マサ 佐藤
指数・係数・ロジックばかり拘っても×
★数字・計算が苦手な私...。
私はこのブログや他の連載で、数字・計算に関することをよく書いています。しかしながら、私は数字・計算が大の苦手です。事実、38歳はまでは(現在45歳)、私がブログ等で書いてある知識は全くありませんでした。
30歳で初めてブランド・ショップのMDを任されたときは、今のような知識は全くなく、「商売勘」だけで品揃え政策を考えていました。それでも組織全体のサポート。メンバーの努力。そして時代が良かった?ということもあって、そのショップは売れましたが、勘違いしがちな私は自分の実力と過信し、天狗になっていた時期でした。
その後、様々な経験を重ねることで、ただの「感覚」「勘」だけでは、組織の成功はおぼつかない?ということに気づき今の知識を必死なって勉強・吸収しました。(師匠に恵まれたことが大きい)
★数字・計算が理解できてくると?ロジック等で語りたがる??
そして、過去の私と同じような経験をしている。また、「感覚」「勘」だけの商売を脱したいという組織をサポートするため、現在独立し活動しています。
しかし、私自身もそうでしたし、現在このような活動を行っていると、MD「数値」「計算」等が少しずつ理解できてくると?やたらと「数値」ありきで語りだしたり、「ロジック」「指数」「計数」に拘るような人が出てきます。
しかしながら、このようなことは実はMDとしては危険な兆候でもあります。
★MDの仕事は「商品」の仕事。「数字」の仕事がある。
MDとはそもそも、「商品計画」「品揃え政策」等の意味があります。そのことに関わる人をマーチャンダイザーと呼びます。
ということは、この業界でいうディレクターやバイヤーもMDの仕事をしているということになりますし、例えば、コンビニエンスストアでは、おにぎりの味を決める人もMDの仕事をしているということになります。
また、MDの仕事の権限として一番大きいことは「発注権限」「価格を決める権限」があるということです。前出の例で言えば、味を決めたおにぎりをいくらで売るのか?ということは売上に直結します。またどのくらいの数量を発注するのか?ということは、ある意味。その組織の命運を左右することになります。
上記の例のように、この業界もただ「服のデザイン」「服の品揃え」等を決めればいいのではなく、その価格・数量を決める。このように、「商品」そのものに関わる仕事。また売上を左右する「価格」「数量」を決定する。「数字」の仕事。このことがMDにとっての2大仕事です。そして、そのことは切っても切れない関係です。
大手では、この「商品」・「数字」の仕事を分類しているところも多くあります。
★「ロジック」「計数」「指数」ありきで物を考えたり、語ったりしては×
昔はかつての私が経験したように、ある意味「商売勘」「感覚・感性」だけで服が売れた時代でした。今でもそのようなことがあるとは思いますが、しかしながら、MDの「数字」の部分もしっかりしていないと、そのような組織が2・3年で経営危機に陥る時代になりました。
そんな時代になり、かつてのように「商売勘」「感性・感覚」だけで売れない時代では、MDの「数字」系の仕事の重要性も高ります。そのようにしてMDの「数字」系の仕事が理解できてくると、先述したようにやたらと「ロジック」「計数」「指数」ありきで物事を語る人が増えます。そういう人は、商品が理解出来ないでもそのことだけで、「売れる」と勘違いしている人が多くなるということです。
しかしながら、それだけでは「お客様を喜ばさせる」商品や品揃えを考えることなど、到底不可能です。変わりゆく顧客の心理は、数字だけでは判断しきれません。だからこそ、日々自分たち組織の顧客ターゲットの心理を「足と頭を使い、先回りして考える努力」をしなければなりません。
「数字」というのは事実でしかありません。しかし、その数字から「顧客の心理」「自分たち組織の過去の思考・行動」を読み、「お客様を喜ばさせる」商品・品揃えを考え実行することが、MDの最も重要な仕事であって、数字はそのためのツールでしかありません。
だからこそ、テクノロジー等の進化やロジック等に惑わされるのではなく、商売の基本に立ち返ること。「お客様を喜ばさせる」ことを考え、実行すること。このことがまずなければ、どんなに数字等の知識を身に着けても何の役にもたちません。
ファッションMD講義。マネジメント講義「正羽村塾」企業・個人問わず、受講受けつけております。ご興味のある方は下記リンクをクリックしてください。
私の記事はfacebookでもご覧いただけます。気軽にフォロー・友人申請してください。
https://www.facebook.com/masafumi.sato.777
この度はブログをご覧頂きありがとうございます。次回もどうぞよろしくお願い致します。