生地 雅之

2023 12 Jun

イオンモール船橋

5月末に新船橋にあるイオンモール船橋のイオンリテールに行ってきました、駅と反対側にもイオンスタイルがあり、過日このブログにも記載しました。イオンモール船橋の2Fの衣料品売場がリニューアルされたのです。数年前にはレディスの下着売場(IC)がリニューアルされ、パックの下着が背の高い什器にオンパレードであったのです.また近隣の新浦安のショッパーズ新浦安(現イオン新浦安=元ダイエー新浦安)も、同じ什器を使用し、売りにくい環境になっていたのです。新浦安は途中から真ん中の什器は少し低いものに変更されていましたが、

当時この下着担当の方が今や衣料品全体の責任者になられたようで、船橋の新しい売場は今までのGMSにはない斬新なものでした。まるで昔の百貨店の平場そのもので、壁面にブランドを張り付け、中島面にアイテム展開売場を並べて、百貨店との違いは通路の幅がとても広いのです。面積の広いGMSだからできるのでしょうが、もう一つは在庫を多く積まない売場なのです。AIを使った生産量管理で会社方針で作りすぎを漸く制御できるところまで来たようです。(適正かどうかは別にして)

あとは単品の精度を上げることです。要はコーディネイト販売を強化することを否定するものではないのですが、コーディネイト販売を徹底しても上から下までの全部を購入していただける方は少なく、1~2点が関の山なのです。1点を購入され、持ち帰って今まで自分の目線で購入してきた商品と購入された商品と並べると精度の低さが浮き彫りになれば二度とは来られないのです。よって単品の精度を上げたうえでのコーデネイト提案が必要不可欠なのです。

単品の精度の高いブランドはユニクロ等なのですが、よく利益等で比較される無印良品などはまだまだ価格の割には精度が低いのです。ほかの何かでカバーしているのです。ユニクロは無人販売ができずに現在苦しんでいますが、逆にGUは無人販売ができるのです。よくGUの売場を見るとマネキンに着せた商品の横にその品番の色違いやサイズ違いが並んでいるのです。よく見えた商品(買おうとされても)の自分の気に入った色やサイズが見つからないので、いくらセルフレジを展開しても、レジも閑散としているのです。ワークマン+も同様ですが、

この件は対岸のGMSにも言えているのです。衣料品TOPが売上の高い食品の方が担い、勘(?)で売場を仕切っているのです。ユニクロに比べ自社(某GMS)のカットソーの売上が劣っているのは展開面積が半分なので売り負けているとの判断で、面積を倍にしたのですが、売上が上がらないのです。単品の精度の低い商品を広く展開しても、売れる筈もないのです。当然です。このような人事がまかり通っているのです。スペシャリストを求めても、その方を使えないのです。目線がなく。

また、決算が良い企業がやっていることはすべて良いとの見方をしていることはないものの、ユニクロもテーブルの上にマネキンを多用したままですが、この手法は某セレクト系ショップのTOPがTRYし、売上が上がらない(検証の結果)のでTOPが半年で下げたのですが、ユニクロでさえ見様見真似で高くし、まだ下げてもいないのです。でも他の要件(単品の力やMD力等)で売上が取れ、利益を生んでいるのです。

高さ(低さ)は売上を取りやすくすること(売場は高さが命)と繋がるので、推奨していますが、日本人の身長、目の高さ、商品を見やすい高さ、見下ろされる反感(動物園の猿山の話=過去に記載済)等を考慮しベストがあるのですから、それを上記展開方法とこの高さも視野に入れればユニクロはもっと売上が取りやすくなるのです。要は各企業の指針がなく、他社がやっていれば検証もなく真似しているのです。いつ自社のありようが完成するのでしょうか?勿論検証方法も、残念です、

イオンモール船橋に話を戻して、何故このような高さの低い売場ができたのでしょうか?全体最適、部分最適の目線ができ、今までの自分の担当が良ければの目線でなくなったのでしょう。立場がそうしたとしても、素晴らしい進歩なのです。但し、何時も提言していますようにこのお客様の多い食品売場のお客様を上層階の衣料品や、住居関連売場に1/4も上げられていないのはイオンリテールのみでなくGMS全体の課題なのですが、

銀座にある(元プランタン銀座)ユニクロTOKYOの1Fにファーストリテーリング傘下のセオリーやコントワーコトニエ、プリンセスタムタム等を並べ、ユニクロの来店層には合わない顧客に売ろうとしているのです。品質も価格も全く異なり、価格などは5~10倍以上の差が存在しているのです。小売業の原点は自社の顧客ターゲットに合う商品を売るべきなのです。ズレは売れないのです。

最近の業界紙で、コントワーコト二エ、プリンセスタムタムもブランドMDを見直しとし、国内店舗と人員を40%カット、フランス駐在員の激減を発表していましたが、本来見直すべきはユニクロなのです。TOPが関わっているBRANDに手を付けにくいのは小売店の館も同様なのですが、

ユニクロと同等の価格のJWアンダーソンレベルならいざ知らず(ユニクロがベーシック過ぎるので飽きてきた客は流れているのです)、全く売れている様には映らないのです。セオリーは結果ユニクロ価格でのコラボ商品を展開し、ポリエステルジャケットでセール価格2900円程度での展開までしているのです。BRANDがここ1店だけでも展開場所を間違えて、崩壊寸前なのです。

高額ブランドの育て方(ユニクロレベルのマスで売ろうとして)が間違っているので、育ってはいません。マルニも同様で、経営が苦しいブランドはこのような売上の大きなブランドとコラボして名前を売っているのです。ユニクロにとっては「つまみ食い」の世界であり、過去の∔J(ジルサンダー)も売れていれば止めない筈なのに、昨年で中断しているのです。噂ではそれ以外の高級ブランドもコラボするだろうとの話も上がっていますが、本当に経営が安定しているブランドは独自での売り方を目指しているのです。


ビジネスは「少ない品番数(色・サイズも含むSKU)で、如何に大きな売上と利益を確保する事なのです。これに向かってどのように道筋を立てて近づくのかのフローチャートから始めると良いのですが、この考えが衣料品や住居関連にも応用できない弱みがイオンやヨーカドーのGMSには根強く残っているのです。修正すれば売上も利益も結果ついてくるのです。
「出来るか否か?」ではなく、絶対出来るので「やるかやらないか?」だけなのです。

現在は自社・自店がこれからどうあるべきか、それに向かって現状からどう進むべきかを構築する必要に迫られてきています。経済環境は間違いなく変化の兆しが見えています。どう変わるのかは別として、その中での自社・自店は何をすべきかが問われているのです。

是非とも、健全なる企業経営に向けて、早急に改善・改革される事を祈念致します。
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