北川美智子

2019 30 Jul

令和の浴衣の柄

 夏の風物詩でもある浴衣や風鈴が見られる頃です。
 夏祭りの金魚すくいや花火、朝顔の花が作り出す風情がモチーフとなって浴衣の柄を彩るのは今も昔も変わりません。
 でもその着こなし、帯や履物、ヘアスタイルなどとの組み合わせには、より着やすく便利に、現代の生活の中で気持ちをそそるものになっていることはいうまでもありません。
 若い人が新しい目で見、感じた浴衣は案外にクラシカルでオーソドックスな着こなしでしたが、同時によく見るとプリント下地はカラミの透かし柄、楊柳など表面変化の素材も多く、洋服の流行にも通じており、帯も従来の半幅に加えレースやシフォンのように柔らかなもの、グログラン、モワレなどこちらも洋服ではおなじみの素材が使われているのに驚きました。
 糊のきいた藍染のゆかたにリボンや蝶のように結んだ帯できりりと着こなす浴衣美人は明治、大正、昭和の頃の話となりましたが、平成のゆかたが新しい土壌を作ってくれたといえるかもしれません。