千金楽 健司
”12 retailers at risk of bankruptcy in 2018” を読んで
アメリカ版の帝国データバンク:CreditRiskMonitor がこんなレポートを発表しました。
▼ 12 retailers at risk of bankruptcy in 2018
J.Crew、Neiman Marcus、Sears、J.C. Penneyなどの大手企業も破産危機に直面していると指摘しています。ここ数年、小売業の倒産が続くアメリカですが、2018年もその傾向は続くであろうことは間違いありません。不振の理由は企業によって様々ですが、その背景には「AmazonをはじめとするEC事業者のシェア拡大・成長」「低価格(ディスカウント)業態による中間所得層の取り込み」「消費者自身の変化(モノよりコト、“経験”を求める)」といった要因があると説明しています。日本でも同様ですが、従来の小売企業が厳しいという話題がでると、必ずといっていい程「Amazonのせい」「ECのせい」という論調がでてきますよね。もちろん、これまでになかった商流が一気に拡大している以上、AmazonやECの存在は無視できませんが、それだけが小売業衰退の理由ではないと思っています。
このレポートについて、NYのりなさんがこんなことを言っていました。「全ては私たち消費者のライフスタイルが劇的に変化しているということ。なんだかあのリテーラーは変わらないねーという印象のところは当然、消費者とズレていき、結局顧客が離れていく。今は多数の良いスタートアップのブランドが存在し、そうしたブランドは消費者のライフスタイルにあった安心ある商品を提供してくれる。そしてサービス、エンゲージメントにも積極的。消費者の関心がそういうブランドにシフトしていることが、従来の大手リテーラーに影響を与えているのではないか。」
りなさんのコメント、その通りだと思います。
みなさんも自分自身の行動・ライフスタイルを振り返ってみてください。10年前、20年前と同じままだという人は一人もいないのではないでしょうか。そしておそらく「スマホ」の登場によって、その変化のスピードや大きさは、より劇的なものになっているはずです。自分たち消費者があっという間に「変化」したように、ビジネスのやり方も「変化」させなければならない…いつまでも“従来通り”では、どんどん時代とズレていってしまうということをもっとシビアに考えなければなりませんね。