生地 雅之
百貨店無人販売売場の推奨
現在百貨店は高価格帯商品の売上の好調さに支えられています。
昔のように、自主編集売場も少なく、メーカー任せ(販売員まで)の消化の売場が大半なのです。
そこには百貨店の色も個性もなく、現場の部長クラスの一部が他店にないもので売上を作り差別化をしたいとの思いが少し残っている程度です。
しかし、彼らにその意志を具現化するノウハウも権限もなく、メーカー任せの売場を管理する社員を管理するに留まっています。
過去には百貨店が自分の場所を管理するためにマニュアルが存在していたのですが、売上と人的管理のみに終始するあまり、自社。自店のマニュアルまで失っているのです。
新入社員が売場に配属されても、要求されるのは人的管理であり、自ら売上を取ろうとはしなくて良いのですから、マニュアルなどあっては邪魔なだけなのです。
確かに、人(メーカーの販売員)を使って売上・利益を確保できるので、それ以上は望んでもいなく、動けば「何をしている」とお叱りを受けるだけなので、余計な事はしないのです。
しかし、小売業に身を委ね、店頭で1点も売らずに生きていける事に疑念を持たないのでしょうか?某百貨店などは自主編集売場(テースト編集ではなく、アイテム編集という時代錯誤な)を構築し、自店のお客様のマーケティングができていない事を表明しているように、
販売員と呼ばれ、店頭に立ち、1点も売らない販売員の如何に多い事か?接客がメインと言われる百貨店でさえ、百貨店に入社した人は1点も売らずに係長やセールスマネージャーに昇格されていくのです。
殆どメーカーの販売員が商品説明ができ、「これください」に対応できるのです。集客できる場所を持っている小売業が生き残るだけなのです。日本の10大都市の百貨店の売上は全体の78%を占め、地方・郊外百貨店の将来はいつも提言していますように、消滅していくのです。
どう形態を変えて生き延びるのかが試されているのです。主要店への送客の役割に特化し、近々か否かは別にして、再度M&A等が行われないと企業の存続も危ういのです。
現在の日本の中では百貨店の売上は僅か3%強なのです。弱肉強食の経済の中で変革できない企業は埋没する以外に道はないのです。
新規事業もまともに育てられない現状で、本業の磨き上げでも生き延びるとは思われますが、どう磨くのかが見えているのでしょうか?
話を戻して、販売員のマニュアルの不備が将来を見失っているのです。
メーカーの販売員でさえ、会社のマニュアルがあり、各社異なるので、百貨店1店の中では種々雑多なマニュアルが存在するのです。
お客様に取ってこんな不都合な事はないのです。
一人の販売員が1日で接客する時間はどれだけなのか?お客様1人当たりに15分とすれば1日4人相手すればそこそこの売上を確保できるのです。要は1時間なのです。
1日8時間売場に立って、残りの7時間は掃除したり、食事・休憩に行ったり、たたみ直したり、売上をつけたりという付帯業務なのです。
この1時間のために、1日があるのです。
食事・休憩やお休みの日に売上は取れていないのでしょうか?そんなことはなく、お客様は自分がいなくても、これくださいと他のメーカーの販売員や百貨店の社員にお包みを依頼されているのです。
販売員は自分の価値を上げるためや認知されるために、翌日にメーカーには計上されるケースもあるのですが、レジ打ちと比べれば一目瞭然なのです。
販売員が不在の方が売上が取れる場合もおうおうにしてあるのです。自分で選び、自分で決めるお客様等です。そのためには売場を判り易く作ることが望まれるのです。
販売員がお休みの日や食事や休憩に行く時に無人でも売上が取れる売場に変更されていく販売員がどれだけ存在するのでしょう。
マネキンに着せた商品(売りたい)の色違いやサイズ違いの商品がそばにないのです。「いいなあ」と思っても、自分のサイズが見当たらないで買わないで帰る人の如何に多いことか?
ユニクロやワークマンでもできていないのです。ユニクロやワークマンはそれ以上の強みを持ち、その不備を上回っているのです。
ユニクロやワークマンがこれをできればもっと楽に売上が取れるのです。
販売員は売場にいらっしゃるのですが、このような売場構築力や商品レイアウト力を伴った販売員が存在するのでしょうか?「これください」に対応できるお包みできる販売員はともかく、自分が不在でも売上が取れる販売員がこれからの売場に必要不可欠なのです。
自分の店に並んでいる商品の知識と売り方を自社でコントロールし、消化と言えど自分の店に並んでいるのですから、自社・自店のプライドを持って、お客様にお勧めしていただきたいものです。
一度自分のお店をお客様の目線(財布を握って正価で買うつもり)で見てください=如何に買いにくい売場か、不備が見えてきます=EC画面も同様。
- 買い易く、売り易い
- 買い易く、売り難い
- 売り易く、買い難い
- 売り難く、買い難い
1が理想ですが、現状は3になっており、最低2にすべき(接客時間を長く=売り難くても手間を惜しまず、売上が取れる方を)ではないでしょうか?
お客様は売場に来られるのは「何か良いものがあればと来られ、見るだけというのは大半嘘で、時間をわざわざ割いて売場に来られているのです。欲しいと思って頂くのも販売員の手腕ではないでしょうか?
買うつもりがないそういうお客様に満足を感じて買って頂き、満足を持ってお帰り頂ける販売・接客ができればこれ以上の販売員としては、満足はないのではないでしょうか?
いままで、様々な売場を手直しして、前年比を大幅に向上させてきた(できていない売場の方が手直しして大幅な伸びをするのです)小職ですが、確かに一過性になりやすい(意図が判らず、指図したことだけをやるので)のですが、売場にいる人が小職の理屈(理屈がなければ人は動かない)を理解して継続していけば、安定成長も見込めるのです。そのためにも最低限のマニュアルが必要不可欠なのです。(各ブランド・売場に様々ですが)
現在は自社・自店がこれからどうあるべきか、それに向かって現状からどう進むべきかを構築する必要に迫られてきています。経済環境は間違いなく変化の兆しが見えています。どう変わるのかは別として、その中での自社・自店は何をすべきかが問われているのです。
是非とも、健全なる企業経営に向けて、早急に改善・改革される事を祈念致します。
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