児玉 千恵子
時代は、前へとスピーディに進んで、商いも止めることはできないから・・・ 第173回「商いの実学・遊学・雑学」
乾いた空気の陽だまりを、窓越しに眺めながら、お手製のバジルソース (バジルの葉を、オリーブ油と塩こしょう、砕いたカシューナッツと一緒にミキサーにかければ完成)を作る師走の休日・・・。
クラッカーに、トマトとモッツァレッラチーズを挟んでバジルソースをかければ、夕食までの小腹を満たしてくれるカナッペになる。
令和になって初めての歳末だが、夏から、台風・豪雨・水害にみまわれ、秋があっという間に過ぎ去ってしまったと感じる方も多いだろう。
また、信じられない事件があった。
痛ましい京アニの放火事件の衝撃も癒えないうちに、世界遺産の「首里城」が、瞬く間に灰になってしまった。おめでたい天皇の即位礼やお祝い儀式の 余韻が続く日々の中で・・・。
沖縄の人々にとって、そのお城は戦後の復興シンボルだったし、修学旅行生や県外からと訪日客が、いにしえの琉球王朝へと思いを馳せる貴重な名所だった。
ふり返れば、99年から10年以上にわたり、公的機関や沖縄の民間企業からの要請で、年に4、5回ほど、研修会や講演に出向き、製造業・各種の組合、小売店へのリテールサポートに伺ったので私の胸も痛んでいる。
その貴重な建造物は、風土の色という視点で見ると、首里城の「赤」は神秘的で、えもいわれぬ格調高い濃い朱赤の存在だった。
琉球王朝の格式と伝統の礎に、大陸からの文化、本土からの文化、台湾をはじめとした東南アジアの文化、米軍基地からのエッセンスが添加された、 チャンプリーな独特の色を醸し出していた記憶がある。
時代は、前へとスピーディに進んで、商いも止めることはできないから、来年の第32回オリンピックを希望の糧にして、歳末商戦を盛り上げていきたい!
各地では、「おせち」や「クリスマスケーキ」の予約がラストスパートに入っている。
甘いスィーツや、美味な「グルメ」を食すと、多くの人々が笑顔になれるものだ。
衣服関連では、本格的なセールの前に、「プレセール」も、年々前倒しで盛んになってきている。
プロパーでも「価値のある服」、例えば、色や素材、スタイルが、お金を払うに値するなら、12月に入っても購入につながっている。
例えば昨今でも、著名な欧米発のラグジュアリーブランドの場合、お気に召した服やバッグがあると、値段を気にせず、 見もしないでお買上げになる方々が、予想外におられる。・・・(本文冒頭より)・・
「ストアーズレポート」2019年12月 児玉千恵子書き下ろし連載第173回「商いの実学・遊学・雑学」は、『人々の手にウィンターギフトがきらめく街角の冬空』!
今月の「閃きの伝言板」では、大型店や百貨店では、12月をまたずして創意工夫を凝らした催事が盛んに行われていたが、 各地の地域おこし・高原の集い・海辺のフェスティバルを深掘りするほか・・・
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