北川美智子

2020 24 Feb

2021 S/S Premiere Vision 展 1 はじめに

 2020年2月11~13日の3日間、パリ郊外のパルク・ド・エクスポジションにて来年の春夏向け素材展がおこなわれました。
 新型コロナウィルスの影響か中国の方々の来仏が減ったこと、ご多分に漏れずパリも異常気象なのか、会期中は雨、風、晴れ、曇り、霰、の荒れ模様ではありましたが、気温は比較的暖かさを感じました。
 PVの構成は前シーズンとほぼ同じで「レザー(ファー、皮革)」「アクセサリー(副資材)」「ファブリック(ニットを含む素材全般)」「デザイン(モチーフ)」「マニュファクチュアリング(プロダクト関係)」となっていますが、前回にも見られた「Smart Creation」は拡大しホール3に設けられかつ各フォーラムにも登場しています。
「スマートクリエーション」は58社が出展して天然、合成、化学の枠を越えた素材開発、オーガニック、リサイクル、技術革新による素材、実際に身に着けることができるような高度な技術を施した素材、トレーサビリティーなどを目的とし、主眼はサスティナビリティ―とテクノロジーに置いています。

 シンボリックなイメージは前シーズンとガラリと変わり、青い空に白い雲、少し波立つ海と浜辺出2匹の赤い金魚が泳ぐ水鉢を見る女性、凸レンズに移った大きな片目、唇の代わりともいえる金魚、黄色のTシャツなどがシーズンのイメージを伝えています。
 そこから読み取れるのは透明感、光り、水などで力強く自然を語り、自由に動き生きる喜びを語る事のようです。
 シリアスな感覚はなく、ちょっとしたユーモアを感じさせます。
 今回も「エコ」が芯となり、ファッションとファッションのもの作りを引っ張っていくという思いが伝わってきます。
 大きなキーワードとして「Eco-responsibility」、「Technology」、「Emotion & Inspiration」が今シーズンの中心となり「Sustainability」を支え展開していくと思われます。
 全部門を通して1755の世界中の参加各社と44、414人のビジターで中身の濃い開催となっています。