上野 君子

2022 20 Feb

マッチングアプリの潜在需要

昨夜は久しぶりに会った女友達と食事しながら、なかなか刺激的な話を聞いた。
私より4歳年下の彼女、還暦を過ぎてから婚活に励んでいるという。
時代の先端をいくような華々しい職歴の持ち主で、何をやっても営業力のある彼女のこと、最近もまた新しい企業への転職が決まったばかり。
離婚から20年近く経ち、久々に男性とのデイトを新鮮に楽しんでいる様子だ。

そもそものきっかけは、同世代友人の勧めにしたがって入会したマッチング(出会い系)アプリ。
フリーランスのスタイリストの友人がわずかな国民年金で生きていくことに不安を覚えて入会し、ついに結婚に至ったという話に感化されたのだ。
彼女自身はどちらかというと事実婚の価値観の持ち主だが、これまでも数人とのマッチングを経験し、今や彼の外車で方々に出かけている(共通項は車好き)。

彼女(とにかく笑顔がいい。若く見えるし、写真映りも抜群)によると、会員男性にはいくつか共通した傾向があるという。もちろんお相手の年齢はたいがいが50代以上となるので、若い人とは異なることはいうまでもない。
・女性を選ぶ判断となるのは、とにかく顔(写真)と年齢(若い人を求める)
・男性が結婚を望む究極の理由は、老いた時の介護
・70代でも80代でも入会する男性は、経済力に加え、性的な自信あり

結婚を目的とした出会いの場であるから、面倒なプロセスはあまりなく、2回目のデイト位から男性は自分のプレゼン(財産など経済的なこと)を始めるのだという。
それにしても、聞けば聞くほど、世の中にはお金持ちがいるものだと驚いてしまう。
こういう出会いの場はリスクも伴うものだが、すべては自己責任なのであろう。

私の周りにも、(今から10~10数年前がピークだったろうか)結婚サイトを通じて出会いを果たし、今は幸せな結婚生活をしている友人が少なくない。40歳前後で結婚して子供を授かった人も何人かいる。出産リミットとはまた違う意味で、次なるステージが見えてきた還暦という節目も、大きな潜在需要がありそうだ。

このコロナ禍によって、今後の人生や生き方を考えるなかで、こういう手法やビジネスも想像以上に広がりを見せているのではないだろうか。
あなたも試しに一度やってみたらと勧められたが、どうしても気乗りしない自分は、やはり結婚に対する願望が希薄であることを自覚したのであった(情けないことに、20代から少しも変わっていない)。
めんどくさい結婚をするくらいなら(一度も経験ないけど)、独りで野垂れ死んだ方がまし!