久保 雅裕

2018 23 Sep

支援は、届いてなんぼ

ミペルのジャパンブース

服飾雑貨の見本市「ミペル(mipel)」が2018年9月16~19日、ミラノ見本市会場「フィエラミラノ・ロー(FIERA MILANO RHO)」で開かれた。出展者数は350ブランド。日本からは、経済産業省の補助事業で日本皮革産業連合会(皮産連)が出展するジャパンブースが15回目を数えており、「ノーノーイエス」「アートフィアー」「夢詩集」「グランデロッシ」「土屋鞄」「タメン」の6ブランドが出展した。このほかヨウジヤマモト(Yohji Yamamoto)」のバッグブランド「ディスコード(discord)」を含む3ブランドが個別出展した。

アートフィアー

夢刺繍

ノーノーイエスは中国とアイルランドから2件のオーダーが入った。「価格的に少しリーズナブルなクラッチや財布、カードケースなども持ってきたことが奏功した」という。袱紗をモチーフとしており、箔をボンディングしたり、和紙を貼り付けたものなどジャパンらしさが分かりやすく、クラッチのMサイズで3~4万円(希望小売価格)の物に引き合いがあった。

皮産連としては、一般的に「デザインや技術、丁寧さという点で評価は高いが、価格面で高いという声が多い」と受け止めている。また香港の「ファッション・アクセス」、ラスベガスの「プロジェクト」(メンズ)、ニューヨークの「コーテリー」(レディス)、そしてミペルへの出展という形で、欧米アジアへ出せるようになってきたという。今回は4ブランドが受注を取れたそうだ。

さてミペルの皮産連、前稿のミカムのジェトロブースについても同様の思いがある。それは私の知る数多あるブランドが何故出ていないのか?もちろん出展していたブランドについて他意は全く無く、それぞれに素晴らしい物なのだが。恐らく、情報が行き届いてないのか、チャネルが少し違うと思って出展しないのか?ミラノへの期待が無いのか?。パリのジェトロ支援はブース代金の半額援助だけだが、こちらは渡航費とサンプル運賃だけ自己負担で、ブース代金は全額免除される。かなり有難い条件だ。

もし、若手のクリエーターにこの情報がリーチできていないとしたら、残念な事だ。様々な業界ネットワークを駆使して、多くのブランドにこの素敵な企画を告知してほしいと思った。