北川美智子
Premium Textile Japan 2025S/S 展
第26回となるプレミアムテキスタイルジャパン2025S/S展が5月25-26日、東京国際フォーラムにて開催されました。
国内有数のテキスタイルビジネスを主眼とした展示会として、また日本のものつくりを伝える場としても魅力あるものになりました。
環境を意識したサステナブルに対する考え方を「サステナブル分類」として継続して発信し、今回はファッションエボリューションとして「What’s Next Sustainable」のテーマのもと、服を取り巻く仕事を生業としている人々の声を聞き、地球、自然、環境の様々な状況、条件を踏まえてものつくりの原点を探る活動を取り上げています。
サステナブルという言葉はかなり広まりつつありますが、その意味や未来に向けて私たちが何をなすべきか次の段階が問われています。
来場者による次の売れ筋テキスタイルの人気投票「What’s Next Textile」も3回目となり、結果が注目されました。
全体の第一印象は手の込んだクラフト調、変化に富んだ表面感、大きなテーマを作りそうな各種プリント、デニム感覚の充実と広がり、刺繍やジャカード、少し荒々しさを含んだ自然の表現、軽さの表現、肌触りの良さ、ゴワゴワ感、再生された素材、環境への配慮などなど。
テーマにもとづき分けられた素材やINDEXコーナーで提案されたものを見てもその質の高さが伺えます。
会場は素材分野ごとにA、B、C、Dの四つのゾーンに分けられ、「分野を越えてあらゆる角度から接点をもつ」ことが提唱されました。
Aゾーン 短繊維
a 麻
b デニム
c 天然繊維複合
d 綿 綿複合
Bゾーン 長繊維 絹
a シルク
b 化合繊 複合
Cゾーン
a 刺繍 レース
b プリント 染色 後加工
Dゾーン
a ニットファブリック
b 服飾資材
2025S/S トレンドテーマと提案素材
・ Sunset ⇔ Sunrise たそがれ ⇔ あかつき(黄昏と暁)
少しヒンヤリとした夕暮れ時、都会の中で一日が終わる。
そしてまだ冷めやらぬ思いで朝焼けを見るときめき。
自然とともに時を過ごす。
色 優しく爽やかなエレガントカラー。エアリーで眩い。
・ Architect ⇔ Novelist 建築家 ⇔ 小説家
テーマやイメージを膨らませ、こだわりを探る。
素晴らしい空間に安らぎを見出す。
タイムレスな価値と美意識。
色 個性的なソフトカラーと贅沢感のあるカラー。自由な発想のモダンカラー。
・ Jazz ⇔ Classical ジャズ ⇔ クラシック
楽器が奏でるクラシカルな響き。
アドリブとセッションで思いをぶつけあうドラマティックな演奏のジャズ。
各々の魅力をダイナミックに、繊細に受け継ぎ進化する。
色 ドラマティックでリズミカルなセンシュアルなカラーと自由で魅力的な旋律が奏でる落ち着きのあるカラー。
・ Promenade ⇔ Return path 散歩道 ⇔ 帰り道
春から初夏の優しい風、樹々のささやき、
花の香りなど外出してリフレッシュする幸せ感と
ふと不安を感じる帰り道の微妙な気持ちの揺れ。
豊かな表情。
色 自然に触発されたエネルギッシュなグリーンと黄色味を帯びたリフレッシュカラー。
INDEX
ビジネスに繋げる各社のイチオシ素材を集めたINADEXはゾーンごとに大別され提案された。