生地 雅之
Fittingステーション
小売業界は、昨年まで厳しい環境下に置かれ(今年も?)、業績が悪化している企業も多く出てきています、しかし、反対には儲かっている企業も多くあります。その差は何なのでしょうか?ずばり、経営者の力量の差なのです。
昨年ヤマト宅急便のヤマトグループがアトレ大森で期間限定の通販商品の引き取り、及び試着、その場で不要な商品の返品が可能になるとのサービスを試験的に3月末まで実施しています。
1月26日にリサーチに行ってきましたが、女性のスタッフが2名で詳細を説明頂きました。不要な商品の返品をコンビニまで行くのが億劫な人にはここで即返品できる方が良いとの説明をされていました。
この様なビジネスモデルが成功すると考えているのでしょうか?問題点としては、、
- 通販で購入した商品をここまで取りに来るのか?
通勤や通学でこの駅が通過点であり、途中下車可能な人か、この駅近辺で勤務されているか、住んでいるかの人以外は、余分に時間や交通費が掛るのです。
- ここで試着し返品するなら、自宅から最寄り駅までの間でのコンビニでの返品の方が容易いのです。まずは商品到着後3日間保管され、それもコンビニの24時間ではなく、アトレ大森の営業時間の朝10時から夜9時までの引き取りに限定されるのです。
- 参画企業も少なく、靴の銀座カネマツ、三陽商会、ユナイテッドアローズ、雑誌のELLEの通信販売、ディノスであり、三井ショッピングモ―ルのECサイトの&モールよりも少ないのです。
- コーナーもアトレ大森のエントランスのフロア(3F)のエスカレーターサイドの良い立地であるにも関わらず、仮設什器は安っぽく(いくら仮設でももう少し見映えをましに)、ここにまさかその様な実験の意図のあるコーナーがあるとは見えませんでした。
- また、夕方の時間帯なのにたまたまなのか、お客様が1人もいなく、ストック場所には商品が1点棚に置いてあるのみであり、これも桜的な商品ではと疑ってしまう程でした。
- そしてELLE等の返品は不良品以外葉返品送料540円の負担が発生するのです。
ヤマトは本年度中にはこの事業を本格化するとの公表ですが、この位の結果は予測できるはずでしょう。いくらやってみないと判らない部分があるにしても、この程度の結果は予測出来て当たり前ではないでしょうか?また、参画企業は自社に損が出なくても、この程度の案に乗っているのはヤマトに義理があるのでしょうか?
今後ヤマトグループは自社物流をベースにECサポート事業に乗り出してきます。この程度のお客様目線も出来ていない企業に事業の成功が見えているのでしょうか?猫も杓子もECであり、「ブームに乗り遅れるな!」との意図しか見えてこないのです。EC事業のビジョンが構築出来ていないのでしょう。宅急便を事業化させた小倉氏の自社事業に対する熱い思いはどこに行ったのでしょうか?残念でなりません。
弊社のフィロソフィー
売場(リアルも画面も紙面も)以外にはヒントとマネーが落ちていないのですから、常に現場でお客様目線にて、ヒントを見つけるプロの技の知力(気付き)と、それを拾う体力(実行力)を身につける事が、小売業やサイトの現場責任者(事業本部長クラス)に必要です。
これが企業を維持向上させていく重要なファクターなのです。マーケットはブルーオーシャンなのですから、マーケティング力とマーチャンダイジング力、それをお客様にお伝えするプロモーション力、そしてマネージメント力のバランスの良い構築が必要です。
弊社の事業
弊社は小売業やアパレルを中心とした現場に精通した経営コンサルティング(既存事業MDの再構築、EC事業、ブランド等の構築)を実践しており、「当たり前の事を当たり前のように実践できる」サポートです。企業毎により課題と戦略や手法は異なるので、個別対応させて頂いております。
A)企業ビジョン(あるべき姿)をより明確にし、現在の立位置を冷静に(第三者目線)認識し、
B)真の貴社・貴店の顧客マーケティング(お客様目線)の実行・解析により、
C)的確なマーチャンダイジングをコンサルティング(プロの業)し、
D)事業を可能にできる人材育成を(OJT)実践し、
E)営業利益の安定的拡大」(結果)を目指しています。
企業の最終目標
最終はブランドエクイティを高める事により、売上と利益は後で付いてきます。
その過程で売上規模の拡大をしながら、高い営業利益率20%超を生みだす目標としましょう。
当面(5年程度)で、売上規模を拡大しながら、営業利益率10%超を通過点と設定しましょう。
是非とも、健全なる企業経営に向けて、早急に改善・改革される事を祈念致します。
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