北川美智子

2024 22 Oct

25AW FABRICa NIPPON 展

 コロナが五類へ移行はしたものの健康管理には余談を許さない状況の中、店頭には秋の装いが見られますが、実情は30度を超える残暑との戦いの日々となった9月でした。
 そんな中、第二回目となる「FABRICa NIPPON 25AW」展が9月18,19の両日、浜松町の都立産業貿易センタービル4Fで行われました。
 作り手の想いを存分に伝えるために BtoB を主としたビジネスゾーンと BtoC のより消費者に近づいた(その場でサンプルなどを買えるなど)提案などの構成も二回目を迎えます。

 総合テーマは ESSENTIAL―本質の追求―

 情報が錯そうする中での現代のものつくりの本質を探る。
 オリジナルの追求と得意な分野を更に磨き上げることを目的とし、各社Move on(新しい試みを積極的に行うグループ)とBrush up(ベーシックを更に進化させるグループ)の二つのグループを提案しています。
 出展は8社2グループ(各3社)。
 日本の各産地から独自の技術を誇る14社が参加しました(米沢産地、福井産地、遠州産地、尾州産地、山梨産地、足利産地)。
 場内では各社のハンガー素材を手に丁寧な説明に耳を傾ける人の姿が数多く見られました。

 会場の様子と出展状況を簡単にまとめました。

◎各社からの出品によるコンセプトハンガー
 ・新しい質感の追求
 ・立体的表情感の追求
 ・オリジナル意匠の追求

 

 

◎2025AW向け提案カラー

 ・ACTIVE カラー

 

 ・SCHEME カラー

 

 ・FUNDAMENTAL カラー

 

 

◎参加各社(10チーム14社)

 

・糸の音 山梨産地 3社
 山梨県都留市と吉田市の間にある西桂町の共同組合として、各社表情豊かな素材作りに励んでいる。

 ・(株)槇田商店は江戸時代の質素令に対応して秘めたる装飾「秘すれば花」を表現。
  高密度の甲斐絹を使った膨れジャカードや丸を描いたジャカード(R60/P20/C15/N5)を出展。

 ・(株)川栄はシンプルに見えるこだわりのジャカードが得意。
  黒と白の花柄(S31/W56/N13)

 ・武藤(株)はこだわりのプリントやニードルパンチのスカーフに定評がある。

 

 

・遠山産業(株)  尾州産地 
 ベーシックをアレンジし、サスティナブルクールと70年代の レトロを表現。

 

 

・布のえき   福井産地  3社
  ・(株)ウエマツ  染色や特殊加工、表面変化、機能性を付加。

  ・中島機業場   様々な素材によるドビー、ジャカード。

  ・山崎ビロード  薄手のもの、プリント、ジャカード、シワ、多彩なビロード。
  純ビロードやベルベットを深く掘り下げると同時に脱ベルベットも追求。

 

 

・(有)ワダノブテックス   足利産地
 トーションレースを繋ぎ合わせて作る広幅のレースリボン地を「トーテック」の商標で販売。

 

 

・(株)加藤テキスタイル事務所   尾州産地
 ツィードへのこだわり  様々な素材ミックス  ウールに何かをプラス
 ワダノブテックスとコラボでツィード地のジャケットのとも糸でレースを作る。

 

 

・五大(株)   尾州産地
 メンズ調のスーツ地   定番のものにさり気ない表面効果を付加。
 ウールを主軸に綿や麻をミックス。

 

 

・木村員毛織(株)   尾州産地
 軽くしなやかなウールを追求。
 ウールにコットンやキュプラをミックス。
 ドビー、ジャカードなどにもしなやかさを追求。
 特にタスマニアウールにこだわり、長さのある糸が独特の光沢を生み、かつ自然のシワ感や艶感を作り出す。
 膨らみとハリ感が特徴。再生ウールにも力を入れている。

 

 

・(株) 東匠猪俣   米沢産地
 シルクを中心にメンズ、レディスに対応。  コートからシャツまで。

 

 

・古橋織布(有)    遠州産地
 綿と綿/ウール、綿/麻,ヘンプ/ウール,などの天然素材にこだわる。
 浜松きってのこだわりの機やで知られる。

 

 

・明林繊維(株)   福井産地
 サスティナブルとファッションの融合のもとに植物由来の再生繊維を使ったファブリックを国内で生産。小ロット対応。