生地 雅之

2022 15 Aug

イオンタウン毛呂山町(もろやまちょう)

先日表記の店を見に行ってきました。池袋から坂戸で越生線(武蔵五日市線のように単線でもおかしくないがワンマン運転)に乗り換え5つ目の武州長瀬という駅で降り、北口から徒歩10分程度の陸の孤島の店(過去には「陸の孤島よりも海の孤島=陸続きならプロモーションのやりようで客は呼べるとの記事も掲載)であり、イオンタウンの中にイオンスタイルという食品とドラッグストア中心の店を6月30日にOPENさせたのです。

7月末の繊研新聞には衣食住を組み合わせたライフスタイル型の店舗という前触れでしたが、衣料品も住居関連商品も殆どなく、日用品程度の品揃えであり、何がライフスタイルなのかわからない店でした。繊研新聞には無理やり、日用品扱い程度のドレスシャツのハンガー吊りを写真に取って、「ライフスタイル」(衣料品もある)の表現か?、

先週記載したイトーヨーカドー幕張店の方が衣料・住居の商品数も多く、内容は先週のブログに記載の通りでしたが、このイオンよりは余程ましであったのです。上を見れば上があり、下を見ればまだまだ下があるものなのです。
一層であり、隣の館にはテナントを導入し、同じ敷地なのに繋がってもいなく、晴れた日以外は移動が困難な構造なのです。日本に最初に出来たSCのマイカル本牧同様に晴天の日の多い国の外資系のデベロッパーが作ったような館なのです。

この駅周辺は新興住宅地の様で、先に出来たような戸建て住居が並んでいるのです。高いマンションはほとんどなく近辺には商業施設らしき処は何もなく、隣には同Gのドラッグのウエルシア、その他コメリ等が近隣にあり、駅前にもドラッグストアのSEKI(WAONカードが使える)があるのです。

但し、飲食店も殆ど見当たらなく、食品のまともな店がないので、食は買い物難民が多そうで、まだ取れるでしょう。駅横に葬儀屋のようなスロット&パチンコ屋がある程度です。行政の指示で派手な造りができないのかも。池袋から90分程度かかるので、地元客のみでしょうが、

館を作っている担当者は誰に向いて館を作っているのでしょうか?上司なのでしょうか?お客様には全く向いていないのです。広報も同様であり、これがライフスタイル型と呼ぶのなら、ライフスタイルが可哀そうなのです。広報は正しくても取材側が理解レベルが低いのかも。

他でも取材された記事を読むと、事実とは異なるニュアンスも多いのです。先日のWWDの新宿伊勢丹の外商売上の記事も、売上の50%が5%の上顧客で作られているような表現(読んだ方が勘違いされているケースも)​​​​​であり、実態は20%を占める外商売上の50%が外商売上の5%の顧客が作っているのです。

イオンの戦略は「大きい事は良い事だ」と面を先に確保してから儲けて行こうとしているように見受けられるのですが、面は力業で確保しても儲けられる「勝組のパターン」が構築出来ていないのです。

その点、セブン&アイGと比べても、ほぼ同じ売上9兆円近いレベルなのに、営業利益額・率とも大きな差を付けられているのです。よって株主は叩けばまだまだ伸びしろのあるセブンGを叩き、僅かと言えど黒字の「IY迄売却しろ」と突きつけようとしているのです。

この流れを見て、小職は「イオンGは勝とうとしている」事は判るのですが、その手法が敵のいない場所を求めていると見えるのです。要は「陸の孤島」を捜し新店を出し、売上額だけを求めていると思われるのです。勝ちパターン(高い利益率)を手に入れていないので、難しいのです。無手勝流も勝ちパターンと言えば勝ちパターンなのですが、飽和状態になればその先は?「ライバルがいるところでこそ自社の成長が見込める」のですが、

イオンGはまだまだ改善の余地があり、手直しできればセブンG並みの営業利益額は即ではなくても確保できるのです。そのためには現場を知らない経営層が肩書だけでモノを言わない事に尽きるでしょう。専門家の必要な場所にで社内の専門家(お客様目線のプロ)が不在なのです。

小職がいつも提言していますように、「知恵は外部で」「作業は内部で」なのです。1枚も商品を売らないスタッフの如何に多い事か?多くても儲けられているなら問題はないのですが、経営層は「我々は指示する立場」と高をくくっているのなら、結果が出る指示を出してほしいものです。出せないで何が経営者なのでしょうか?

小売業は「売っていくら」の業種であり、売らない店や人などは不要なのです。売り方は時代の変化で変わるべきなのですが、リアルからEC等に変化する事を否定している訳ではなく、売る物は商品(コンテンツ)に変わりはないのです。イオンGこそ伸び代が残っているのです。


現在は自社・自店がこれからどうあるべきか、それに向かって現状からどう進むべきかを構築する必要に迫られてきています。経済環境は間違いなく変化の兆しが見えています。どう変わるのかは別として、その中での自社・自店は何をすべきかが問われているのです。

是非とも、健全なる企業経営に向けて、早急に改善・改革される事を祈念致します。
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