
勿論、その目線を養うために、経営者自らプロ意識(結果を出す)への認識転換が前提なのです。まずは経営者自らの意識改革から始めるべきです。現場とは何か?
現場に「お金」も「ヒント」も落ちているのです。「見つける力」と「拾う体力」が必須なのです。
現在は自社・自店がこれからどうあるべきか、それに向かって現状からどう進むべきかを構築する必要に迫られてきています。経済環境は間違いなく変化の兆しが見えています。どう変わるのかは別として、その中での自社・自店は何をすべきかが問われているのです。
是非とも、健全なる企業経営に向けて、早急に改善・改革される事を祈念致します。
弊社へのご連絡は、HOME-PAGEのお問合わせより、お願いします。