久保 雅裕

2021 11 Oct

パリの造形美術家Aurélie Mathigotとコラボし、グラフィックや新しいディテール提案でモードミックスを表現する N’enuphar


神戸の古着屋「タナゴコロータス」を運営する中村善幸が2014年に立ち上げたブランドが「N’enuphar(ネニュファール)」だ。デザイナー、パタンナーを兼務する中村は「エヌ・ハリウッド」を経て、2013年に異国情緒あふれる神戸で、古き良き古着の歴史を提案するタナゴコロータスをオープンした。ヨーロッパからの買い付けの古着を神戸、東京で店舗展開し、「さらに新しいモードファッションも発信したい」との想いから、神戸発のヨーロッパ古着屋が提案するモードカジュアルスタイルとユニセックスウェアのブランド、ネニュファールを立ち上げた。

ブランドコンセプトは、「未完成」。決して終わることのない美しさを、常に感じ、解釈し、表現する。さらに日本の人物をテーマに選び、その作品や人生観からファッションとの関係性を導き出し、ストーリー性のある衣服と新しいデザインディテールを提案する。22年春夏は「共鳴~時空を超え共鳴する場所、どこか日本とよく似たフランス、離れていても結びつく。窮屈な世界だが、ファッションは未来に自由という希望を与える」をテーマに、パリの造形美術家、オレリー・マティゴ(Aurélie Mathigot)氏とコラボレーションした。マティゴ氏による、パリの風景や日常、モネの池、睡蓮などの絵や写真に刺繍を施した作品にネニュファールのコンセプトである「作品や人生観、ファッションとの関係性を導き出し、ストーリー性のある衣服、新しいデザインディテールをミックスする」を重ね合わせた。素材には、西脇・播州織などの質の良い糸から生地を制作。さらに経糸の配列を微妙にずらす「よろけ織り」という特殊技法に、キュプラ・ベンベルグ混のサステイナブルな素材を合わせた生地も制作した。また、染色職人によるビンテージ感ある風合いを活かしたリネンの天然染めなど、新しいものと古き良きものの技術を組み合わせた生地を揃えた。同時にミリタリーをベースにしたビンテージ感溢れる生地の風合いを活かしたベージュや淡いイエローなどに、ブラックトーンの綺麗見えする生地を合わせ、モードに落とし込んだ。コラボ作品では、マティゴ氏の作品を生地にプリントし、作品のデザインポイントである手刺繍に沿って上からデジタル刺繍を施した。カーブのかかった生地の切り替えにグログランテープとレーヨンパイピングをプラスし綺麗見えするデザインに仕上げた。取り外し可能なナイロンポケットに、肩章やカフストラップ、バックヨークなどミリタリーのディテールを盛り込んだ、モードミックススタイルを提案している。

尚、今回の東京展、神戸展では、コラボしたオレリー・マティゴのアート作品も同時に展示され、コラボ商品にモチーフとして使用したオリジナルの作品も一部展示される予定だ。


マティゴ・エッフェル塔柄カットソー 13500円(以下すべて税別) 

マティゴ・パリ街並みシャツ 27500円

ジャカード織りシャツ 27500円

<春夏展>
日時 : 11月1日(月)~7日(日) 12:00~20:00
場所 : タナゴコロータス東京店
東京都渋谷区神宮前3丁目36-17 神宮前三丁目SYビル 1F
TEL:03-5843-1346

日時 : 11月10日(水)~21日(日) 12:00~20:00
場所 : タナゴコロータス神戸店
〒650-0023 兵庫県神戸市中央区栄町通2丁目1-3 謙昌ビル4F 403号
TEL:078-381-7083

<問い合わせ先>
担当 : 中村 info@tanagocolotus.jp 080-6154-2057