久保 雅裕
2019-20AW パリ・キッズ・レポート【前編】
プレイタイムのトレンドコーナー
パリの子供服合同展は、大型のトレードショー「プレイタイム(playtime)」と小規模なクリエーターのトレードショー「キッド(kid)」が主催会社を変更して始めたコレクティブショールーム「キッド・アパートメント(KID APARTMENT)」(※後編に掲載)として1年半振りに復活を果たした。
1月26~28日、パリ南東部郊外、ヴァンセンヌの森にあるパルク・フローラル見本市会場で開かれた第25回プレイタイムには558ブランド(前年同期比3.3%増)が出展した。うち初出展は128ブランド。来場者数は前年同期比5.5%減の7235人で、一昨年の0.5%減と比べて減少幅が拡大した。内訳はフランス国内が42.8%、海外が57.2%と例年並みで、69ヶ国から来場している。フランス以外の欧州からは43.9%で、アジアは6.7%(前年同期は7.4%)を占めた。欧州の来場国順位は、ベルギー、オランダ、英国、ドイツ、スペインとなり、イタリアがベスト5からこぼれ落ちた。欧州域外では米国の1位は変わらず、韓国、中国と続き、日本は昨年2位から4位に転落、ロシアが5位に入った。日本からは6ブランドが出展した。
初出展を果たした「マウンテン(MOUN TEN)」は「日本のプレイタイムと違い、各ブースが可愛くて参考になった」と感想を語り、「ベルギー、イタリア、米国などから持ち帰りも含めてオーダーが入りそう」「自分のブランドはカラフルではないので、他のブランドと被らず、目立つことができたと思う」と自信を深めていた。
同じく初出展で新進クリエーターを集めたゾーン「ニューナウ(NEW NOW)」に出た「フォークメイド(folk made)」は「NY、ロンドン、それに加えて韓国の2~3件からオーダーが入り、またイタリアが検討してくれており、10件は獲得したい」とし、「ニットと布帛のオフショルダー・ワンピースのシルエットが受けた」という。今後は「NY展か、パリ展のどちらかに出たい」と意気込みを語った。
パリ在住日本人のライフスタイルとアパレルのブランド「ジゴメ(GIGOME)」は、「服の量が少なく、ライフスタイルのカテゴリーに出展した方が良かったかもしれない」と感じたそうだ。ベルギーのブティックやロスと日本のライフスタイルブティックからオーダーが入った。
同じく初出展の子供用服飾雑貨の「オーシャン・アンド・グラウンド(OCEAN & GROUND)」は、バッグを中心に見られ、特にデイパックに当たりがあった。「土足の文化なのでシューズバッグは難しい」と感じた。また「欧米のエコ意識の高さからオーガニックやリサイクルといったキーワードを尋ねられることが多かった」という。米国、フランス、イタリア、韓国などから反応が取れた。