船橋 芳信
2018
28
Jun
茶道講習会
先週、週末3日間、ローマ在住の野尻先生がミラノ裏千家、茶道道場でお茶の講習会を開かれた。
良い機会と、右膝の痛みをこらえての土日の二日間、参加した。
講習は、朝8時半から坐禅と共に始まる。
深い息、静かな息、丹田を使った腹式呼吸を指導される。
今回始めて、炭手前を見ていただいた。お点前を始める前に、炭を手順に沿って、下炭、
胴炭、ギッチョ、割ギッチョ、管炭、枝炭、点炭、7種類に分けられた炭を、作法に従って整えて行く。
道具としては、風炉、炭をを入れる炭斗、灰器、灰匙、羽箒、カン、火箸、香合、お香、帛紗、釜、釜敷き、
これらの道具それぞれに使い方作法が備わっている。
細かく説明するには多大の紙枚を要する。
これらの道具の据える位置を覚えるにも、また、7種類の太さ、長さの違う炭を作り分けるのにも
知識と作業と経験が要求されてくる。
緊張しながら、炭斗を持ち、風炉の前に座り、羽箒、カン、火箸、香合をおく。
何とか、7種類の炭作法を終え、香合を手に取って、なかのお香を取ろうと、蓋を開ける。
明けてナント、お香が入っていない。
ドット汗が吹き出た。
「何をやってるの!」野尻先生の怒声が飛び散る。
「準備が全て!お香を忘れるとは、、呼吸法がなっていない!集中力の問題!」
急ぎ半東が、お香を差し入れる。
風炉の胴炭の上に一つ、奥の炭の脇に一つ、お香を置く。
日曜日のお稽古は、貴賓棚付き花月を見ていただいた。
膝の痛みは通り過ぎ、丹田で、痛みをこらえ、深く息をして何とか乗り越えた。
茶道の面白さは、呼吸法の活用と集中力の訓練、動きの柔らかさと美味しいお茶!にある。
ブリュッセルで出会った多くの茶人達、その中に加わわるのに、夢見て、ミラノでの修行に
想いを新たに膨らませた茶道講習会だった。