須田 祐司
ファッションビジネスに情熱を
【先の見えない、不確実な時代】
少子高齢化、市場の縮小、ライフスタイルの変化、消費傾向の変化・・・
既存事業の延長線上を辿るだけでは先細りするのは明確で、新業態や新規事業、海外進出や越境ECなど、次世代の収益源となる新たな一手が求められる。
今まさに、そういった新規事業や海外展開、事業や企業の立て直しに携わり、仕事に情熱を燃やしている方も多いのではないかと思う。
だが、新しい事を始めようとする時には、たいてい否定や批判がついてまわる。
「出来るわけがない」
「無理にきまっている」
「意味が無い」
「実績がない」
「前例がない」
「上手くいく保証がない」
などなど。
【否定や批判は、あって当たり前】
ステークホルダー全員があらゆる場面で100%大賛成のビジネスなど存在しない。
立場が違えば求められる役割も違う訳で、ダイバーシティの現代においては、国籍、言語、世代、性別、環境や習慣が違えば、受け取り方や考え方も違って当たり前。
だから、せっかく新しい事にチャレンジして道を拓こうとする時に、否定や批判で折れてしまうのはあまりにも勿体ない。
自分が常に100%正しいなどという事は有り得ないから、もらった指摘やアドバイスは真摯に受け止めて事業に反映させる。
自分にない視点での気づきや学びと思えば、否定や批判も糧になる。
悔しさはバネにすればいいし、心無い否定や批判は反面教師にすればいい。
諦めて止めてしまえば、そこで終わってしまう。
終わってしまえば、結局何も変わらないし、変えられない。
【原点に立ち返る】
僕はいつも、迷ったときには、原点に立ち返る。
「ファッションを通して、ドキドキやワクワク、笑顔や感動を沢山生み出したい。」
それが、ファッションビジネスを生業とする原点であり、信念でもある。
だから、その為に、まず自分が楽しむ。ドキドキ、ワクワクする。
人を喜ばせる。楽しませる。
感謝と情熱を忘れない。
そして、どんな状況でも諦めずに、自分の考えを言う。
伝わらなくても、精一杯伝える努力をする。
言うからには、やる。
自らやる事で、人を巻き込む。
自分事の仲間を増やす。
同じ目標と情熱を共有する。
仲間に頼り、仲間に感謝する。
その上で、そこにいる誰よりも、圧倒的努力を続ける。
そうやって何とか道を切り拓いてきたし、海外に住んで7年、心強い仲間たちに恵まれて、今もチャレンジングでエキサイティングなファッションビジネスに情熱を燃やしている。
自分の中にある原点や信念を忘れなければ、どんな環境や状況の中でも、情熱の炎が消えてしまう事はない。
【そこに情熱があるか】
ビジネスには、戦略があり、計画がある。
ロジックがあり数字がある。KGIがありKPIがある。
そしてそこに、情熱があるか。
なぜそれをするのか。何の為に、誰の為に。
誰かの情熱なしに始まったファッションビジネスなど、この世に無いと思う。
否定や批判など、あって当たり前。
思い描いた通り、計画した通り、そんな簡単に事業は進まない。
それでも諦めず投げ出さず、何とか良くしてやり通すだけの情熱があるか。
偉大なる先人たちの情熱の上に、今日のファッションビジネスシーンがある。
先の見えない、閉塞感漂う不確実な時代。
今、ファッションビジネスに携わる我々が、先人たちを超えるような圧倒的情熱を持たなくては、新たな時代は切り拓けない。
思うだけでは何も変わらないが、想いがなければ何も変えられないから。
またこうして、FASHIONとPASSIONについて書くことにした。
いつかどこかで、誰かの情熱と成功のキッカケとなる事を願って・・・。

【ファッションビジネスに情熱を】