マサ 佐藤
標準化は必要なのか??
★多店舗展開するには標準モデルが必要??
実店舗で購買からECに移り変わる時代になったとは言え、売上を良くする。多くするには、やはり店舗展開を増やすことが一番の近道だと言えます。その際に店舗標準モデルを作ったり、基準を作ることが必要不可欠な要素になりますが、それにはデメリットも多く存在することが確かです。その矛盾を良く捉えた記事を、私の友人である南充浩さんがブログで取り上げていました。
”小売店舗が全自動化されにくい理由。これがわかっている販売員。店長はAIに職を奪われない”
http://minamimitsuhiro.info/archives/2301.html
このブログの一説を部分的に切り取りますと。以下のように書かれています。
「小売店舗というものはフォーマット・マニュアル化が必要だが、最終的な部分は極めて属人的だということである。同じ接客マニュアルに沿っても、売る販売員と売れない販売員が出てくるのもその一例と言える」
と書かれています。私も長年販売員の仕事に従事してきたもの一人として、このことには全く同感であり、どんなに事前準備やマニュアルがしっかりしていても、生き物のように局面が変わる現場(店頭)では、最終的には自分の頭を使い、その変化する状況の中で顧客に対してそのときの「最適」を考え行動しなければなりません。
しかしながら、前提条件としてある一定の標準モデル・基準がなくていいという話にはなりませんし(南さんのブログもそう書いていない)、感覚と勘だけで店舗を増やしても、実務者の作業量と在庫が増えるばかりで結果的には...。なんてケースに陥りかねませんし、むしろ未だの多くのこの業界の組織が、感性と勘だけに頼ったビジネスを展開しているケースが多いというのが否めない事実です。
★組織をうまく運営・機能させるには一定の標準モデル・基準は不可欠?
多店舗展開する上で、なぜ基準となる標準モデルや基準が必要なのか?を以下考えてみると。
この業界では、その時点の気分で店舗内装・設計を決めているケースが多く散見されます。その結果、各店舗の広さが全く違うなんてケースがあります。そのことで起こりうることが予め想定されていればいいのですが、そんなことが行われていない組織の方が多いのが現状です。
結果的に、そのことで販売員の作業量が増え負担が増大。本部は売上のノルマだけは厳しく求める。しかしながら、その本部もMD設計が、自分たち組織だけで通用する?複雑怪奇なMDになっており、結果的に本部は商品の在庫の把握・商品分析も適当。そして多くの在庫が残る。更に販売員の負担が増える。但し、むしろ販売員を減らす努力はだけはする。という負のサイクルに陥ります。
また(店舗)標準モデル。基準なき経営はいつの間にか、プロパー店よりもアウトレット店舗数が多い等の本末転倒の結果まで引き起こしてしまいます。
★実務者のやる気を引きおこすためにも標準モデルは必要だが...。
もしかすると、上記のようなことは今後AI等のテクノロジーが解決してくれる!!と考えている経営者やリーダーがいるかもしれません。しかしながら、顧客から逆算して一番近い場所にいる販売員やその他実務者の立場に立って、標準モデルや基準を考えられないリーダーがAIなど使いこなせるでしょうか??おそらく、そういった考えのリーダーはその職務・ポジション自体がAIに取って変わられることを考えた方がいいでしょう。
実務者の「やる気」を引き出す。そして冒頭述べたように、実務者が個々それぞれにその時々の顧客の「最適」を考え、最終的には属人的な部分を引き出す。ためにこそ、むしろある一定の標準モデル・基準を作り、実務者が働きやすい環境を作らねばなりません。
そして、その働きやすい環境の中で、考えて仕事をする実務者が増えた結果。現状の標準モデル・基準をむしろ実務者に疑問にもってもらう、意見を言ってもらう環境を作ることで、時代の変化によって古びていく標準モデル・基準をアップデートさせることができます。
だからこそ、感性や勘。そして目先の金儲けばかりに捉われず、今一度各アパレル小売り組織それぞれの店舗標準モデル・基準を考える。良い機会にこのブログがなったら幸いです。
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この度はブログをご覧頂きありがとうございます。次回もどうぞよろしくお願い致します。