生地 雅之

2018 05 Mar

店頭リサーチ⑩

。2月28日昼前からまで店頭リサーチをしました。小職の目線による下記の印象を纏めましたので、ご一読下さい。

 

125.アトレマルヒロ(川越)

東武川越駅前にペデトリアンデッキに繋がる一等地のFBであり、地方としては妥当な、地域密着型のテナントが揃っています。上層階はユニクロやユザワヤの大箱とコトであり、コトのバランスは適しているようでした。お客様に合った等身大であり、現在はこのままで良いのではと思われますが、将来は?

 

126.MODI(川越)

川越駅から丸広百貨店への商店街の入り口に立地し、場所は良いのですが、地域のベタベタなお客様に合わせ過ぎているのか、マルイの館ではありません。まるでパルコの地方店を見ているようです。ベタベタな客は商店街に任せて、食の館にすべきでしょう。

 

1Fや地下を食品スーパーにして、1F前面にはイ―トインも併設、BF奥には食品催事を、2~4Fには喫茶店兼レストラン、そして5Fにはフ―ドコートなどがあって、6F以上には夜まで楽しめる食の館(居酒屋のみでなく、大人のレストランも)にする事も検討すべきではないでしょうか?昼夜の顔が変わるプロントのような二毛作ビジネスも一向でしょう。

この様な地方なら駅前にGMSがあっても、食品スーパーがあっても可笑しくはありません。

 

現在の地方郊外の商店街はシャッターが下りているお店が多くなり、後継者問題も含め、継続が難しいのですが、この商店街はまだまだお年寄り中心ですが、維持できています。

しかし、どんどんセントラルなお店(ZARAやGAP、PSFAのような)も混在しだしていますが、そう活性化はしていません。しかし、この商店街の将来は?

 

127.丸広百貨店

地方・郊外百貨店は相変わらずお客様の高齢化は進み、フロアで混んでいる処は、催事(上手いものや駅弁等)と食品の名店街以外の自家需要部分のみでした。

 

これからの地方・郊外百貨店の存続は、百貨店層の高齢化(団塊世代の一部)にともない、百貨店層の子供たち(団塊ジュニアの一部で、地方・郊外に住んでいる人)は親よりも減少しているので、現在の百貨店MDでは、地方・郊外での存続が難しくなっています。

 

よって、百貨店面積をおおよそ半減し、現在の売上を確保するMDを組むことが必要です。

難しいとは思わず一度考えてみて下さい。自店顧客のマーケティングが出来ていれば全く問題ありません。このまま死滅されるのなら構いませんが、,,、そして、その残りの半分の面積で、このエリアに住まれている百貨店層以外のお客様を如何に誘致できるかを考えるべきなのです。当面、FBでもSCでもGMSでも、、場所によってはOUTLETでも、、

 

128.本川越プリンスぺぺ

小売業は立地がすべてです。この駅には周辺にはこの駅ビル以外には少なく、川越の商店街の外れに存在するのです。地下にはイナゲヤの食品スーパーもあるのですが、全く死んでいます。当面暗い売場を明るくすることからでも、現在即大きな経費を掛けないでできる改善の余地は沢山あるのです。現状ならプリンスの名前を汚すのみです。

 

まずはVISIONを明確にした方向性を決め、それに向けて現在できる事からの改善に手を付けるべきでしょう。諦める事はありません。ここを活性化させるには、周辺のマンションや商業施設から手を入れなければ難しいでしょう。その為には西武鉄道や不動産業を巻き込んだエリア開発から手を付けるべきでしょう。

 

過日大阪の千里中央のセルシ―の再開発を提言しましたが、最近阪急とセルシ―が発表していました。これによりEXPOCITYはと危惧も提言していました。

この様な内容は、先日提言していました海老名の小田急のビナウオークの開発(広報取材を聞くと前年より良化しているとのコメントでしたが、VISIONが見えていません)とその奥にあるイオン2施設の方向性、及び橋本駅前の学校の場所を大型商業施設ができるとARIO橋本も現在でも難しいのに、存続が危ぶまれると思われるのです。学校法人であり、可能かは別ですが、、

 

129.マルイ国分寺&CELEO国分寺

JR東京西駅の開発によるCELEOに改称し、マルイ側の6F以上も含め、CELEO国分寺になっています。マルイはこの館を過去は上層階までマルイファミリーとして、北千住のマルイと同様稼ぎ頭のお店でした。いまでもマルイはきれいな売場を維持しており、売上をもっと稼げると思われます。但し、隣のCELEOもそれなりになっており、食い合っていると推測されます。もっとターゲットをセグメントすればこのエリア客をドミナントできると想定されます。

 

130.ル・シ―ニョ府中

京王線府中駅に隣接し、伊勢丹の前に立ちはだかった商業施設です。

残念ながら、物販面積が半分強しかなく、地下に京王ストア、1Fから3Fまで飲食&物販で、4~6Fがコト中心の売場で、市の管轄窓口がメインなのです。勿体ないです。

 

市の意向が強いのか、コトがこれだけあれば売上は全く難しいでしょう。コトで受けてモノを売る事を忘れては折角の立地も役には立ちません。吹き抜けで解放感のあるきれいな休憩場所に過ぎません。それで良いのならこの一等地はどこかの商業施設に任せ、物販面積を増やし。市は上層階を増やしてテナントで入るべきでしょう。

 

131.くるる(府中駅前)

ここはル・シーニョの前の昔からある商業施設でありベタではあるのですが、向いの新設のル・シーニョが上述の状態ですので、入店客はそれ以上でした。

吹き抜けの作りが買い回りを邪魔していますが、これは今さら致し方ないとして、売場は暗いのです、できる手直しから手を付けるだけでも、十分伸び代はあります、勿体ないです。

 

132.伊勢丹府中店

立地の良い駅前で、ペデトリアンデッキでつながる地方百貨店なのですが、それまでも精一杯やっているのです。今回の駅前にル・シーニョができましたが、ル・シーニョが確立されていたとしても、百貨店客層のお客様を取られる事にはなりません。ル・シーニョのコンペチターはくるるなのですから、、

 

但し、上述の丸広百貨店のように、今後の方向性を考えると課題は満載なのです。

入店客は食品もクイーンズを導入され、隣のFORISとも客層が異なり、まだまだやりようがありますが、先日の週刊東洋経済の高崎高島屋の努力も将来の方向性の歯止めを一瞬止める程度にしか見受けられませんので、百貨店面積を半分にして現在の売上を確保し、その半分でそのエリアに存在する百貨店と違う層を確保する必要があります。

 

FORISをFBとすれば手前のル・シーニョやくるるが確立されれば、余程味を出さなければ立地的に負けます。三越伊勢丹HDSはFBノウハウは既にラシックがあり、上手に使えばまだまだ大きく化ける可能性があります。福岡のような1フロアの導入などはNGであり、仙台の元一四一や札幌や新潟の三越部分、浦和のCORSO部分や、銀座の新館部分等に流用すればまだまだ可能性を秘めています。運用ノウハウはまだまだ未熟ですが、、

過去に名古屋のラシックが、隣の三越のMI-CARDを利用できるようにしたと発表されていましたが、その時点でも相乗効果はほとんどないので、ラシック独自のカードを強化した方がト提言していましたが、今回ラシック独自のカードを推進するとの事です。

新宿ルミネに入っている百貨店のカテゴリーの切り出し型のショップでも、百貨店のカード利用比率は1割もなく、殆どがルミネカードホルダーの利用者なのです、要は百貨店顧客とFBの顧客層が大きく異なる事を物語っています。勿論SCやGMSはもっと遠い存在であり、百貨店に近いのはOUTLETのラグジュアリー系のブランドショップくらいなのです。

またセントラルな百貨店はGMSを自らM&Aして、衣料品やリビングを再生すれば、地方郊外店の再生は、まだまだやりようはあります。

但し、そこに送り込める程の経営者に相当するスキルのある人物は不足していますが、基幹店の営業部長級では物足りないのです。要は経営の勉強をしていないからなのです。

それはどの百貨店にも通用する事なのですが、そごう・西武などはその最たる例です。

それをこの様な立地の伊勢丹府中店や相模原店等、高島屋や大丸松坂屋の地方・郊外店、に適用すれば、地方。郊外百貨店の活性化ビジネス(百貨店ビジネスではなく)としては見込めるのです。

 

是非とも、健全なる企業経営に向けて、早急に改善・改革される事を祈念致します。

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