久保 雅裕
私はシャイで人見知り
シャイな日本人気質から生まれたソレイユトーキョーは、外国人からみたら不思議な光景
私はどちらかといえばシャイで人見知りの方だと思う。私の事を知っている人は「嘘だ〜、そんなの信じられな〜い!」と宣うだろうが、本当にそうなのだ。だからパーティーとか、レセプションも苦手だ。「またまた、よく言うよ〜。毎日行ってるじゃん」と指差して笑われそうだが、仕事だからと自らを奮い立たせて行ってるのだ。少数、若しくは一対一で話すのは得意だし、苦にならない。沢山の人前で話すのも、苦手ではないと思う。だけどパーティーのような場は、次から次へと知り合いに会うと話の焦点がボケてしまって、なんだか間の抜けた会話になるのが嫌なのだ。意外と同じ思いをしている人は多いのではなかろうか。「これって日本人のDNAによるものが大きいのでは」と思う事もある。
実はそんな気持ちから、出展者が立たない展示会「SOLEIL TOKYO(ソレイユトーキョー)」を思い付いたのだが、外国人に説明するには、この「シャイな国民性」と「外国語アレルギー」の話からしなければ理解を得られないのだ。でも説明すると大半の外国人が「なるほどね〜」と驚きながらも納得してくれる。もっと突っ込んだ話ができる時は、「不安遺伝子」の話もするのだが、これはまたの機会にしよう。
リニューアルした「プレイタイム東京」(8月21~23日/EBISU303)でもこの点に配慮した取り組みが強化されている。海外取引に臆していたブランドのために来場した海外バイヤーとの間を取り持つサービスが会期中用意されているという。単なる通訳でなく貿易に長けたスタッフを配置し、場合によってはその後の輸出までをサポートする。会期中には海外販路開拓のためのセミナーも行われ、プレイタイム・パリで実績を重ねている「tago(タゴ)」の深澤氏と「ARCH&LINE(アーチ・アンド・ライン)」の小池氏によるトークセッションも開かれるそうだ。一方、外国人がど~んとブースに居るだけで臆してしまう日本人バイヤーも多いらしい。輸入ができないからとインポートを諦めていた小売店のために会期中のコミュニケーションと輸入までのサポートも付ける。
ある意味、「面倒臭い国民性」でもあり、それが海外からは複雑で難しいマーケットと見られている一因でもあるが、これらの課題をクリアできれば、貿易による新たなマーケットの創出に向けて、双方とも大きく一歩を踏み出せるのではなかろうか。
「痒い所に手が届く」は、本来、日本人の得意技なのだから、展示会もその方向で進化していけば良いのではと思う。
538ブランドを集めてパリ一強体制となったプレイタイム・パリ19年春夏展