マサ 佐藤

2018 24 Jul

本当にPOSは過去の遺物なのか??

★POSは過去の遺物なのか??

最近、色んな方面でこの業界は「同質化」していると言われます。

その要因として、”POS(時点在庫管理システム)のデータに頼ったMD構築・運用が原因”等と言われることもしばしばです。

このことにより、POSに見切りをつけAIに期待している人・組織も多いようですが、(進化するテクノロジーを)誤った使い方をすれば、ますます同質化するのでは?と考えるのは私だけでしょうか??

★現状のPOSの使い方の何がいけないの??

では、ここからは私の独断と偏見で現状、この業界のPOSの使い方の何がいけないのか以下記してみると??

 

① そもそものPOSから抽出できるデータの見方がおかしい。

② 意味不明にPOSのデータを絡ませ変に自動化させている。(追加商品の判断等)

③ 期中データはよく見ているが、過去データはみない。過去データを活用してない。

 

これ以外にも多々あるとは思いますが、ザックリ言うとこのような感じでしょうか??

 

★では?POSのデータを有効に活用するには??

まず①を飛ばし、②ですが。現状このような状態になっている組織があれば即刻止めるべきでしょう。

追加商品の肝は??LT(リードタイム)と販売終了日です。この2つのことは人為的なことで左右される部分が多いことです。コミュケーションが不足すれば、予定よりも納期が遅れる可能性が高まるでしょう。また、販売終了日を定めることは極めて重要なことです。このことを店頭の現状と今後の納品予定を照らし合わせて考えず、自動追加をしているとしたら、残るのは後悔と在庫のみです。

 

③はある意味この業界で一番欠けている部分です。自社の過去データは、その組織の癖みたいなものです。これを整理整頓しきれいに纏めておけば、ありとあらゆることに活用できます。

特に、期中での売上予測は過去データを無視することなどできません。変に人間に主観を入れるのであれば、過去データを活用した売上予測の方がよっぽど信頼できます。MD予算設計においても重要です。

事実、現状のPOSでも期中に入っての(ある程度の精度の)売上予測は可能です。

 

ただ、唯一難しい点があるとすれば、(シーズンの)初回発注分の売上予測。顧客の需要予測が難しいということでしょう。半期で1回の仕入形態のショップではその活用が難しいということになります。

しかし、あてにならないMD・バイヤーの主観よりはよっぽど効果はある筈です。

 

★データは一気通貫でみることが鉄則

では最後に①について話をしてみたいと思います。これは過去のブログでも何度も述べていますが、

A 売上・粗利・(仕入)・在庫を一気通貫でみること。

B 金額だけではなく点数・構成も分析すること。

このことになります。

 

まずAに関してですが、これはMDにおける数値管理では基本的なことです。売上だけ良くても、在庫が多ければ×ですし。粗利率だけがよくても、違う見方をすれば在庫が多く残る要因ともなります。逆に在庫が多く見えても、実は数量が足りない!ということもあります。だからこそ、常に一気通貫でMDにおける数字は見なければなりません。

 

Bに関していいますと、当然売上金額は皆さんも気にしている筈です。おそらくランキングもそうなっていることだと思います。しかし、点数というのも重要な要素です。なぜなら売上点数が多ければ、(買上)客数を引き上げている商品とも言えますし、入店の増加や客数増のためには店頭では欠かせない商品ということになります。

粗利率を下げセールした場合も、その効果をみるには点数とあわせてみる必要があります。前週に比べ、点数が大して上向かなければ、そのOFF率では商品は動かないということになりますし、更なるセールを考えなければなりません。

また点数は以前にも言いましたが、点数は一番事実を表すものです。金額はある意味誤魔化しが効きますが、点数は誤魔化しがききません。だからこそ、売上・在庫の点数は常にチェックしておかなければなりません。

 

★構成をみると癖がつかみやすい?

最後に構成です。例えば、上位3商品。10商品の売上構成を皆さんご存知でしょうか?

売れているときと、売れていないとき。この数字は大きく変わる筈です。上位3や10の売上構成が低いときは、おそらくその組織は売れていない筈です。そのようなときは、店頭からみると売れ筋がないということになります。またおそらくMD・バイヤーの発注の仕方にも問題があるということでしょう。

 

また売上構成と在庫構成を併せてみることも重要です。在庫数は過去例にみない数量が存在していたとしても、売上構成が在庫構成が上回っていれば、その商品の在庫数は足りない恐れがあるということです。その逆は目も当てられません。この業界で言えば、服飾雑貨・生活雑貨で多くみられる現象です。

しかしながら、例外もあります。例えば、9月末時点でアウターの売上構成を大きく在庫構成が上回っていれば、正解です。1月末時点ではその逆が正解になります。

 

このように常日頃から、POSデータを多角的みる癖をつけることで、現状でもPOSは組織に貢献できるものとなる筈です。

 

★今あるものを活用せよ!

この業界では、片方ではアナログ的思考。そして片方では過度にテクノロジーに期待し無責任にそのことを煽ることが好きな業界です。ですが、便利なものを無視し自分たちの感覚・感性だけを信じる。また、商売。小売業の本質をまるで理解せず、テクノロジーの進化で救われると勘違いしている。このようなことでは、この業界の進化は永遠に続きません。

だからこそ、今あるものを利用・活用し、少しでも顧客に喜ばれる商品を産み出す!そのような業界になってほしいと願い、今回のブログは終わりにします。

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