マサ 佐藤

2018 18 Sep

商品発注における心得?

★商品発注した段階で先の売上は決まる?

MDにとって商品発注という行為は極めて重要なものになります。何故ならば、発注した時点先の未来がある程度(というか殆ど)決まってしまうからとも言えるからです。

 

商品発注の精度が低ければ、売上は下がり、敷いては在庫過多という状況に陥り、組織を危険な状態に晒すことにも繋がります。そこで今回は、商品発注に関してのことをこのブログで綴っていきます。

 

★在庫過多問題における絶対な手段など存在はしない。

先述したように、商品発注の精度が低いと、売上が下がるだけでなく、場合によっては在庫も多く残ってしまいます。昨今、あまり良いとは言えない?この業界において、在庫過多は各組織が抱える大きな問題になっていますが、悪戯にそのことを問題にし危機感を煽る傾向にあるよう思われます。

しかしながら、そのような煽りもよくよく見ると、在庫過多の解決方策を明示したものではありません。

 

また私も在庫問題に関する具体的な手段を皆さんにお伝えできるのか?と言えば、そうではなりません。

何故ならば、限られた価値・原則等のことは提供できても、在庫問題は組織によって相対的に要因は違うものになります。また時代の変化等の影響も受けることになるので、組織それぞれに用いる手段解決策というものは違ってきます。また、それも時間の経過とともに古びたものになってしまいます。

 

ですが、少しでも何かの役立てればということを願い、在庫過多の要因の一つにもなりえている、商品発注における心得的なことを私の独断と偏見で考えていきます。

★小売業における商品発注に関することは主に2つ。

小売業。とくにアパレル小売業における商品発注は2つのことがあります。以下記すと

・新規商品発注

・追加商品発注

この2つです。

基本的には、この業界の殆どが上記のことが当てはまるように思いますが、インポート中心のセレクトショップ等は、年2回の仕入一発勝負!というところも多く存在しているでしょう。

 

★追加商品発注時に意識すること

まずは追加商品発注から考えていきます。

新規商品発注と違い、追加商品発注の場合は、「売れることが確実である!」のですから、追加商品発注するのであり、そんなに難しいことではありませんが、この業界でよく見かける光景は、追加商品が店頭に入荷してきた際に店頭からは、

「もういらねえよ!!」

という声が上がります。何故このようなことが起こるのか?というと多々要因がありますが、大きな要因は?

 

・追加ジャッジが遅い。

・発注してから商品が入荷してくるまでのリードタイム(以下LT)

・販売終了日(販売期間)の設定が適当。

 

この3つでしょうか。この3つのことが理解・意識出来ていないと上記のようなことが起こります。ある意味。優柔不断な人、管理が苦手な人はMDには向いていませんね。(笑)

 

追加商品発注に関する手段的なことは、先日繊研新聞さんより発売されました、私の小冊子にも記載していますので、是非参考・ヒントにしてみてください。

”数学はできなくても算数ならできる”

https://senken.co.jp/p/masasato-book1

 

★新規商品発注の際に意識すること??

上記2つの中で、とくに悩ましいのが、新規商品の発注でしょう。

情報が氾濫するのこのご時世でも、”この先どんな商品が売れるの?”ということは確信が持てるものではありません。ですから、トレンド情報を調査。ときにはセミナーを受講したり、また過去のデータなどを分析し、発注に活かそうとはするのですが、新規商品発注には悩みが生じます。

また商品によっては、1年前に発注せざるえないものもあるでしょうから、悩みは増幅するばかりでしょう。

 

このことで、AIに期待する声なども出てきていますが、資金力のある大手企業ならいざ知らず、この業界の多くを占める中小企業がAIを導入するには、まだまだ多くの時間を要することでしょう。

 

★逆の発想で考える?

”先にどんな商品が売れるのか?”ということを現段階では予測することが難しい。

そのことで、結果的にMDは安全策をとり?商品アイテム数を増やし、失敗が目立たないように薄く広く発注してしまうようでは、最終的に売れ筋がすぐになくなり、売れ残りが積みあがってしまうという現象がおこります。QRの体制が整っているところや、元のMD設計が販売期間を短くし、商品を売りきる体制が整っている組織であれば問題ないかもしれませんが、昨今海外に生産を委譲している現状でこのことは殆どの組織が不可能です。

 

ということは?この業界の現状では、(発注の際に)安全策?をとればとるほど、在庫過多になるリスクは高まることになります。

しかしながら、先述したように売れるものを現状予測することは難しい。結果的に在庫は残ってしまう。このことをどう考えるかです。このブログでも常々書いているように、事前準備をしっかりし、MD設計や期中における管理ルールの仕組みをしっかり作るということも大事なのです。むやみやたらに”継続品”という概念を入れ、在庫管理がゆるゆるになってはいけません。

但し、そのことをしっかりしたとしても、商品発注者から初回発注の悩みが消えることはないでしょう。

 

であるならば、逆の発想で考える!ということも必要かもしれません。それは?

”どういう商品を多く残すか?次年度に売りやすい残在庫はどういったものが良いか?”

 

という発想です。先述した追加商品ならば、基本的に売れているものなのですから、チキンハートで発注し、機会ロスを生じさせるより、多少余っても”売れていた商品だから、処理しやすい”と開き直ることも重要です。

また、新規商品発注の際には、”広いサイズ展開端々を残すより、売りやすい真ん中のサイズが残るように発注する!””(どんなスタイルにもコーデしやすい色は多めに発注しておく”といった発想も必要です。

そのことで、販売初期の段階では多少の機会ロスを生じさせる可能性はありますが、半年先にその商品が残った段階で売りにくい、サイズ・色が残るよりも、売りやすいサイズ・色が残る方が、期末に残在庫の質そのものが変わってくるということです。

 

商品発注する段階から残る在庫のことを考えておけば、次年度のキャリー(持ち越し商品)在庫消化施策も立てやすくなるかもしれません。要は”商品が残ること前提の先の未来を考えるということ”です。

 

最後に商品を発注するという仕事は、組織そのもの業績を大きく左右するというプレッシャーのかかる大変な仕事ですが、このブログが何かのヒント。役に立つことができれば幸いです。

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