北川美智子

2023 22 Feb

PremiereVision 2024S/S カラーの特徴

 三年ぶりにフィジカルを中心としたPV展は順調に訪れる人も増え、活気を取り戻しつつあるようです。
 会場内の情報発信も紙媒体からデジタル化されQRコードを読み取って確認する方法がとられました。
 ビジネス上の取引も国や地域を中心として素材の特徴や流通の利便性なども考えられるなど、工夫がされています。

 今回のカラーは28色(シェイド)で四つのグループに分けて提案されました。
 その背景には如実に社会の今と未来に対する希望や課題が語られており、来シーズンの実マーケットに向けたストーリーとして注目したいと思います。


[2024年春夏はプラグマティック(実用的)とユートピア発想の相乗効果が求められる]

 

1 のグループ
    Versatile shades  多用途なシェイド
          ambiguous dream  曖昧な夢

1~7 少しメランコリックで不確かな夢をじっくりと見よう。
     ミステリアスなスモークスクリーンな道を曲がるような、
     美しさの基準を考えたり、不協和音をだきしめ、
     未踏のフォーマルなボキャブラリーを企てよう。

 

 

2のグループ
    Radiant luminosities  輝く光度
      visionary reverie  先見の明ある空想

8~14 エネルギッシュで刺激的な光度のカラーレンジを掴む。
      のどかなペールカラーがアーティフィシャルなパステルとなり、
      優しく明るい未来のユートピアを作り上げる。
      超ナチュラルな振動とデジタルの輝きは洗練された
      ファンタジーやデジタルエデンへの逃避を促す。

 

 

3のグループ
    Quiet naturalness  穏やかなナチュラル
      Sustainable idealism  サスティナブルな考え方

15~21 カラーの持つ力は毒気の無いトーンの寛大さによって伝えられる。
      それは静寂であり慈愛に満ちた自然の色たち。
      品のあるニュートラルカラーや基本的なピグメントと
      ソーラーイエローなどの寒色と、茶系、湿り気のある土の色、
      控えめにぼかした生の色などの暖色の間で変動する色。
      少し高級な天然繊維に課せられたちょっとした拘束に注意。

 

 

4のグループ
    Magnetic intensities  惹きつけられるような迫力
      primal imaginings  最初に想像すること

22~28 カラーはパワフルなバイブレーションを伴うマグネットの
      強度によって神聖なものとなる。
      軽さを越えて深いブライトになるピグメントの過負荷や
      ダークのドラマティックさ、醸造によって滋養を増すかのような色。
      カラーピグメントはミステリアスなアクセントを伴う目に見えない
      エネルギーによって一層強いものになる。