生地 雅之

2022 14 Feb

採用と人事異動

また、新規採用や人事異動の時期になってきました。
各社いままでも安定企業に見られたい事もあり、毎年新入社員を採るようになって久しいのです。

しかし、優秀な人材が自社に入ってこないと嘆くのは、TOP(経営層=代表権のある取締役)なのです。本当に新入社員段階で、それほど優秀な社員と判断が付くのでしょうか?
現在の社内にそのような新入社員の段階で目を見張るような人材は稀なのです。
そのような優秀な人の「優秀な」との定義や目盛りは何なのでしょうか?

要は「自社に役に立つか否か」なのでしょうから、それが入る前から判断できている人など存在するはずがないのです。
すべては入社してから、その企業の実態を把握し、本人の研鑽・努力による意識とそれをサポート出来る企業側の啓蒙・教育の準備・対応に尽きるのです。

過去はTOPの研鑽(隅から隅まで把握し細かい指示まで)を提言していたのですが、オーナー企業でも、または大企業どころか目が届くと思われる中小企業でさえも殆ど出来なくなってきており、そうであれば「ミドルの育成に尽きる」と判断し、ミドルがトップの思惑を想定し、その方向に向くミドルの育成以外に道はないのです。ボトムはミドルと異なる方向に向くはずがないからなのです。

まず、男性・女性の性別や年齢等は「仕事の出来・不出来」には全く関係が無いのです。
良く例えに使うのですが、俳句や短歌の選定を評論家に依頼するのですが、評論家は著名な先生の筆跡を覚えていて見たら判るので、忖度して選びやすいのです。縁故採用も同じです。よって、事務局は実力で選んで頂きたいと考えているので、作品をすべて同じ事務員に書き直しさせ、誰が書いたか判らないようにしているところもあるとお聞きしたのです。結果、女子中学生が金賞を受賞したりしての実力主義なのです。素晴らしいものです。

要は入ってからの鍛え方・育て方がすべてであり、自社に合うように・自社に好結果を出させるように教育すべきなのです。最初から自社に適した人材などは世の中にいる事がありえないし、いたら不思議なのです。また、そのような人材が一般的な採用の人(入って見ないと自社の役に立つかは判らない)と同じ給料で雇える筈はないのです。入社して結果を出してから、適した給料にすべきなのです。

如何に入社後の教育が重要なのか、人事担当者よりも経営層の理解を求めるものです。経営層は「型にはまった人材よりも野武士を求め、異論を出し、多勢に無勢でも、それを跳ね返して昇ってくるような人」を望んでいると良く耳にするのですが、企業自体はそんな人材を望んでもいなく、そのような人は余程理解のある上司に恵まれていなければ、即潰されてしまうのです。経営層の皆様がそこまで到達するまでは、大半の方は、言いたい事を我慢して草履を懐に温めてきたのでしょう。

人事はその事を十二分に理解しての採用なので、はみ出た人材は「社内で問題を起こすタイプだ」等の言い訳を付けてでも採用しないのです。経営層はその人事を実質容認しているのです。
言っている事をやらせるのなら、人事部長への指示を変更し、「そのような人材を入れて社内トラブルを起こせば、すべて自分(TOP)が責任を取る」とでも社内に表明すべきなのです。
そのように(野武士の採用を)宣っている企業TOPに、「文句があるならやって見ろ」と言いたいのです。

要は人材を採用してからの教育と業務結果の信賞必罰の徹底に尽きるのです。まずは業務の明確な数値化とその目標に対する結果評価のガラス張りに尽きるのです。
つまり、的確な組織編成と適材適所の人材配置こそ、企業の業務結果を満足に出させる経営層の重要なポイント(釦を押して会社を回す)であり、これをボトム(部長未満)に実行させるのがミドル(代表権のない取締役~部長以上)の仕事なのです。

トップもミドルも自分しかできない仕事をしなければNG(駄目)なのです。誰でも出来る仕事にしがみ付いて、動いていれば仕事をしていると勘違いしている経営層や管理職が殆どなのです。
自分でなくても実行できる仕事は部下にやらせ、鍛え上げ自分が楽をし、上司の仕事(上司の上司でなくても大丈夫な仕事)を取りまくるべきで、これにより企業の成長が見込めるのです。

ミドル以上は体に汗を掻いている人はそのポジションの能力がないと言えるでしょう。
ミドル以上は体に汗を掻いてはNGで、脳に汗を掻くべきなのです。脳に汗を掻けない(知恵を出せない)のなら、黙ってそのポジションを後継者に委ね、自分がそのポジションにいるよりも会社に貢献できる可能性のある人にチャンスを与えるべきなのです。

人事異動もそうですが、力が同じ程度ならわざわざ転勤を伴う異動を試みる必要はありません。現場からスタッフへ、スタッフから現場へ、社内異動(配置や担当替え)でもリフレッシュにもなりますし、幹部候補生への研修としても社内全般を見渡し易い位置に配置する事でも、経験させられるのです。どうしても転勤を伴う場合でも、送る側の上司と送られる側の人の共有された転勤の目的を「いつまでに」と期限も明確化しておくこともお勧めします。意識とスケジュール観を持っての転勤は本人の業務にとって充実したものになりうるからなのです。自社にとっての転勤なので、個人にとっての転勤ではないので事業の継続性もなく、常に配置換えされた人1人に依存=すべてそこからSTARTにすべきではないのですから。

弊社はTOP(経営層)に向けての経営コンサルも、そして最近は上記ミドルの教育・育成にも
対応させて預き、企業そのものの活性化に寄与していますので、いつでもご相談下さい。

現在は自社・自店がこれからどうあるべきか、それに向かって現状からどう進むべきかを構築する必要に迫られてきています。経済環境は間違いなく変化の兆しが見えています。どう変わるのかは別として、その中での自社・自店は何をすべきかが問われているのです。

是非とも、健全なる企業経営に向けて、早急に改善・改革される事を祈念致します。
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