須田 祐司
フリーアドレス
【フリーアドレスオフィス】
当社の上海オフィスではフリーアドレス形態を取り入れているので、個人個人のデスクやキャビネットがない。

朝出社したら、各自のロッカーからノートPCを出して仕事を始め、退社時にまたロッカーに戻して帰る。
資料は基本的にデータ化して紙の資料を減らし、保管の必要がある書類はファイリングして専用の棚に保管する。
なので、毎日仕事の始まりと終わりには、常にオフィスのデスクには何も無い綺麗な状態が保たれている。
業務効率化の為にある程度チームごとでまとまって座っているが、各プロジェクトごと、都度都度の状況に合わせて自由に席を移動していいので、コミュニケーションも活発になる。
また、文房具や備品は共有の棚にまとめて置き、新しい社員が増える度に新たなデスクや備品等を買い足す必要もなくコストメリットも大きい。
【はじめは人が習慣を作り、それから人が習慣を作る】
"はじめは人が習慣を作り、それから人が習慣を作る"とは、イングランドの詩人、ジョン・ドラデインの名言だが、個人としての成長は勿論、組織を運営する上でも良い習慣を作る事は非常に重要だ。
なので、良い習慣をつくる為に、環境を整える事(=環境整備)を常に意識している。
但し、新しい事や環境の変化に人は過敏に反応するものだから、最初の導入時には目的と狙いを明確にして伝えた。
今、何の為に、この仕事をしているのか。
目的は何で、その目的を達成する為に自分は何をしなければいけないのか...
環境整備や業務整理が出来ていないと、目の前の仕事に追われてそんな当たり前の事すらわからなくなる時がある。
忙しいのは皆同じで、頑張っているのも皆同じ。
仕事はプロセスではなく結果でしか語れないから、全員が結果を意識して今何をしなければいけないかを考え行動する事が習慣化されていれば、それほど強力な組織はない。
【過去でも未来でもなく、今を真剣に】
このフリーアドレスを取り入れているもう一つの理由として、"1日1日の区切りで、過去でも未来でもなく今を真剣に生きてほしい"という思いを込めている。
ルーティンワークが続けば「毎日同じような日々の繰り返し」とつまらなくなり、忙しい日々が続けば「何の為に自分はこんなに頑張っているのか」としんどくなるのが人間という生きものだと思う。
過去を悔やむ事も、未来に不安になる事も人間だから仕方がないが"過去の積み重ねが今であり、今をどう生きるかが未来になる"から、だからこそ"圧倒的に、今この瞬間に"フォーカスしなくてはいけない。
フリーアドレスで1日1日という区切りを意識する事で、毎日の意味とやり甲斐が明確になる。
【会社はもう一つの家族だから】
会社は家族よりも一緒にいる時間の長いもう一つの家族だから、自分の家族と同じように1人1人を大切に思っているし、1人1人の成長が会社の成長だから、成長を促す環境整備を常に意識している。
離職率が非常に高い中国・上海において、同業比較で離職率が圧倒的に低いのも、こうした日々の環境整備と想いを言葉や行動にして伝えていることの結果かもしれない。
事業も企業も人で成り立っているから、人に対して真剣に向き合い圧倒的な時間と労力をかけて取り組まなくてはいけない。
昨日で現地も仕事納め。
1年の終わりに、今中国で大人気の「喜茶」に並んで、スタッフたちに差し入れ。

言葉で、行動で伝える。習慣を作る、仕組みを作る。
そして常に、結果にフォーカスする。
【ファッションビジネスに情熱を】