生地 雅之

2023 29 May

もうはまだ、まだはもう

最近、再びよく百貨店の地方・郊外店の閉店のニュースが目につきます。先日の某社の尾道店や某社の立川店なのです。ここまで百貨店で良く持たせたのですが、閉店するには苦渋の決断だったのでしょう。我慢であれば、本社や他店への影響力もあり、早期に手じまいすべきなのでしょうが?ここまで閉店を引き延ばしたのはどのような理由があったのでしょうか?まだまだM&Aも。

表題の言葉は株の売買で良く用いられる言葉でもあるのですが、「もうはまだ」とはもう手放す時期と思われるのは、さっさと手放さないで、「まだはもう」と言うのは、手放す時期でなくも持っているべきではないとの示唆に富んだ蘊蓄のある言葉なのです。実際実行するのは難しいのですが、

地方・郊外店の趨勢を見ても、主要都市以外のお店は徐々に縮小均衡になっているのです。すべてのお店が平均値を歩む訳ではないのですが、小売業はカスタマイズ&ローカライズしないと生きのこらないのですから、同業(異業態にも)他社にも真似できないナンバーワンかオンリーワンの企業ブランディングが求められているです。

地方・郊外の外食産業を見ても、ONLY-ONEで営業を継続出来ている店は、そう多くないのです。殆どファミリーレストランなのです。寿司屋でさえも同エリアに同様の店ができたら、淘汰されるのです。ファミリーレストランも大手が中華、和食、洋食、麺類、カツやてんぷらの多様な店をこれでもかと出しており、どこかで外食される人には好都合です。

コロナ禍で外食産業も低迷してはいますが、何処の企業も同様です。最近百貨店が持ち直している様に映りますが、売れているの「富裕層向け外商顧客が好む時計、宝飾.絵画等なのです、衣料品の売上シェアは落としており、合計でクリアしているのです。ファッションに強いルミネの22年度売上高は19年度に比べて既存店比で90%を下回っているのです。

別途、最近経済紙がホテルの特集をしていましたが、売上総額のTOPが1400億円超の共立メンテナンス(ドーミーイン他多業態に)であり株価は5400円に喃々としています。2位がリゾートトラスト、3位が東横インなのです。高級ホテルの1室の最安値室料は最近できたブルガリ東京31万円強で、2位が24万円強のアマン東京なのです。海外では、高級ホテルの最安値1室料金は50万円超も。

何も安い単価の処を数売れと言っている訳ではないのですが、勿論、小売業と同様向かうところが異なるのでしょうから、ビジネスにおいて儲ける仕組みができているなら問題もないのですが、高額品を扱おうが低額品を扱おうが、儲かられないと株主、従業員、取締役、取引先、お客様の5方向に利益を均等ではなくても還元できないのです。

因みに、パンパシフィック(ドン・キホーテ等は1兆9200億円の売上で620億円程度の利益率(3%程度)であり、百貨店やGMSよりも高い営業利益率を誇っているのです。もっと高い営業利益率の企業も沢山存在するのですが、

GMSや食品スーパーの総菜等はあれだけの一人の量を作るには、家庭であれば膨大な廃棄ロスが生まれるのです。勿論,、人間だから毎日同じものを食べたくないので、作り置きも難しく、又腐る事想定して。要は大手が大量に作って、販路を広げで消化しているのです。その大手でさえ、データ分析を間違えたMDでの廃棄ロスからは逃げきれていないのです。

最近の新聞記事にウォールマートの機械化による経費削減が取り上げられていました。要は世界のウォールマートでさえ、先手必勝なのです。FRのTOPも同じ志向なのです。人力の部分は淘汰され、人の知恵や知見に関わる部分のみ人材が残るエリアなのです。まだまだ衣料品業界での品だしまでは及んでいませんが、いずれその時はくるのでしょう。

地方・郊外百貨店の趨勢を見て、自社でカスタマイズ&ローカライズできる力はないのですが、なかなか一機には手が届いていません。出来れば答えを先読みにして、力のあるうちに業態変更等へシフトしていくべきではないでしょうか?イオンが郊外からどんどん駅前に押し寄せて来ているのに(岡山、京都、横浜等)。交通(トラフィック)の強さに気付いているのでしょう。

現在は自社・自店がこれからどうあるべきか、それに向かって現状からどう進むべきかを構築する必要に迫られてきています。経済環境は間違いなく変化の兆しが見えています。どう変わるのかは別として、その中での自社・自店は何をすべきかが問われているのです。是非とも、健全なる企業経営に向けて、早急に改善・改革される事を祈念致します。
弊社へのご連絡は、HOME-PAGEのお問合わせより、お願いします。