生地 雅之
年始リサーチ⑰
毎年恒例の新春の店頭リサーチが始まっています。毎年同時期にレポートしていますので、右下のアーカイブを紐解いてください。2月に入って居ますので、年始でもないのかも。
115.モリタウン昭島
イトーヨーカドーが核店舗です。什器が低くて見やすいにもかかわらず、何時もがらがらです。
116.昭島アウトドアビレッジ
今回はフィンランドのサウナを見に行く事がメインでしたが、このエリアはいつもがらがらで、すごい人出は見た事もありませんが、何故か数年来維持できています。推測ですが、固定客をしっかり掴んでおり目的買いのみの売上と思われます。近隣在住の知人のコメントでは、お昼には奥のイベント広場(休憩場所にも)で近隣のお母さん方が(子供の遊び場的な場所もあり)井戸端会議されている模様らしいのです。
首都圏ではこのくらいアウトドア・ブランド集積があり、広い各ブランド毎のロッジに世界観を出せる商業施設はなく、1社(アルペン)が柏の郊外に「アルペン・アウトドア―ズ」(自社のみ)という商業施設を運営しており、この本店は大味であり、この店ではららぽーと沼津の小さいお店の方がよほどレベルが高いのです(過去の小職のこのブログ参照)。
また、ららぽーと平塚には「THREE-S」というららぽーとによる編集売場があり、それ以外では、PARCO渋谷のアウトドアフロア(5Fの半分程度)があり、都心型ではこの程度で限界か?また先日のこのブログ(店頭リサーチ)に記載のJR東が運営してる土浦駅の「プレイアトレ」(サイクリングがメイン)もありますが、今一つです。長野にもそれなりのものがあるようですが、まだ見ていません。
小職は自分の目で見た事に自分の意見を付けてコメントしているので、業界紙のコメントや記事等に突っ込んでいるのみではないのです。「百聞は一見にしかず」であり、見た目のみではなく数字の裏打ち(検証)を可能な限り付けるようにしているのです。
過去にこのブログに記載の「海の孤島」もそこで仕事を受諾しているような方の「よいしょコメント」を半年くらいの間に数度見続けたのですが、やっと見に行けて確認したコメントが「海の孤島」(行ってはいけない=見る価値もない=小職の個人的印象です)と感じる位の商業施設ワースト3だったのです。商業施設は走りながら改善できるので、ワースト3の中の1店はその後少しはレベルアップしていました。
117.イオン練馬店(光が丘)
久しぶりに光が丘に来ました。IMAという商業施設の中の核店舗のLIVIN光が丘(西友)の手前に出来た食品スーパーなのです。LIVINよりも便利なのか大変込み合っていましたが、上層階のテナントは当然の如く、ガラガラなのです。
118.LIVIN光が丘店
上記イオン練馬店の奥に位置しており、食品も含めてがらがらです。
最近面白い事例をまた見つけました。過日この年始リサーチにも間のコメントに記載のように、ヨーカドーの売場構築力と商品レベルの低下に比べ、イオンリテールの指摘した改善点の迅速な対応(ソコラ南行徳店のカート返却場所等の改善)も素晴らしく、ほぼ対等な位置づけになりつつあるのですが、今回は同店ですが、先日レジの打ち間違いで大袋のミカンを1袋しか買うていないのに、5袋とレシートに打たれ、5個買ったチョコレートが1個しか打たれていない事があり、午前中でしたので買い物を自宅に置き、その後仕事に出たのです。
いつも買っている量からして2000円以上高く感じたのでレシートを確認したら上記の打ち間違いがあり、夜に残っているものを一部持参し、インフォメーションで伝えると中身も見ないでカード伝票の赤黒をして頂きました。「そうですよねえ!こんな重いミカンを5つも買う人はいないでしょう。レジに注意しておきます。」との事でした。持ち込んだ商品を確認しないで対応する事もそれなりに驚いたのですが、
それよりも翌日同じ店に買い物に出かけるとそのミカンの価格が税抜き550円であったものが税抜き680円(24%程度)に値上げされていたのです。前日レジ打ちの黒に5個計上されたものがそのまま値付けに反映されたのか?その日夜に4個赤が発生しているのに、データの締めが18:00等になっていたのかは不明ですが、確かに食品は需要と供給量の関係で価格がUP-DOWNする事は否めないのでしょうが、
実はこのソコラ南行徳の地下の核店舗のイオン(イオンリテ-ル運営らしい)の食品売場のミカン売場の向かいには食品専門店が入っており、同じ位の量のミカンを税抜き580円で売っているのです。この価格には変動がないのは、供給が少なく価格変動していないと見ると、イオンの価格変動は何故なのか全く不明であり、小職が感じるだけならいざ知らず、上記レジ打ちの集計だけで上げたり下げたりしているのであれは如何にも短絡的に見えるのです。
また、周辺のイオンの食品売場(イオン妙典やイオン新浦安、その他の食品スーパー)に価格の変動がない点を見るとあながち穿った見方ではないのかも、昨日も見てみたのですが、イオンのミカン売場は誰いなく、向い側の専門店のミカン売場にはそれなりの人だかりがありました。お客様は正直です。そう変わらないモノなら安い方に流れるのは自明の理なのですから。
要は過去から提言していますように小売業はデータの集積はPOS等を使い、POINT付与等でカード売上のみでなく、現金客の売上までそれなりのSKUデータが把握できているのに、解析・分析能力のなさ、それによる施策(売場構築・価格設定・商品計画等)のなさを露呈しているのです。
イオンも過去には少しやったようですが、小職は10数年前に大手のGMSの衣料品データを依頼されて分析したこともあるのですが、全く改善できていません。データがない「勘ピュータ」であってもまったく同じ状態と思われます。このような凄いデータを手に内に収めていても活用しなければ、「寳の持ち腐れ」に過ぎないのです。
恐らく中間層がいくら解析・提案しても、解析能力のなさで上層部を説得できていないのでしょう。またそれ以外にポリティカル(社内政治)的要素もあると推測できますが、現在の百貨店やGMS等はそのような事を言っている余裕はない筈なのですが、
この繰り返しを防ぐには小職の様なプロによるデータ解析で課題を浮彫にし、納得する施策を小さくても売場で実践し、それの検証にて成功事例が出た段階で、全開すべきなのでしょう。「ビジネスは小さく生んで大きく育てる」事に尽きるのです。この言葉は弊社創業時にお世話になった紳士服のアオキの当時の社長(現AOKIホールディングス会長)よりご教示された言葉です。
現在は自社・自店がこれからどうあるべきか、それに向かって現状からどう進むべきかを構築する必要に迫られてきています。経済環境は間違いなく変化の兆しが見えています。どう変わるのかは別として、その中での自社・自店は何をすべきかが問われているのです。
是非とも、健全なる企業経営に向けて、早急に改善・改革される事を祈念致します。
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