生地 雅之

2019 18 Feb

年始の店頭リサーチ-7・最終

年始(1月23/24/26日)に下記の館に行ってきました。

お客様目線のコメントであり、事情は忖度したものではありませんのでご了解ください。

 

1.京都高島屋

久しぶりに京都をリサーチしました。河原町通は混雑しているのに、平日とはいえ百貨店の1Fでさえ何故か、お客様は少ないのです。

根本的に「百貨店のあるべき姿」を再度みつめないと、、

 

2.藤井大丸

ファッションビルでさえ同様です。

アパレル(衣料品)の在り方(付加価値ビジネス)も、

 

3.京都大丸

固定客のお店ですが、お客様が多くいらっしゃる売場とそうでない売場の差は?

 

4.京都伊勢丹

過去から何も変わっていない店です。前店長も難しかったようですが、昨年赴任の新店長に期待するしか、変わらないといけないのですが、いつまでもこのままでは難しいのでは?

名古屋も外様の高島屋が、札幌も外様の大丸が単店1番店になっているのは、ここと何が違うのでしょうか?

自店の強味(近隣のJR沿線の地元客)を最大活用し、なおかつ地元客に密着する姿勢(お客様に寄り添う事)が出来ているかいないかの差なのでしょう。

 

 

大阪伊勢丹の撤退は何故なのか?三越伊勢丹は判っていないのではと思われます。

判っていないし、再生できないからの閉店は「自然の理」で経営判断としては間違いではありません。

自社で出来ないから他者の誰も出来ないとは早計ではないでしょうか?同様に考えている他社も多いと見受けられます。

三越伊勢丹としては、自社内でも再生出来る力のある人はそれなりにいらっしゃると思いますが、

見つけられないし、信頼出来ないから任せられないのでしょうか?

だから現場は言われたまま実践し、閉店になるくらいなら、自らアクションを起こすべきでしょう。

 

ここだけではなく、既に百貨店はお客様の向きを変えさせる事が出来なくなっており、

その力を取り戻すためにも、まずはお客様の前に立つ事から始めるべきではないでしょうか?

業界の中で百貨店が自ら動かなくては行けなくなっている事に気づいて、自ら動いている人が何人いらっしゃるのでしょうか?。

前から申し上げていますように、小売業はローカライズ&カスタマイズしないと生き延びないのですから、

新宿にある物と同じ物を新宿からわざわざここまで買いに来ないのですから、

お金を払って購入頂けているのはまずは既存客、そして地元客(この場合は沿線客)なのです。

そこを外しては何も始まりません。

 

各社・各店は出来ていると言われるでしょうが、売上が伸びていないのは出来ていない・判っていないと同義語なのです。

過去から申し上げていますように、自社・自店で出来ていると考えているマーケティングに不備があるのです。

カードデータを含めデータ量はそこそこあるのに、解析の角度と質に問題があるのです。

AI等のデータを取得する前に既存保有データの活用でさえ出来ていないのです。

その事に気が付いていないのです。勿体ない・残念としか、、

その不安定な基盤の上にマーチャンダイジングを組み立てているので、結果が出ないのです。

現在のマーチャンダイジング力はそれなりのものなのですが、ターゲットにヒットしていないのです。

効果計測の出来ていないプロモーションにも課題はあります。

 

一番欠けているのは、それは「何の為に」、それで「儲かっているのか?」の視点です。

そこをベースに見直せば、まだまだ既存事業にも伸び代は沢山見えます。

新規事業はその後でも、、

売上はお客様の「売場・商品・販売」に対する評価バロメーターであり、

営業利益(額&率)は経営者に対する評価バロメーターなのです、

根本は「現場の縦割行政と頭の固さ」からの脱却とどう向き合うかが課題でしょう。

結果、TOP(代表権のある取締役)が研鑽して自らリーダーシップを取り、ミドルを駆使してボトムを活用する以外に道はありません。

 

5.静岡松坂屋

食品売場以外は今一。70歳代メインで自分で来られる健常者が多く感じました。逆に付き添いの娘さんやお孫さんは見当たらないのです。

 

6.セノバ静岡

静岡駅から徒歩約20分、新静岡駅の横であり、そこそこのファッションビルです。

百貨店の松坂屋、伊勢丹とほぼ同等の売上を確保できているようです。

このほかPARCOやMARUI、駅ビルがありますが、このグレード感の商業集積は駅前エリアにしては少ないので、これからも増えてくるものと思われます。

 

7.静岡伊勢丹

静岡松坂屋とは異なり、70歳代で杖を付いた人が多く、当然付き添いの方(娘さん40歳位)や、ご家族wp含め、お孫様(10歳位)も同行され、3世代の方が伊勢丹のショッパーを持って帰られる事が多く見受けられるのです。このままであれば、静岡駅前の百貨店は伊勢丹のみで十分でしょう。但し、松坂屋のお客様(暖簾客)を取り込むことは難しく、増える可能性は低いでしょう。

JFRもこのまま松坂屋を放置しないとは思いますが、近隣にPARCOもあり、商業施設ではなくオフィスビルやマンションでも十分採算が取れる場所なのですから、

 

8.名古屋TGM(タカシマヤゲートモール)

駅ビルとしては素晴らしく出来栄えが良いと思われます。JR名古屋高島屋とのお客様の棲み分けもできており、高島屋閉店後の8時以降のお客様を見ても一目瞭然です。

百貨店側にFB系のテナントが多くあり、そのお客様がTGMとの併用をされており、本来の百貨店客を取り込む施策の徹底にて百貨店の拡大とFBとの棲み分けもより明確にすれば、WINWINの関係がより築ける事になると思います。

TGMも売上ではラシックを抜くように思われますが、百貨店とSCの関係性(共存共栄のバランス)も期待できます。

日本橋高島屋SC館も、ここを参考(百貨店とSCのお客様の棲み分け=食は出来ているのにそれ以外は?)にすればもっと良くなると思われます。

 

9.JR名古屋高島屋

バレンタインのフェア開催中であり、24日間程度で25億円規模の売上を誇る日本一のバレンタイン催事です。

 

10.MOZOワンダーシティ(イオンモール)

立地は名古屋から7分程度の名鉄小田井駅徒歩10分程度で陸の孤島で良いのですが、一般的なイオンモールであり、土曜日の夕方でもあり、住宅街のためか家族連れが多く見受けられました。

 

現在は自社・自店がこれからどうあるべきか、それに向かって現状からどう進むべきかを構築する必要に迫られてきています。経済環境は間違いなく変化の兆しが見えています。どう変わるのかは別として、その中での自社・自店は何をすべきかが問われているのです。

 

是非とも、健全なる企業経営に向けて、早急に改善・改革される事を祈念致します。

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