生地 雅之

2018 30 Apr

店頭リサーチ⑭

先日店頭リサーチをしました。小職の目線による下記の印象を纏めましたので、ご一読下さい。

 

147.SHIPS渋谷店

相いかわらずショップコンセプトのしっかりとしたお店であり、顧客層のマーケティングも的確に映っています。地下から5Fまで6層のフロアのコンセプトも明確に感じます。久しぶりにSHIPSの原点を見せられました。JET-BLUEの展開フロアも適しており、アイテムの価格バランスを修正すればよりベターでしょう。

 

148.グローバルワーク渋谷店

基幹店としてわざわざ渋谷には不要なお店です。ただ駅ビルのFBや地方・郊外のSCに出店しているMDのままであり、ブランド横串展開としては素晴らしいのですが、家賃の高いこの場所でわざわざ郊外MDで勝負する必要はありません。別ブランドで発信すべきではないでしょうか?日本ではボリュームで広がったブランドのイメージアップは至難の業です。

 

ユニクロの銀座店も同様にインバウンドに向けた利便性のみであれば先が思いやられます。バーバリーのブルーレーベルやブラックレーベルは何故成功したのでしょうか?グローバルワークはRIGHT-ONよりも洗練されてきており、価格ラインも駅ビルやSCには適したモノになってきています。しかし、RIGHT-ON同様営業利益率は低迷しているのです。

 

お客様のニーズはほぼ的確になりつつあるのですが、社内のMD精度が低いのでしょう。自社、自店の必要量の見極めができなくなっており、不要な商品量の仕入れが足を引っ張っているとしか見えません。勿論DBや売場構築、販売にも不備が出てきているのでしょう。苦戦しているGMS同様です。マニュアルを見直す事も必要なのではないでしょうか?

 

最近販売マニュアル不要論も見受けられますが、服が好きで入社してきているとは思えない人材も多く、販売を就職として採用(これが本来の姿)せざるを得ないのであれば、プロとしての販売を求めるべきであり、業務としての販売のプロになって頂きたいものです。

URBAN-RESEARCH等は数年前に二子玉川ライズ店の店長に立ち話で聞いたのですが、「売場構築のマニュアルがなく店長任せであり、店長の力量で売上が大きく変動するので、ブランドとしての基本的なマニュアルが欲しい」とぼやいていました。営業利益も安定している中、本当ではなく愚痴と捉えましたが、、

しかし、URBAN-RESEARCHやWORLDもそうですが、ONLINE-SITEでは割引連発で、サイトに入ると商品を見ないうち(何を買うかも決めていない時)から割引クーポンが出てきて、店頭でもサイトでもプロパーで買う気にならないのも事実です。小職のみかも判りませんが、、

 

よって、マニュアルは当然必要であり、その上に個人のオプションを乗せるべきで、これが成長なのです。EC担当者が自社ECで、または他社ECで商品を買ったことがない人が多いのと似ています。

 

149.KOE渋谷店

上記グローバルワーク同様。

 

150.イオンモール座間店

イオンモールの新店であり、陸の孤島で、周辺のマンション増加に適しているのでしょう。暫く安定は望めます。企業としてもイオン銀行とともに、イオンの収益の柱の一つであり、素晴らしい営業利益を確保できている決算内容です。

 

しかし岡田代表は今後には、AMAZONに恐怖観念を持ち、デジタル化に大きくシフトしようと舵を切っています。それは正解なのですが、現在のEC売上程度から1兆2千億円までには程遠い道のりが存在しているのです。

 

まずはリアル対応にも不備が感じられます。リテールもそうですが、何故新店にはものすごく投資しているのですが、既存店は全く無視しているように映ります。ここのお客様はGMSはここしかなく、「陸の孤島」が多いのですから、しっかり商売をやれば儲かるマーケットなのです。

 

どの企業もTOPがデジタルに舵を切って、大きな投資をすると言ってもどの様な戦略にて到達させるのかが全く見えていません。若いミドル(代表権のない取締役から部長級まで)に丸投げで出来るほど容易いものではありません。

 

もっと、TOPが勉強して、大枠でもビジネスモデルの構想やビジョンを組み立ててからミドルに落とさないと上手く進むとは思えません。判りませんが、TOPにモノが言えなくなっているならば尚更です。

 

151.アトレ川崎

ラゾーナ川崎のリニューアルに合わせ、入口をJR側に向け、導線も引き直した事は素晴らしい事です。利便性も高いので今までの分まで取り返せるのではないでしょうか?吹き抜けと食をファッションでサンドイッチした手法も今後どう出るのか、成功してほしいモノです。

 

食品は地下でないとを覆した大丸東京店や、化粧品は1Fでないとを覆した三越銀座店などと同様に変革しようとしています。このような挑戦が百貨店やGMSでも多く実践してほしいものです。百貨店やGMSは変化に対応が遅い業界となってきており、営業利益が低迷してきているのです。

 

先義後利の先義はともかく後利は確保出来ていないのです。儲けられないと継続できないのですから、儲ける事は悪い事ではないのです。自社が好きだから無給や半額で働けなどは企業の存続には結びつかないのです。

 

百貨店やGMSが安売りをしてどんどんして無くなって行く事は、すべての企業が無くなるまではお客様は安く買えて喜ぶのですが、全て倒産すれば逆に買物難民になってしまうのです。継続こそ力なのです。如何に利益を確保し、税金を納める事も社会貢献なのですから、

 

152.ラゾーナ川崎

やはりパワーのある館であり、リニューアルも多くのショップも入れ替え迫力あるリニューアルです。入館客もそこそこいらっしゃいますが、ポップアップもそれなりに新鮮な展開です。

ただ、3月20日グランドオープンといいながら、4月にリニューアル店舗が多くずれこんでいる事に小売業が走りながら改善できる甘えではないでしょうか?グランドオープンの言葉に重みがないのです。

 

基本、百貨店やSCモールのポップアップショップは、常駐の売場が決定している場合のお披露目ならともかく、ポップアップショップでいくら売れても常駐売場が出来ていないのがほとんどなのです。売場側は目新しさを必要としての取っかえひっかえで考えていますが、逆に出店側もポップアップで儲けられるとして受けているなら、お互いWINWINで問題ないのですが、、

 

是非とも、健全なる企業経営に向けて、早急に改善・改革される事を祈念致します。

弊社へのご連絡は、HOME-PAGEのお問合わせより、お願いします。