千金楽 健司

2020 19 Aug

「正しく・かしこく」恐れよう!

17日、内閣府が4~6月のGDP速報値を発表しました。

・実質:前期比7.8%減、年率では27.8%減
・名目:前期比7.4%減、年率では26.4%減

4~6月期GDP、年率27.8%減 過去最大の落ち込み
https://www.nikkei.com/article/DGXLASFL17HSS_X10C20A8000000/

消費税増税の影響が色濃く残る中、GDPを3割近く減らしてしまうほどに国内経済が止まってしまった…経済を止めててしまったことはコロナに対する過剰反応でしかありませんでした。TV(民放のワイドショー)を中心とするマスメディアの「煽り」によって、必要以上にコロナを恐れる「コロナ恐怖症」が蔓延しています。出張等で地方にいくと、地方の反応は常軌を逸していると言わざるを得ない状況です。

そんな中、日経にこんな記事が出ていました。マスメディアの論調も少しずつ「正しく恐れる」方向に変化してきたなと感じる記事です。

新型コロナ「正しく恐れて」 わかってきた特徴と対策:日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXZZO62684590V10C20A8000000/

当社のスタッフをはじめ、周囲の人たちに「コロナを必要以上に恐れる必要は全くないよ!」と言い続けていますが、なにも

・マスクをするな!
・どんどん外出して密になれ!!

と言っているつもりは全くありません。

・密にならない
・密になる場合はマスクをする
・手洗い、うがいをする
・重症化するリスクのある人はなるべく外出しない

こういった一人ひとりの「正しい予防」はいまも絶対に必要で、有効です。でも「恐れすぎる=マスコミに踊らされてパニックになる必要はない」のです。必要なのは「正しく恐れる」=「かしこい・バランスのとれた対応」なのではないでしょうか。

こんな話があります。

失業率が1ポイントアップすると、自殺率は3.53ポイント上昇するそうです。
日本の場合、3.53ポイント=4,236人となります。

長期にわたり経済が止まれば、当然企業は倒産します。
企業が倒産すれば、そこで働いていた人は失業します。
失業者が増えれば、失業率はアップします。

総務省によると6月時点の完全失業率は2.8%でした(少しずつ増加中)。
日本の場合、休業中の労働者(約600万人)はここに含まれていません。経済が止まったまま(止められたまま)元に戻らず、休業が失業に移行した場合、失業率が一気に12%を超える可能性もあるそうです。

たった数か月の間に、10%も失業率がアップしてしまうかもしれない…その場合、5万人近い人々が「自殺」をしてしまうかもしれないのです。つまり、コロナを「正しく恐れなかった」結果、5万人の命が失われるかもしれないということです。「経済を止める」ということはそういうことなのです。

厳しい言い方ですが、経済を止めるのをやめたとしても、コロナ以前と同じ=元通りの生活には戻れません。しばらくの間、多くの企業…特にサービス業・小売業にとって非常に厳しい時代が続いていくことは間違いありません。だからといって、経済を止めたままでいたら…我々はあっというまに「ゆでガエル」となり「死」をむかえてしまうでしょう。

コロナを正しく・かしこく恐れながら、しっかりと経済をまわしていく

いまこそ、それが必要なのではないでしょうか。