児玉 千恵子
優しい心を育てる「花育」 育てて・眺めて・楽しむ 日常 繊研新聞 くらしのまわり
桜梅桃李などの花々に癒やされる時節の、真っ只中である。
3日後の8日は「花祭り」。各地の商業施設や店舗では、おもてなし空間の玄関に、生花や造花(アーティフィシャルフラワー)が飾られている。
14日の「オレンジデー」には、バレンタインとホワイトデーに続く、第3の愛の日としてオレンジ色のグッズや花束を贈り合う。
「復活祭~令和4年は4月17日」には、白いユリが活躍する。23日の「サンジョルディの日」には、贈り物に添えて真っ赤なバラと、青い(緑)麦の穂が重宝される。
大輪のバラの花によく似た、美しいベゴニアが咲き誇る館(広島市植物公園より)
お花にまつわるエピソード
コロナ禍での生花市場の動向(21年~22年春)を見ると、法人向けや各種の店舗向けの需要には勢いがないが、個人消費は伸びている傾向にある。
先月の卒業式を控えた時期に、「学校や各サークルから生花の注文が沢山あった」と、フラワーショップを営む知人たちから便りが届いた。さっそく、その中の一人である「ルフラン」の経営者M・A女史に同行させて頂き、備後赤坂にある「広島県東部花き地方卸売市場」へ出向き、花の香りが漂う館内を見学した。
同時期に、高速道路を車で90分走って「広島市植物公園」に出向き、色とりどりの花々や葉物の瑞々しい姿を楽しみ、園内の展示室で「草木染め」作家の作品を堪能してきた。
令和の中高生たちの間では、「花束サプライズ」が人気だという。先の卒業式では、恩師に生徒から花束を贈ったり、卒業生の一人ひとりにブーケが配られた。
先日、好きな人に渡す物の一番人気が花束という記事が「Y新聞」に載っていた。
令和の卒業式では、制服の第2ボタンに代わって、花束がキューピットの役目をした光景もあったことだろう。
植物を愛でる方々が、天然の色を活かして染めた「草木染め」コレクション
花育のテリトリー
「花育」とは、一般的には「花を教材にして、生命や個性について、子供たちに考えてもらう活動」をさし、「食育」「木育」に続く教育的な要素が盛りこまれている。また、農林水産省の定義によれば、「花卉(かき)」の多様な機能に着目し、教育や地域活動に取り入れること…とある。
筆者なりに解釈すると、「花育」とは「花や緑を大切なもの、愛しいもの、可愛いものと思う気持ちを育む」ことに着地する。よって、フローリストや生け花の先生、花育アドバイザーの他、生花市場のスタッフも、花育を支えていることになる。
かつて、ラフォーレ原宿のテナントの方々に、「母の日」と「父の日」のキャンペーン中に売場に飾る、赤いカーネーションや黄色いバラの「生け方教室」を担当した。今現在は、経営者やスタッフに、「花育」の大人版のようなサポートをしている。(ひろしま創業サポーター 日本VMD協会 正会員)
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