マサ 佐藤
アパレル小売業の高齢化は避けられない?
★アパレル系転職会社は儲かっている??
昨今。どの業界も深刻な人手不足が言われていますが、このアパレル業界も例に漏れず深刻な人手不足に悩まされている組織も多い。という話をよく耳にします。
そんな中、先日アパレル系の転職会社の方と話す機会があったのですが、求人は過去最高?に出ているそうです。このご時世に一番儲かっているのは、実は転職会社なのでは??と勘ぐってしまいます(笑)
よく巷で言われている「販売員不足」で人手が足りないというのはその通りなのですが、転職会社の方からの話では、需要より供給が一番足りないのは、IT・EC関連の人材なようです。しかも、以前はそんなに高いお金で求人が出ていたわけではないですが、最近ではかなりの高額を支払っても良いという企業・組織も増えているそうです。
★求人が多いということは退職者も過去に例をみないくらい多い??
昨今の事情??からくる人手不足ですが、当然売り手側の方が、買い手側の見定めができるということですから、条件の良い組織・企業に人が流れるのは当然のことです。ということは、この業界もより条件の良い(給料・環境・仕事のやりがい等)ところに人が流れようとします。(実際にその流れは加速している)
条件の良いところに人が流れるということであれば、おそらくですが退職者も過去最高の水準になっていることでしょう。
★総合職って何よ??
ここで話は変わり、先日たまたま新卒のアパレル系企業求人を見る機会があったのですが、企業求人をみて一つ気づいた点がありました。それは、その求人の文言にやたらと「総合職」というのがあった点です。
上述したように、現在この業界の人手不足と退職者の続出という傾向は続いているのですから、新卒。とくに若い人材がどの組織・企業も喉から手が出るほど欲しいのは間違いありません。
しかし見方を変えると、若い人材が必要というよりも販売職が足りないからという現状から、「総合職という名の販売職」というごまかし、姑息な手段で若い人材を引き付けよう?集めようとするのは如何なものでしょうか??
はっきり言ってしまえば、そのような組織は販売の仕事を軽んじていますし失例な話です。
私は販売の仕事を10年以上経験しました。確かに接客には向いていない性格ではありました。しかし、顧客の声・反応と直に触れることのできる販売の仕事は、今の仕事を実践する上においても一番役立つものにもなっています。販売員が集まらないからと言って、堂々と販売の仕事の大事さを伝えようとしない姿勢は、いずれ新卒側にも見抜かれることでしょう。
(中には販売職を経験したのち希望する職種に変更できる制度を記載したり、販売職でのステップアップの仕組みや仕事の内容を明確していた組織もありました。)
★アパレル小売業の高齢化は避けられない?
こうした、転職したい人が多く条件の良いところに流れる。新卒が思いのほか集まらないといった状況は、組織・企業の人材の高齢化を招いています。
一概に高齢化=悪というわけではないですが、その状況は思ったよりも深刻な状態のようです。高齢化が進行すれば、特にデジタル系の新しい事業や、柔軟な発想に基づいた(組織の)自己変革なども中々進められるものではありません。そして販管費も上昇するでしょう。
また、そういう上が詰まった状態を目の当たりした、若手社員は組織に絶望し退職が加速。より組織の空洞化が進む現状になります。
ではそのような状態には陥らないためにはそのようなことをしたら良いのか??
世の中の底辺に棲みつく?私ごときのようなものにそのような問題を解決する術など持ち得ている筈もありません。
しかしながら、この業界の末端からスタートした私の視点でせめて言わせてもらえば、
・「販売という仕事の大切さ」を伝えるということを「総合職」等姑息な手段・言葉などでごまかさずにしっかり伝えていく。
・組織の評価基準を社員に対してガラス張りにし、疑問に感じる社員がいるとしたら、真摯にそのことに聞く耳をもち、場合によっては意見を受け入れる。
・ステップアップの道筋を可視化する。
・職種を変えたい人に向けては、その専門知識の教育。そして、公募→試験等の制度を可視化し実施する。
等のことを、早急にも考えるべきなのではないでしょうか?(その他にもすべきことは色々あるでしょう)
今まで通りの古くなった仕組み・考えのままでは、その組織は更なる高齢化に陥り、気づいた時には...。となっているかもしれません。
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