マサ 佐藤
ABC分析(分類)って必要?
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★小売業ではABC分析(分類)なるものがある??
小売業界では、ABC分析(分類)なるものがあります。中にはSや特S等その広がりはまるで体操競技の採点のようです。
当然のことながら、このようなABC分析(分類)はアパレル小売業にも導入されていることでしょう。しかしながら、このABC分析(分類)なるものがアパレル小売業の発展に貢献しているか?というと、私は疑問を感じざるえません。
★ABC分析(分類)の目的は??
そもそも私はABC分析(分類)なるものに全く興味がないので正しいことは言えませんが、そもそも「ABC分析を行う目的は何??」と私なりにない頭を絞って考えると?
”売れそうなものはより多く発注。売れなそうなものそれなりに発注。”
という発注の際の目安にすることが目的なのではないでしょうか??
以前のこのブログにも書きましたが、MDにとっての最大の権限は「発注する権限」であり、発注の仕事が終わってしまうと、ある意味その組織の売上の50%以上(組織によってはもっと高い)を左右するといっても過言ではありません。
だからこそ、事前に商品をABC等にランク分けし、発注の際の目安にしているのだろうと考えられます。商品をフラットに発注するようなMDは、ある意味無能であるとも捉えることができ、そのようなことが起こらないようにするためには、手段としてABC分析は有効であると言えるかもしれません。
またABC分析と名がついているのですから、当然のことながらABC分類した商品の検証。分析を行っている筈です。
★ABC分析(分類)が手段から目的に変化していないか??
しかしながら、この業界によくみられる傾向ですが、手段でしかないABC分析(分類)がいつしか目的に変わっている!ということはないでしょうか?例えば
・予めディレクター中心とした商品発注側が決めたABC分類を疑わない。
・やたらとややこしい数値指標・帳票を持ち出し仕事のための仕事を増やす。
・結果的に、ややこしい帳票ばかりで誰もABC分析等理解していない(特に商品側)
・現場(店頭)の意見は無視。
・結果SやA商品は昨年踏襲商品。
・ABC分析とは名ばかりで、結果はC商品ばかり。
こんなことにはなっていないでしょうか?特に分析するための材料を細かくし、普段組織が情報共有のツールとして使わなければならない帳票がややこしい状態になり、誰も理解できない!!ものになっているとしたら、それは全く意味のないものです。
また、そういう傾向に陥ると、店頭スタッフ等実務者の仕事を増やすばかりで、売れる商品を仕入れる。作る。といった目的から程遠いものになってしまいます。
更に商品作る。仕入れるバイヤー・デザイナー等も、ただややこしい分析ばかり目が行き、結果的に(顧客にとって)魅力ある商品等を考えなくなります。
★数字分析はただのツールでしかない。
このように、〇〇分析・分類等。如何にも頭が良い人が思いつきそうなことばかり行っていると、そのことはただの手段でしかないにも関わらず、いつしかそのことが目的化し数値のややこしそうな分析。帳票ばかりを作成していることに満足し、MDの仕事の目的を果たしたような気になってしまいます。
また、そういった人・組織は、(商品の)発注側が本当に行わなければならない、店舗に足を運び顧客や商品の生の情報を得ること、顧客の生活習慣・傾向。ときには通勤時等での観察等。顧客の情報を生で見られるような行為を行おうとしません。
「マーケティングガ~」「分析ガ~」と叫ぶのであれば、「百聞は一見に如かず」だという基本的なことを忘れてはなりません。
数字分析は、(顧客に)欲しい商品を提供する手段の一つでしかありません。一番大事なのは、顧客の立場に立ち物事を考えること。そのことで顧客が欲しい商品を生み出し喜ばれることです。
そして、そのことで磨くのが難しい「感性」に固執するのではなく、商売勘の「勘性」を磨くことの方が重要です。そして数値分析は商売勘を証明するためのツールでしかありません。
現場や生活習慣等を現場や日常の出来事から観察し、顧客の心理を読む。考える。そのことがあってこそ初めて数値分析というものが結びつき効果が出る。その当たり前のことをこの業界は、目先のテクノロジーや手段に踊らされず今一度深く考える必要があるのではないでしょうか?
アロンアルフアでくっつけたかのように、デスクから動かずPCやExcelばかりしても、顧客が増えることはないのです。
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