船橋 芳信

2018 31 Mar

服作りと経済効果

我がアトリエは、7時から仕事を始める。二人の職人は超高齢者だ。それに続く私も既に高齢者の域に突入している。服作りの基本的な作業、纏り縫い、ボタンホール、ボタンつけ、それから始まって、しつけ抜い、仮縫い用縫製、ミシンかけ、いせぬい、AMFミシン作業、ボタンホール機械、縫製技術の取得と同時進行として、パターンメーキングの勉強、加えて、CADの作業取得と熟練、、、我がアトリエは、生地の選択、デザイン、パターン作成、サンプル作製、量産生産と一括して全行程をアトリエ内で行っている。量産出来ないこと、納期に遅れが出ること、、などアパレル産業としてはちゅうとはんぱなあとりえであるが、モノ作りへのこだわりは半端ではない。各ボタンにはハンド作業、力ボタンがついている。芯据え、見返しは一枚一枚、職人が据えて縫っている。だから我々の服にはリピーターがつく。リピーターが就くと益々仕事に精を出し量産体制による経済効果とは、縁がなくなって行く。だからこそ、我々の服には、リピーターがついている。顧客がつくと、滅多なことは出来ない。益々仕事に精を出し、中々、りょうさんたいせいによる、経済効果は見込めない。服作りは、お客様あっての仕事、いい服を作るために素材探し、シルエットを考え、色に想いを馳せ、アイテムマッチングに頭が巡る。服作りは楽しい。何とかつづけられるじょうきょうへむかって、プラス志向に光を求めて今日を生きる。