マサ 佐藤

2018 10 May

都合よく変えられる指標は無駄!

★この業界で使われる数字の指標って?

アパレル小売業の仕事に従事していると、様々な数字関連の指標が出てきます。

例えば、MD関連の仕事で言うと?売上・粗利・仕入・在庫系の数字の指標。在庫回転率や交差比率。売上構成比。OFF率等。

販売関連でいうと、ユニーク客数・買上率(コンバージョン率)・SET率・昨年対比等です。

 

どのような指標を使えばいいかは?その組織がそれぞれ決めれば良いことで、このことに「絶対」はありません。ときにややこしい指標を使用することが、現場で仕事に従事する実務者にとっては寧ろ邪魔になっているケースも多いですが...。

 

★予算はどんな組織にもある筈??

そのような中。この業界で誰もが知る指標というか?気になる目安のもの??と言えば、予算ではないでしょうか??

 

一言に予算と言っても、売上関連の予算。粗利関連・仕入予算・在庫予算等様々な予算があります。(このことがない組織もありますが)

予算に対して、上↑下↓ということは、この業界の仕事に携わる人にとっては一番気になることでしょうし、とくに売上予算に対してどうなの??というのは組織のすべての人が気にしている筈です。

 

★予算をコロコロ変えてはいないか??

しかしながら、この業界では予算をコロコロと変える組織が多く散見される業界です。

 

そもそもアパレル小売業でいう予算とは、損益計算書を基本として組み立てている筈であり、期中で予算を変えるという行為は、「百害あって一利なし」です。

予算等の定義を組織として決めることも重要ですし、予算と期中の予測・見込みがごっちゃに活用している組織はすぐにでもそのことを改めた方が良いでしょう。

 

例えば、期中で好調店舗があったとして、その組織の店舗の売上予算を「あの店。もっと売れるよね~~!」と。期中で大幅に売上予算をアップしたりすると、その店舗スタッフのモチベーションは大幅に下がってしまいます。(場合によっては、店舗スタッフの収入に影響する。)

また、MD的に考えると??予算はそもそも、今年売りたいカテゴリーを表現したり、過去の数字の癖をベースに考えられている筈であり、そのことをコロコロと都合よく変えるという行為は、基準となるべき数字指標を放棄することになります。そうなれば、おのずとその組織の結末は悲惨なものになります。

MDは売れたり、売れなくなった場合。先の売上予測を基に仕入や粗利計画を修正する必要がありますが、その際に予算そのものを変えてしまっては、予算計画での段階での思考そのものの基準を見失うということです。

★プロパー消化率って意味わからん?

またこの業界でよく使われる「プロパー消化率」なるものも、コロコロと変えられる指標です。

 

プロパーの日本語訳は、普遍的な・元来の等の意味があります。

にも関わらず、ディベロッパー側の10%オフ(ルミネ10%的なもの)で売れているものは、プロパーでカウントする。タイムセールは商品の売変自体はしていないのでプロパーに含める?OFF率10%以内はプロパー売りとする??等。定義自体がしづらく、その定義そのものをコロコロと変えられるものです。

 

プロパーがもつ本来の言葉の意味で考えれば、売価変更していなくても「ポイントが多くつく」「カード割引」で商品を買える。と顧客が考えた自体で、(顧客の側から見れば)プロパーという言葉の本来持つ意味からかけ離れているのであり、プロパー消化とは言えません。この業界でいうプロパー消化率は、はっきり言ってしまえば「売価変更前消化率」であることが殆どです。

(そもそもプロパー消化率の定義でOFF率設定があること自体アホらしい??友人割はどうするの??またプロパー消化率を仕入等の予算に組み込んでは辻褄があうわけがない??)

 

★都合よく変えられる指標は、顧客ではなく組織や自分たちの身を守るために使われるだけ??

このように、「都合よく変えられる予算」や「プロパー消化率」等の指標は、顧客にとっての得を考えられているものではなく、組織や自分たちの仕事の既得権益を守る手段として活用されます。

ときに、自分の組織内での立場を守る・良くするために、使われる指標として(権力者・既得権益者側に)悪用されるのです。

 

昨今、この業界は厳しいとよく言われます。そのことを自覚するのであれば、組織内でしか通用しない!しかも解釈によって変えられる都合のよい指標。を使用するのを改め、変えられない。誰も理解できる。自分たち組織の顧客からの評価がすぐにわかる等の指標を用いるべきではないしょうか??

ファッションMD講義。マネジメント講義「正羽村塾」企業・個人問わず、受講受けつけております。ご興味のある方は下記リンクをクリックしてください。

http://www.msmd.jp

私の記事はfacebookでもご覧いただけます。気軽にフォロー・友人申請してください。

https://www.facebook.com/masafumi.sato.777

この度はブログをご覧頂きありがとうございます。次回もどうぞよろしくお願い致します。