マサ 佐藤
この業界がデータを活用できないのは何故か?
★大小どんな組織もPOSを利用する時代であるのに...。
この業界もPOSシステムが導入されて20年以上が経ち、現在では大きい組織だけではなく小さい組織でも気軽にPOSレジを導入活用できる時代になりました。
そんなPOSも日進月歩で進化し、今ではAI内臓されたPOS等も登場し、ますますより多くのデータをとることのできる時代になりました。しかしながら、そのようなテクノロジーの進化があってもこのご時世在庫が多く残る。結果的にどこも同じような商品が陳列される等。テクノロジーの進化はこの業界にあまり貢献していないように見えます。
★どの組織もデータが活用できていないのは何故??
ではなぜテクノロジーの進化でより詳細なデータが取れるようになったのに、この業界はうまく活用できていないのか?を私なりに以下簡単に考えてみますと。
そもそも何故POS等からのデータが必要になのか??、データ分析する目的は何だろうということです。
その目的は先の顧客の需要。要は欲しいものをその傾向から予測し品揃え政策に活かすということです。
ということは、
①データはその時点のデータだけでなく線で捉える。過去の推移傾向を分析し推理すること。(組織・顧客の癖を知る)
②各組織・ブランド・ショップの顧客の傾向がわかる・分析できるような仕組みをよく考えること。
③データに疑いをもち仮説を立て推理すること。
が実践できていなければ、顧客の先の需要の予測等できないということになります。
①に関していいますと、今時点での売上等のデータは殆どの方が見ていますが、過ぎ去った出来事。または売れていない商品。放置されている過去の商品から何かを見出そうとする姿勢がない組織が多いのが現状ではないでしょうか?、また②は、テクノロジーではなく実は組織・人そのものの考え方に問題があるということです。③は売れる商品ほど?悪いところ。売れない商品にも良いところ。ヒントを探す等先に繋げる何かを探すのは、データではなく当事者の思考そのものの問題です。
★自分たち組織の商品コードやルールに疑問を持ったことがあるか??
データ活用の目的は先述したように、「顧客の需要を先読みし品揃え政策に活かす」ということです。このことがこの業界で一番実践される場と言えば、シーズンディレクションやそのことを実際にMD設計し数値化するという場になるでしょう。
その次期シーズン・来年1年?の顧客の需要を表現する。最初のMD設計の段階で各担当者が気にしなければならないことを、私の独断と偏見でざっくり言わせてもらうと。
A トレンド
B 気温(どのタイミングで商品を投入するか等の適時・適量)
C 顧客の用途(顧客はその服をどのようなシチュエーションで着用するのか等)
以外にもありますが、このようなことを気にしながら、顧客の需要予測を各ブランド・ショップに見合うよう構築しなければなりません。しかしながら、商品コード。またその他商品に付随することが、この上記の要素からかけ離れている組織・企業も多いのではないでしょうか??
MD設計する際重要なカテゴリー(品種・中分類等)コードが適当だとお客様の需要予測を表現するのが難しくなります。
例えばコート・ジャケット(以下JK)・ブルゾンとコード設計をした場合。ダウンはどこのカテゴリーに属するの??JKっとぽいアウターはコート??それともアウターと訳が解らなくなってしまいます。また、そのことをきちんと定義せず、各MD・バイヤーが思うがままにカテゴリー決めをしていたら、せっかくPOSで集めたデータもある意味無駄になってしまいます。
その場合。JK・外アウター・中アウター・コートと分類を決めれば、ある意味。顧客のその服を着用するシチュエーションにカテゴリー分類できますし、トレンドも表現しやすくなることでしょう。その他、更に分析したければ、大→中→小に分類し、MD設計するとに使用するコード。更にもっと詳細に分析を行いときに使いたいコード等に交通整理・整理整頓しておけば、より先の顧客の需要を予測・表現できる仕組みになる筈です。
しかしながら、多くの組織また人は、自分たちが入社する前からあった仕組み・ルールに疑問をもたないということが現状です。
★データ活用をできないのはテクノロジーの問題でなく利用する人・組織の問題
時代の変化によって顧客の心理が変わるように、今ある仕組み・ルールというものは実は顧客の心理の変化を表現出来ないものになってしまっているという疑問を常にもち変化を恐れてはいけません。
よくこの業界は耳障りの良い言葉(52週MD。QR。オムニチャネル。AI等)ばかり気にし、実践すれば売れると勘違いしています。しかしながら、いくらそのようなことを気にし流され、実践しても決して顧客の需要を先読みすることもできなければ売れることもありません。
だからこそ、本当にデータ活用をより顧客の需要を先読みすることに活かそうとするならば、テクノロジーに頼るのではなく、まずは今ある自分たちのルール・慣習が、顧客の立場にたった、見合ったものになっているのか??を疑い、そして見直すことが賢明ではないでしょうか。
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