小島 健輔

2018 23 Jul

「KIMONO KABUKIS」と「KINJI」が面白い

 外国人観光客とお上りさんの街と化した表通りはともかく、裏通りにはまだしも面白い店が点在する原宿。キャットストリートと明治通りの間を表参道から北に伸びて竹下通りから繋がる原宿通りに出る九重商店街は「スニーカー通り」とも言われるが、この通りの北寄りには近年、目を惹く楽しい店が点在するようになった。その中でも一押しなのが「KIMONO KABUKIS」だ。
 間口は二間足らず、奥行きもそんなものだが、インパクトは数十坪の店にも劣らない。「キモノ屋」と言っても原宿に何店かある大正ロマン〜昭和レトロ的リサイクルキモノ店とは異質のガイジン感覚のジャポニスムキモノ、それも相当にストリート感覚のレイヤードで「NINJA SHOES」なんかも打ち出されているから、前を通れば目を惹かないわけにはいかない。しかも大半が1980円、2980円,3980円,4980円という超手頃価格だ。
 昭和レトロ系のリサイクルキモノ店では銘仙や錦紗が主役だが、ここでは刺し子や絣、縞木綿などいなせなワークKIMONOがあったり神主さんや巫女さん風の装束があったりとエッジが効いている。骨董市もやっているだけに相当に古いレアものもあり、現代人がお端折で着るには丈は短めだから、着流し感覚の羽織りアイテムあるいはパンクなレイヤードアイテムとして楽しむのだろう。一度、覗いてみる価値はある。
 私が原宿で最も高頻度に覗くのはYMスクエア原宿の地下にある巨大ユーズド衣料店「KINJI」だ。ここのトレンド感やシーズナルな編集感度は下手なセレクトショップの比ではない。メジャーブランドやSPAが原価を切り詰めてポリまみれの半端な商品ばかりになって行く昨今、ここには手を抜かず創られた一昔前の世界の逸品が超お手頃価格で揃っている。ぎっしり詰め込まれたラックから目当ての一品を探して自分のサイズ感とマッチングするのは骨が折れるが、慣れれば宝探しの面白さに嵌ってしまう。
 法外価格のブランド品を崇めたり安手のファストファッションを遊び捨てる途上期を脱した我が国の消費者がユーズドやデッドストック、レンタルやリースに流れて行くとしたら、新品衣料を作って売るビジネスは今以上に追い詰められてしまう。店舗販売かECかと議論している段階ではもうないのかも知れない。

         

     
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