北川美智子
COQ(コキュウ)展
テキスタイルデザイナーの梶原加奈子さんの製品展が9月始め表参道の骨董通りにあるスタジオで行われました。
日本のテキスタイル業界を牽引する新進気鋭のクリエーターとして活躍中ですが、テキスタイルの他に自分で作った布や糸を使った製品にも挑戦しています。
会場ではエコやサスティナブル、アップサイクル、トレーサビリティなど今最も求められるもものつくりの姿勢を貫き、どこかホッとする優しく楽しい製品が並びました。
ブランドは二つ。
一つは「COQ」(コキュウ)。
札幌市の郊外の森の中にアトリエを置き、そこでショップ、レストラン、こじんまりとした宿泊施設を併設し、自然にあふれた環境から生まれたブランドです。
人々の心を癒し深呼吸する場所でありたいという願いからつけられました。
食へのこだわりは自給自足の畑や作り手の顔が見える札幌近郊の農家から仕入れ、カットして使った後の棄てる部分をドライ保存して調味料をつくるなど、食品ロスを考慮しています。
布と糸の製品も無駄を出さないよう、余った布地はバッグに仕立てたり、つないだり重ねたりしながらシャツやドレス、靴下、セーター、愛犬の洋服、インテリア、小物雑貨などが作られました。
自然が溢れる静かな日常が力強く発信されました。
もう一つは「COQ hibi」(コキュウヒビ)。
「つながる」「続ける」「呼吸する」をテーマに、梶原さんのサーキュラーコレクションとして産地で出会った残布やマス見本をパッチワークウエアとしてつくりあげたものです。
変化しながら生まれ変わる自然のように、置かれた環境の下で呼吸しながら循環していくクリエーション、無駄のない再生利用をアップサイクルして新たに呼吸を始める事のすばらしさを感じます。