宮田 理江
自立した女性らしい成熟したフェミニン 「ヒロココシノ」と「タエアシダ」 2018-19秋冬東京コレクション
ランウェイ解読で「アマゾン ファッション ウィーク東京(Amazon Fashion Week TOKYO)」2018-19秋冬コレクションリポートを公開しましたが、今回は、成熟した大人フェミニンブランド2つをご紹介します。
「ヒロココシノ(HIROKO KOSHINO)」と「タエアシダ(TAE ASHIDA)」で共通して打ち出されたのは、自立した女性像でした。
◆ヒロココシノ(HIROKO KOSHINO)
「ZEN GRAFFITTI」をテーマに選んだのは、大御所的存在の「ヒロココシノ」。着物文化への理解が深いデザイナーは僧服ライクなゆったりしたオーバーサイズのウエアで、リラックスしたシルエットを描き上げました。
抽象画家のフランク・ステラを思わせる、直線主体のグラフィカルな柄を大胆にあしらって、着姿に動感をもたらしています。ブランケット風のマントっぽい羽織り物に幾何学的模様を配して、なだらかな曲線的シルエットと交差させています。首に短く巻いた共布のネックウエアや、同系色のレッグウエア、スニーカーもトータルコーディネートに組み込まれていました。
ボリューミーな量感でゆるやかにボディーラインを覆うシルエットが大人の余裕を感じさせます。もともとは武骨なトレンチコートは曲線的にアレンジしてドレス風に仕立て直しています。アイキャッチーな柄や、異素材のミックス、趣深いディテールがスパイスを利かせました。ファスナーであちこちを自在に開閉できるワンピースも登場。端の切りっぱなし処理が気負わないムードを醸し出しました。
レザーのセットアップは黒と白のコントラストがシックでフェティッシュ。チェック柄アウターのレイヤードにはメッシュのトップスを組み込んでいます。裾丈が正面だけ短いスカートは1枚で「長短ミックス」を演出。若々しいミニドレスはマルチカラーで彩られていました。
◆タエアシダ(TAE ASHIDA)
「タエアシダ」は赤と黒をキーカラーに据えて、プラウドな女性像を描き上げました。アイコニックなスキニーパンツの「レザーパッツ」はさらに進化しています。
赤いロングコートにフェティッシュなレザーパッツを引き合わせ、凜々しい着姿に整えました。スカートは左が赤の布、右が黒のチュールと、質感と色の両面でアシンメトリーを強調しています。
強いメッセージをレタリング(文字)でも印象づけました。「誠実」を意味する「SINCERITY」や「後悔しない」を指す「NO REGRETS」などのステートメントを胸や袖に添えています。ベルトの正面にも文字を配しました。赤いジャケットの背中には大きく翼を描き、女性の自立を応援するかのようです。
レザーは様々なアイテムに組み込んで、大人っぽいムードを深くしました。赤と黒以外にオレンジを差し色に迎えて、レディーライクなドレス姿に、程よい主張を盛り込んでいました。
「TAE ASHIDA」2018-19秋冬コレクション・ランウェイショー ライブストリーミング
http://riemiyata.com/tokyo-collection/24076/
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2018-19年秋冬東京コレクション
https://apparel-web.com/pickup/33110
Written By Rie Miyata
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